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助けを求める技術

こんな人に読んで欲しい

- 人にお願いするのが苦手
- 問題を自分で抱え込んでしまいがち
- 気付けば自分一人だけ無理をして遅くまで残業してしまう

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この記事の目指すところ

- 助けてと言えない人が、なぜ言えなくなってしまうのかを明らかにする
- 人に助けてもらうため、まず何を準備しておけばいいのかを紹介する
- 自分をきちんとコントロールするための環境づくりについて考えを共有化

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自身の考えを共有化する為の記事となりますので、人によっては拙い記事となってしまうかもしれません。そのあたりは予めご了承ください。

夜遅くまで残業してしまう人の例

仕事が貯まりに溜まって首が回らない。
できれば誰か助けて欲しいが、作業の説明をするくらいなら自分でやったほうが早い。

それは、あなたが真面目で仕事のできる人だと認められている証拠でもあります。ところが自分のキャパシティと釣り合うかどうかはまた別。

「本当は助けて欲しいのに!誰も助けてくれない!」

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心の中でいくらそう思っていても、なかなか言葉には出しにくいものです。そしてそんな人ほど、このようなやり取りをしてしまうものです。

Bさん「何か手伝う事ないですか?」
Aさん「う~ん・・・大丈夫!」

このやり取りを見ている周りの人はAさんに対して

「素直に助けてーっていうだけでも全然ちがうのにな」
「強がらずに甘えたらいいのにな・・・大丈夫じゃないだろ」

こんな風に思うはずです。
でも実はAさんが素直に助けてほしいと言わないのは、実は強がっているだけではないのです。いろんな要因が重なって「大丈夫!」と回答してしまっているのです。要因というと自立心が強い、相手に気を遣ってしまうなども挙げられますが、何よりも下図のようなことが起きていると私は考えています。

Aさんの中ではこんな事が起きている!

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このケースだと悪条件が幾つも重なっています。
本当はBさんはAさんを助けたいし、Aさんも助けてほしい所ですが…

1.BさんはAさんの仕事を理解しておらず、質問がオープンクエッション(ふわっとした広い問いかけ)になっている。結果、考える負担をAさんに丸投げしてしまっている。
2.Aさんはストレス値が高くなり、思考力が鈍っている
3.夜遅くまで残業している訳だから翌日の疲労も大きくなる。
結果、上図のような状態が翌日も続く

なかなかにひどい状態ですね。けど、私の周りではこういう事が往々にしてあります。さらに上記123のような悪条件が続くと真面目なAさんは段々と

「自分は人を巻き込むのが下手なんだ…」
「自分が我慢すればいい、もっと早く作業出来るようになればいい…」
「Bさんだって忙しい中声掛けしてくれてるのに、こんな対応をしてしまう自分がいやだ…」

こんなふうに自分を責めるようになってしまいかねません。

また、周囲が

「もっと上手くやったらいいのに」
「振れるものは振ったらいいんだよ」

こんな風に言おうものなら、Aさんはさらに自分が悪いと思い込んで責められてるように感じるでしょう。

ですが、この記事を書いてる自分としては決してそう思ってほしくはないのです。だからこそ「助けを求める技術」についてここでお話したいのです。

助けを求める技術

私の考える「助けを求める技術」の基本的な考え方は「自分と相手のことを十分に理解して適切なやり取りを行う」ことです。

ここで、Aさんにかかる負担を理解するために敢えて負担の数値化を行いたいと思います。

上記の図ではAさんはBさんに1から10まで全部言わなければいけません。
またBさんも1から10まで聞かなければいけないのです。

この1から10という数は、なかなかに多いのです。

人間の頭は、瞬間的に覚えられるものの限界数(マジカルナンバーといいます)があります。
認知心理学に於いてマジカルナンバーは「7±2」とされており、10はそれをやや上回っており、インプットするにしてもアウトプットするにしても「しんどさ」を覚えてしまう量になります。

だからこそ「1から10まで言わなきゃいけないのか」なんて言葉が生まれてしまっているのです。

参照:コトバンク

上記を踏まえた上で・・・
もしBさんが「5と6だけ言えばOKな状態」だとどうでしょうか?
余裕がない状況でも5と6の指示出しさえすればBさんは動いてくれるのです。

つまり忙しい人ほど、ピンチの時に必要なインプット量とアウトプット量を適正値に近づけることが肝要です。

この状態は、咄嗟に作り出す事はできません。
ですが、前もって下準備さえ出来れば作ることができます。

下準備の具体例

- Aさんは朝昼晩のタイミングで皆に作業の進み具合を中間報告する。
 (チャットでも口頭でもOK)
- 自分にしかできない仕事の手順書を先に作っておく
- 体調/ストレス状態/忙しさを数値化して毎朝報告する
 (オススメ。この数値の多寡で、上司はその日の仕事量を調節することができるようになる)
- 普段から同僚たちと親交を深めて、お互い何を大切にしてて何に頭を悩ませていて、何が得意なのかをよく知っておく。

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この下準備を深めれば深めるほどBさんの動きや質問の角度も高くなっていきます。

Bさん「Aさんの作業4と5ですが、これ僕でも出来るのでやります!」
Aさん「ありがと!」

これなら、Aさんがストレス値が高い状態でもすぐに返事ができるでしょう。また、BさんがそこまでAさんの業務を理解できていなくても…

Aさん「じゃ30分になるまで、これ読んどいて!あとで指示出すわ!(手順書を渡す)」

これでもOKです。
十分に下準備ができないまま忙しい状況になってしまうことはままありますが。完璧に下準備ができていなくてもある程度はAさんの負担が減るでしょう。そして、Bさんにこんな風に言ってもらえる状態を作る事こそ本当に助けを求める技術なのだと思います。

逆に、勇気を出して「助けて!」というのは中々にハードルの高い挑戦だと私は考えています。相手は早く帰りたいかもしれないし、他の仕事でパンパンかもしれない。それが見えないと「空気読め!」と言われてしまいかねません。せっかく勇気を出したのにも関わらずです。

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つまり「仕事=準備9割」という、ごくごく当たり前のお話なのです。
けど当たり前だからこそすぐに気付けなくなってしまうんですよね。
せっかくなので、もう一つ当たり前のお話をすると・・・。

AさんはBさんに「ありがとう!」と感謝を伝えること。
短い言葉でも、例えばBさんがマニュアルを読んでいたら承認すること。

この心掛けだけは絶対に欠かさないでおきましょう。

本当はBさんのような存在ってとっても、とーーーっても貴重なんです。
たいていの方は口先では「何かあったら言ってね」とは言うものの、積極的に自分を助けてくれるような人はそこまで居ません。

だから一緒にいられる時間を大切にしましょう。

なぜこの記事を書こうと思ったか?

にあの周りに、こういう人が多いため。
真面目で優しいけど、それ故に何でも一生懸命になってやってしまい、周囲の人たちを頼ることが出来ずに苦しんでしまう人が後を断ちません。

自責思考が高いことそれ自体はとても素敵な事ですが、あらゆることを抱え込みすぎると人間はあっという間にパンクしてしまいます。
パンクするだけならまだしも、精神疾患を患ってしまって一生向き合わなければいけなくなるかもしれません。それを予防する為の、自分なりの考え方が今回の記事をもって伝えたかったことです。

助けてもらえるような環境づくりは、気を遣ってなかなか相手にヘルプを求められない方にもオススメです。というか・・・

「助けてくれと素直に言う」以外にも、課題は沢山あります。

今回のnote記事を見てくれた人が、それらの課題をまず明確化し、お仕事でもプライベートでもノイズを極力小さくするように、環境を作っていけたら幸いです。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました!

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