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生徒指導の在り方

はじめに

先日、大学の講義で生徒指導について学習した。
戦後の教育理念から高度経済成長期、現代まで断続的に行なわれてきた生徒指導の実態や推移を見ていった。

そこで今回は、現代における生徒指導の在り方について、自分なりに考えた事柄を記録として書き留める。

生徒指導とは?

そもそも生徒指導とは、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めることを目指して行われる教育活動のことである。

つまり、生徒指導は学校の教育目標を達成する上で重要な機能を果たすものであり、学習指導と並んで学校教育において重要な意義を持つものと言える。

変容する生徒指導

生徒指導の方法は、時代によってさまざまに変容してきている。

その要因としては、スマートフォン等の普及によるSNS上での問題、いじめ問題の台頭などが挙げられる。

つまり、生徒指導の在り方を考えるにあたっては、学校内の状況に限らず、児童生徒の生きる時代状況や社会環境、そこでの子どもや大人の意識や行動の在り方など、学校外の状況も視野に入れ、多面的・総合的に考えることが必要である。

『生徒指導提要(文部科学省)』では、生徒指導とは「深い児童生徒理解と民主的な学級づくりを通して、児童生徒の個性伸長とそれを認め合う集団をつくることをめざす教育機能」であるとしている。

つまり、生徒指導においては「多様性の尊重」が重要な位置を占めていることが分かる。

いじめ問題を例に挙げると、いじめはひとりひとりの「違い」を囃し立てるところからはじまる。
その「違い」を理解することは難しいかもしれないが、生徒自身が尊重できるように指導をしていく。

こうして、多様性を尊重し互いを理解し合おうとする集団(今回の場合、クラスや学校)を築き上げていくことができれば、いじめ問題が重大化することを防げるだけでなく、児童生徒の自己指導能力の育成にも寄与するのではないかと考えた。

さらに、いじめ問題に関して、『「たまたま同じクラスになっただけの縁もゆかりもないメンバーが数十人、狭い教室に集まり、 仲良しでいることが自明とされる環境では、お互いのネチネチした感情が逃げ場を失い、いじめという形で爆発するのはいわば必然」(内藤朝雄『〈いじめ学〉の時代』柏書房,2007年.)』であることを受け、まともな対策を講じないかぎり、いじめは減ったりしない(し、劇的
には増えもしない)だろう。

具体的な対策としては、家庭という最小の教育機関に着目し、学校と家庭の互助関係を構築していくことなどが挙げられる。

しかし、近年ではいじめ問題の解決の際に、学校と家庭が対立構造に陥り、家庭側が学校を訴えたり、その逆もまた然りであるケースが増えている。

そうではなく、学校と家庭及び地域社会が互いに助け合って児童生徒の成長を支え、「チーム学校」として家庭や関係機関と協力して生徒指導を推し進めていくことが重要なのではないかと考える。

生徒指導の在り方

これまで述べてきたように、社会状況の変化等を踏まえた新たな視点からの生徒指導の在り方が求められている。

さらに、それぞれの学校や地域の実態を踏まえた取り組みも必要である。

例えば、都心部から離れた地方の学校の生徒指導と、都心部で生活する子どもたちが通う学校の生徒指導では、その強調する点も異なるだろう。

生徒指導の方法論を固定的にとらえることなく、社会や時代の変化を踏まえ、現代に生きる児童生徒のため、また家庭や地域社会のために、学校の生徒指導が何を果たすべきかを明確にし、家庭及び地域社会との協力関係を構築していくことが現代の生徒指導に求められているのではないかと思う。

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