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それぞれのフェミニスト宣言

こんにちは!メンバーのあかりです😸

「私はフェミニストです」と語ること


先日のメンバーのnote「フェミニストである自分を恥じちゃうとき」はお読みいただけましたか?(まだの方はどうぞそちらを先にご覧ください🙇🏻‍♀️☺️)

私も同じように、ジェンダー問題やフェミニズムの活動について人に語ることには少し、いやかなり勇気が必要な時があります。

特にそう感じたのは就活中で、年配の役員の方々に「大学のサークルでフェミニズムやジェンダー課題について取り組んでいます」と話す時はかなり言葉を選びましたし、どういう反応が返ってくるのかと緊張しました。(年配の男性は理解がないのではないかという私の先入観のせいでもありますが…)

実際に若手の方に、「役員面接とかでは、伝え方注意した方が良いと思うよ」と言われたこともあったり、役員の方に苦い反応をされたりと、苦しいなと感じる場面がごくたまにですがありました。

また、フェミニズムやジェンダーについて語ることの怖さはtwitter等のSNSを使用していても感じます。ネガティブな意見が多いことももちろん知っていますし、自分たちがやっていることが間違っていないのか常に考えることが必要であると思っています。

しかし、フェミニズムについて語ることに勇気がいるのは、こういった周囲の反応に先回りして、自分がやっていることに自信を持てていなかったからだと思います。

メンバーのいっせいの言葉を借りると、

初対面の相手に「こいつはフェミなのか」とか「ああ、ジェンダーとか言ってるめんどい奴ね」とか思われたくない自分がやっぱりどこかにいるんですね。

ということに尽きます。

それぞれのフェミニスト宣言

私だけでなく、ジェンダーについて語ることに難しさを感じている人は多くいると思います。

でも、小さな違和感や理不尽を放っておきたくはない人へ。変えたいことがある人へ。そしてそれを言葉にしたい人へ。

誰かの言葉を借りるのはどうでしょう。政治や行政を率いる立場の人や、著名人もジェンダーやフェミニズムについて発言しています。

今回はその「言葉たち」を一部紹介します。ジェンダーやフェミニズムについて言葉にすることに悩む私のような誰かの手助けになればと思います。また、それぞれの言うフェミニズムと自分の考えるフェミニズムが同じなのか、または異なるのかについても考えることができそうです。

政治家の発言については政策的意味や政局との関係、著名人の発言についてもそのバックグラウンドが重要ですが、ここでは触れず「言葉」だけを取り上げるので、気になった人はさらに調べてみてください🙂

「一人のフェミニストとして」ーオバマ元大統領(2016年)

私が楽観的になれることが1つあるとすれば、今は女性にとっての時代としてはこれまでとは全く違うことだ。過去100年、50年、さらにはこの8年で実現した進歩のおかげで、祖母の時代と比べて私の娘たちにとっての人生は大きく変わった。私はこれを大統領としてだけでなく、一人のフェミニストとして発言している。

女性誌「GLAMOUR」に寄稿した「これがフェミニストの顔」と題したエッセーより抜粋
〈https://blogos.com/article/186250/〉

私の人生を通して、労働市場の中で基本的に低賃金で一握りの仕事に女性が閉じ込められていた時代から、女性が労働力の半分を占めるようになっただけではなく、スポーツから宇宙、ハリウッドから最高裁まで、あらゆる部門で女性がリードする時代に変化した。身体、教育、キャリア、金銭的な面で女性がどのような人生を送るかについて自ら選択する自由を獲得していくのを目にしてきた。女性がクレジットカードを取得するには結婚が条件というのは遠い昔の話だ。実際、結婚しているか否かに関わらず、女性は金銭面で男性に頼らなくなっている。

だからこそ、これまでの進歩は軽視すべきではない。そのような行為は、これまで公正さを求めて闘ってきた人たちに対するひどい仕打ちとなるだろう。同じく、わが国そして世界で、女性や少女たちの将来の見通しを改善させるためにすべきことはまだたくさんある。同一賃金・同一労働から産む権利の保護まで、私は 良い政策を継続していくものの、新法を成立させるのとはまったく関係のない変化もある。実際、最も重要な変化は一番大変なものである。それは、私たち自身が変わることだ。

女の子は控えめに、男の子は自己主張をといった育て方や、娘が大声をあげたり、息子が涙を流したりしたときに叱るという態度を変えていかなくてはならない。女性の不貞には罰を与え、男性のそれを誉めるという態度を変えていかなくてはならない。
通りを歩いている女性、ネットを見ている女性に対する日常的な嫌がらせを許容する態度を変えていかなくてはならない。男性にとって女性の存在と成功は脅威だと教える態度を変えていかなくてはならない。
子どものおむつを替える男性を誉めたり、専業主夫に汚名を着せたり、働く女性に罰を与えたりする態度を変えていかなくてはならない。男性であるなら自信や競争する力を持ち野心的であることを重視する態度を変えていかなくてはならない。そして偉そうにしていた男性は、成功に必要だと思っていたその資質が突然、自分の首を絞めることになってしまう。

男性、女性、ゲイ、非同性愛者、性転換者、それ以外の全ての人に対して。こうした固定観念は、私たち自身であろうとする力を制限してしまう。

21世紀のフェミニズムとは、次のように言えるのではないか。誰もが平等であれば私たちはもっと自由になれるという考え方だと。

かなりはしょってしまいましたが、全文が気になる方はこちらからチェックしてみてください😊

「フェミニスト大統領になる」ームンジェイン大統領(2017年)

私はフェミニスト大統領になります。

果して私がこんなことを言う資格があるのか考えてみました。

私は厳格で権威的な家長や父親よりも、民主的で穏やかな父親と夫になろうと努力していると思いました。しかし、台所仕事は妻の仕事で、私は家事労働の価値をよく知りませんでした。 どれだけの女性が家事や育児のために仕事をあきらめなければならないのか、よくわかりませんでした。 今でも女性たちが直面している問題をすべて理解できないでしょう。

しかし私は女性も男性も性別差によって差別されてはいけないという確かな信念を持っています。 男女平等は人権の核心価値です。 「人が先の世界」は、まさに「男女平等の世界」だと思います。

「女性の目で世の中を見よう」という言葉に共感します。 社会的に弱者である人を理解するためには、その人の立場、その人の立場から見ることが必要です。

ムンジェイン大統領の性平等公約に対する演説から抜粋〈https://www.huffingtonpost.kr/2017/02/16/story_n_14788070.html〉

この演説に続き、①子育て②雇用③非正規雇用の女性の労働権と母性権④ジェンダー暴力に対しての公約と考えを述べています。

また、ムンジェイン大統領は、近年の韓国のフェミニズム運動やmetoo運動に対して、

「最近私たちの社会は、MeToo運動と共に重要な変化の最中にある」

文 京洙(2020)『文在寅時代の韓国-「弔い」の民主主義』157頁より

と発言しており、近年の運動に対して呼応し、それに変化を生み出す決意を述べています。

「皆が必ずしも「フェミニズム」という言葉で表現するわけではない」エマ・ワトソン(2016年)

フェミニズムについて話す機会が多くなるにつれ、女性の権利を主張することが男性嫌悪に繋がってしまうことが問題であるとひしひしと感じています。女性の権利主張=男性嫌悪、という世の中の意識を変える必要があります。

"HeForShe" 国連スピーチ
〈https://logmi.jp/business/articles/23710〉

「フェミニズム」なんて……と思う方もいるでしょう。しかし、「フェミニズム」という言葉の重要性を説いているわけではありません。女性の権利についての考え方が重要なのです。なぜなら、私が持っている権利を多くの女性が持っていないからです。統計的に見ると、私はとても恵まれた数少ない女性の1人です

自身が自然とフェミニストであると認識するようになったこと、しかしながらフェミニストやフェミニズムに偏見があると述べた上で、それぞれの性に関係なくフェミニズムを語ることの重要性を続けて訴えました。

男性も女性も繊細であって良いのです。男性も女性も強くあって良いのです。男性と女性というジェンダーを2つの全く異なった両極端のものであるという考え方から自由になり、男性と女性をひとつのものとして考えるのです。私達は私達自身以外の何者でもない、私は私であると受け入れることで、私達はもっと自由になることができるのです。これがHeForSheの考え方です。HeForSheとは自由を求めるキャンペーンです。
男性の皆さん、皆さんのお嬢さん、お姉さん、妹さん、そしてお母様の為に、彼女達がより偏見から自由になれるよう力を貸してください。そして同時に皆さんのご子息にも弱さを見せて良いことを教えてください。それによって、世界は私達が私達自身で居られる場所になるのです。

あなたが平等を重んじる方であれば、きっとあなたは「自分では自覚していないフェミニスト」の1人です。女性の平等を願う気持ちを、皆が必ずしも「フェミニズム」という言葉で表現するわけではありません。
「フェミニズム」という言葉には偏見があります。言葉の表現に差異はあれども、目指すところは同じです。男女平等を目指す活動、それがHeForSheです。皆さん、勇気を出して立ち上がってください。そしてご自身の心に問いかけてみてください、「私がやらずに誰がやるの? 今やらなくてどうするの? 今やらないならいつやるの?」

2016年の国連でのスピーチから一部を抜粋したので全文が気になる方はこちらをご覧ください!

私の「フェミニスト宣言」~21世紀美術館の言葉を借りて

「ジェンダーに関する社会課題に問題意識がある」とか「自分はフェミニストである」とか言っても目指すところや、解決したい課題はそれぞれです。平等や問題の解決を目指していても時には共感や連帯できない時もあるでしょう。

言葉にして伝えることには意味がありますが、あえて多くの人の共感を得ようする言葉を使う必要もないと思います。言葉にできる範囲で、自分のできる範囲から変えていこうとすることがアクティビストとしての一歩だと思っています。

最後に、今の私が思うフェミニズムのあり方について、21世紀美術館の展示「FEMINISMS」の言葉を借ります。

女性のためだったフェミニズムが、社会に違和感を持つあらゆる人たちの力になろうとしています。近年、フェミニズムは複数形で語られ始めました。世代や時代、所属する国家や民族、それぞれの環境や価値観によってフェミニズムの考え方や捉え方は異なります。複数形のフェミニズムが発するメッセージは、多様な考え方を認め合うことこそが社会にとって重要で必要だという視点です。

〈https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=45&d=1795&gid=17〉

わたしは「自分らしくある」ために、不必要な性別規範から自身を自由にするのがフェミニズムだと考えています。そして、より多くの人が平等意識を持った、公正な社会を望んでいます。

多くの人が言うように、フェミニズムについての考え方は、人それぞれ違います。

「フェミニズムって何か。いま何が必要なのか」柔軟に考えながらも、自分なりのフェミニズムを続けていこうと思います。

長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました😊


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