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わんこふのニュース解説 2023年6月6日

わんこふが注目の最新ニュースをピックアップ&解説します。今日のニュースは以下の3本です。

【1】AppleのARグラス「Apple Vision Pro」が発表!
【2】文化庁の「AIと著作権」の解釈が話題に
【3】 論文海賊版サイト、日本の違法ダウンロード720万件 5年で5倍超

【1】AppleのARグラス「Apple Vision Pro」が発表!
https://onl.la/ianzD4P
<<概要>>
ついにApple(アップル)印のヘッドセットが来ました。AppleのWWDC23で「One More Thing...」のかけごえで発表されたモデル名は「Apple Vision Pro」。単体で動作するARヘッドセットです。
<<解説>>
今回の発表会では15インチのMacBook Air(M2)や各種OSのアップデートがアナウンスされたが、なんといっても注目すべきなのは「Vision Pro」だろう。Vision Proはアップルが満を持して発売したAR/VRグラスで、スキーゴーグルのような見た目をしている。ビデオスクリーンやMacのモニターとしても使えるのはもちろんだが、私が強く興味を持ったのは「外側にもディスプレイを搭載している」という点と「コントローラーは採用してない」という点だ。なぜ外側にディスプレイを搭載しているのかというと、それは自分の顔を映し出すためである。つまり、VRグラスではなくARグラスとして使う際には、周りの人にも気がついてもらえるような設計になっているのだ。AirPodsを付けている人には話しかけづらい、なんて問題がこれまでにもあったが、Vision Proではそのソリューションが示されている。また、先ほども書いたようにVision Proではコントローラーを採用していない。では、どうやって操作するのかというと、Bluetoothキーボードやマウスもしくは、「目線、手、声」で操作するのだ。これは革新的だと思っていて、例えばChatGPTのアプリとは相性抜群だろうし、医療現場や建設現場でも活用されると思われる。発売は来年で、価格は3499ドル(日本円だと48.8万くらい)だそうだ。
余談だが、「Hey Siri」から「Hey」が消えたらしい(笑) もしかしたらこれもVision Proの音声入力を使いやすくするための戦略なのかもしれない。

【2】文化庁の「AIと著作権」の解釈が話題に
https://onl.bz/Uu1c9qr
<<概要>>
内閣府が公開している資料「AIと著作権の関係等について」がTwitterで話題になっている。文化庁が制作した資料で、5月15日に開催した内閣府のAI戦略チームの会議で使用されたもので、AIと著作権に関する現行法での見解などをまとめている。
<<解説>>
元ネタはこの資料で、要はAIの開発(学習)に関しては基本的に著作権者の許可なく著作物を使ってOKで、かつAIを利用して生成したコンテンツに対する著作権侵害の判断は通常の運用と同じだという事を示している。当たり前と言えば当たり前のことだが、これが公式見解として示されたのは大きいだろう。OpenAIのサム・アルトマン氏が岸田首相へのロビー活動を展開していたが、その影響もあってか、日本はAIに対してかなり寛容な国となっている。
ちなみに著作権の定義は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」なので、AIに思想又は感情が生まれたと判断されれば、AIが自律的に生成したコンテンツにも著作権が認められることとなるだろう。

【3】 論文海賊版サイト、日本の違法ダウンロード720万件 5年で5倍超
https://onl.sc/XhR3N5s
<<概要>>
有料の学術論文をインターネット上に無料で公開する違法な海賊版サイトの利用が急増し、日本からのダウンロード数が2022年に延べ約720万件に上ったことが毎日新聞の調査で判明した。比較可能な17年の5・6倍に当たる。論文の購読料高騰が背景にあるとみられるが、利用する研究者側の倫理も問われる。
<<解説>>
「Sci―Hub(サイハブ)」という、学術論文版の海賊サイトを取り上げた記事。学術論文を年間購読するための金銭的負担は非常に重いため、基本的に大学や企業、研究機関に所属しながら利用する人が大半だろう。それでも全ての出版社の論文を読めるわけではないので、読みたい論文が有料で読めない、ということもしばしばだ。もちろん論文の違法利用はタブーなのだが、どんなに新しい論文でも、それは過去の論文を創造の源泉としており、むやめやたらに高い購読料を設定するのは人類全体の損失だと思われる。オープンソースソフトウェアのような文化が学術論文でも広がれば理想的なのだが、、

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