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人間を数値化する

雪、雪がヤバい。

出張で青森に来ていましたが、道には1m以上の雪の壁。

東京は10cm程度の積雪予報で大騒ぎなのに、青森人は元気に活動しています。この差、むしろ愛おしい。

青森市内のビジネスホテルに泊まっていましたが、アジア系のスキー旅行客の方々が多いですね。朝食バイキングで爆食いして部屋に戻ろうとしたら、もうスキーウェアに着替えた方々がフロントで待機していました。もう着替えるのは気が早いような気もする笑。


そんな中、最近こんな記事を見て違和感。

外国人旅行者・インバウンドの消費額の目標を2025年には20万円に引き上げるとのこと。

コロナ禍前の2019年の実績を4万円上回る目標みたいです。

日本経済としてはインバウンドに頼らざるを得ない状況なわけですけど、

この数値目標、本当に気持ちが悪い。


要は、外国からわざわざ日本に観光しに来てくれる方々を、

ただの「お金」としか見ていないんですよね。

日本の自然文化とかアクティビティを楽しみに来てくれている人たちを、お金をたくさん出してくれるただの消費者としか見ていない。

訪日してくれる人数よりも金額だ、という記事の見出しが付いていますけど、正直この計画案を「いかにも当然な顔をして発表する」リテラシーの無さが気持ち悪いなあと。

人間には一人ひとり名前があって、背景があって、趣味趣向があって。

これを全く無視した数値目標は、人間をただの金づるとしか見ていない。

仮に自分たちが海外旅行に行くときに、「日本人は金払いがいいから来てくれて嬉しいよ」なんて言われたら不快of不快だと思うんですけどね。簡単な話だと思います。

数ある選択肢の中から日本を旅行先に選んでくれた方々をぞんざいに扱うような指針、いらないなあ。


仕事をしていても同じようなことが多々あって、例えば懸賞をやったときに

「懸賞に応募してくれた総数」が増減したかどうか、数字を追い続ける。

大事なのは「応募総数」の大小なんかではなくて、

「自分たちの企画に応募してくれたお客さんそれぞれ」なんですよね。

たとえば100件の申込の中にも濃淡があって、1回応募した人と3回連続で応募した人。1回の人にも感謝しながらも、3回連続で応募してくれた人にはメールや手紙でお礼したり。そんなコミュニケーションが大切だと僕は思っています。

人を数字で見る、というのは「楽」なんです。

多数いるお客さんそれぞれを見ることは実際難しい。でも、多数の顔も名前も分からないお客さんにとりあえずお金を払ってもらって、会社が成長すればいいやという考え方をいつまでも続けてていいのかな?

と、マスコミで働いているとなおさら感じちゃいます。

人間を数値化する=楽をする、というところから少しでも離れると

「豊かに生きる」というような、ふわっとしているけれど人間として大切な考え方が出てくるんじゃないかな、と思います。

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