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PLAYFUL Thinking プレイフル・シンキング 働く人と場を楽しくする思考法

この本の一つ前の記事にある「Neo classroom」の中で、つい教師が握っていたくなる子どもをコントロールしたい気持ち、ハンドリングをいかに手放すマインドをもつかが大切だと書かれていた。
働き方にも同じような考え方や感覚が必要だよなと思っているときに、ちょうど目に止まったのでこの本を読み直そうと思った。
この本が読みやすいことは以前読んだ時の印象を覚えていたので、気軽に読み始めることができた。

本書のキーワードである「プレイフル」について筆者は

物事に対してワクワクドキドキする心の状態(state of mind)を指す言葉である。キャロルのアイデアを参考にしながら、仕事を楽しむためのエンジンとして考え出した概念である

P3

としている。ワクワクドキドキする心の状態をもちながら、働くことに対して後ろ向きな気持ちでいるのではなく、見方を変えて取り組んでいこうというのが本書全体のメッセージとして伝わってくる。
やればできるの研究で有名なキャロル・ドウェックの「認知的動機づけ理論」をベースにして書かれている部分があるため、いわゆる硬直マインドセットや成長マインドセットについてが主張の土台となっている。

本書の構成は
はじめに
序章 プレイフル・エンジンをスパークさせよう
第1章 見方を変えれば気持ちも変わる
第2章 目標をデザインしよう
第3章 足踏みしないでチャレンジしてみよう
第4章 形にしないとはじまらない
第5章 もっと他力を頼りなさい
第6章 人をプレイフルにする環境の力
終章  プレイフルに働く場としてのオフィスの可能性
おわりに 資料

となっている。

プレイフル・シンキングの考え方を学校現場に当てはめたときに、すごく労力のかかる難しいことなんだろうなと思う。またそれは一教員の仕事ではなく、管理職や教育委員会が熱を持って取り組むべき仕事なんだろうなとも思う。

ただ、だから自分は言われた仕事を作業的に行なっていればいいのではなく、やっぱり今の自分だったら何ができるか、どんなことを楽しそうにやっていたら周りも楽しい気持ちになれるか、そういうことを少しでも考えながら働いていきたい。

筆者の上田さんは長年ワークショップに取り組んでいる。ワークショップについて

子どもたちが夢中になれる活動や道具、環境をデザインして、そこで子どもたちが何かを作ったり、他者と語り合ったりするなかで、触発されて、発見していくような学びの場を作ってきた

P24

と述べている。

たった数文字なんだけれど、ここにさりげなく書かれている「触発」って言葉がいいなあと思った。それは意図的に誰かを啓発したいぞとかではなくて、自分がやっている楽しそうなことに触れた誰かが、働いていく中で自分も学びたいことを学びたいように学ぶ、みたいな、それぞれが個々人の面白さを追求していくような形になっていきそうだからだ。

それは決して個業を推しているわけではなく、そうやって一人一人が自分の面白いを追求して、「あなたは今何を楽しんでいるの?」なんて雑談を皮切りに、それぞれがより面白さを考えていく。
そうやって、学校の中が前向きなエネルギーで進んでいったら、もっと楽しいのかなと、そんな夢みたいなことを考えていた。

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