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「チアゴマルティンスみたい!」– 小学生サッカースクール
昨日は、大学に行き、夕方からサッカースクールのコーチのバイトでした。
1年生から6年生まで、ステップワークや1vs1, 2vs2、ゲームといったメニューをそれぞれのクラス行なっていくのですが。
おお、といった場面が中学年クラスのゲームの時にありました。
DFラインの裏のスペースへ突破し、GKと1対1の勝負になった選手。
さあ、コースを狙って打てるか?!
そう声をかけようとした瞬間。
猛ダッシュで自陣へ走りボールにアタックする守備側の選手。
見事にボールを奪い、コーナーキックに逃れました。
ナイスプレー!よく戻ったね!
と、私は称えました。
するとどこからか、
「チアゴマルティンスみたい!」
という声が。
素晴らしい守備を見せた選手も、でしょ。と言わんばかりのドヤ顔です。
この子たちチアゴマルティンス知ってんの?!
と、まず驚きました。
(チアゴマルティンスは横浜F・マリノスのセンターバックの選手です。マルチンスとも表記されるようですがここでは一旦ティとします。)
恐らく、先日(3/29金)チアゴマルティンス選手が(第5節)鳥栖戦の23分に見せたあのプレーと、子どもたちも重ねて想像したのだろうと思います。
よく知ってるなあ。そんなにJリーグ見てるのか。
感心しました。
スクールが開かれているのは東京都内です。
中にはFC東京のウェアを着てサッカーをしている子も、ちらほらいます。
ですから、マリノスのファンだから知っていたというわけではありません。
中継やスポーツニュースのハイライトで目にしたのでしょう。
それを、
このプレーすごいな!自分もできたらかっこいいな!
そう思って心に留めておいてくれたのだと思います。
そして実際、自ら、もしくは仲間が、試合の場面で再現してみせました。
もしかしたら、あの選手みたいにプレーしたい、なんて気持ちは毛頭なく、純粋にボールを追いかけた結果生まれたプレーだったのかもしれませんが、
今のすごいね!◯◯みたいだね!
そう称賛された子どもの様子はとても誇らしげで、
お家に帰って、ただいまー!と台所にいる母親の元へ駆け寄る時、帰宅してネクタイを緩めている父親を労う時、
「今日ね、僕こんなプレーしたんだ!失点しそうだったやつ守ったんだ!」
そう笑顔で報告するのだろうなと、とても微笑ましい光景でした。
彼が将来、サッカー選手になり日本代表のDFラインを支えてくれることになる可能性も、ゼロではないと思います。
しかし、
それとは全く異なる人生が待っていることも、大いにあると思います。
その中で、サッカーをしていたことで知った様々な成功体験、自信、感情、涙の味、笑顔の気持ち良さ。
それらを、これからの人生に生かしてくれれば、共にボールを蹴った仲間として、これ以上嬉しいことはありません。
Jリーグがあることで、子どもたちは夢を抱くことができます。
戦術がどうの、首脳陣とフロントの働きがどうの。
そんなこと、子どもたちの、少なくとも10に満たない歳の子の知る「サッカー」という引き出しには存在しません。
純粋に、人の感情を動かす選手のプレーや、
プロの圧倒的な体格、スピード。
ゴールの瞬間の盛り上がり。
これに、サッカーって楽しいな。
サッカー選手ってかっこいいな。
そう、憧れるのではないでしょうか。
子どもたちとサッカーをして、コミュニケーションを取るたびに、私の予想しなかったプレー、言葉が、幾つも飛び出してきます。
それがいつしか、歳をとり、
サッカーとはこういうものだ。
こうやってプレーして、応援する人はこうやって。
勝つ事だけが正しくて。
そんな価値観に、少なくとも自分は、捉われてしまったと思います。
ならば、子どもたちと接する指導者として、彼・彼女らそれぞれの心にある「サッカー」というものを、できるだけ大切にしてあげたい。
サッカーをプレーする時間の中で、自分の心や考えていること、僕私は本当はこんな人間なんだ!というものを、存分に表現してくれた時、自分だけの人生の道標が、見えてくるのではないかと思います。
仲間を大切に。
よくモットーとして掲げられる言葉です。
その通りだと思います。
しかしそれよりもっと、今の子どもたち、私たちに必要だと思うこと。
自分を何より、大切にしてください。
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