おれは、OZEKIにはストリートのSAKEブランドとしてプライドを持ってもらいたいし、Liquid Deathみたいな事例がある以上、それはなまじ冗談でもないと思っている
ワンカップのヒストリーはそれでいいのか
■酒造のPROであるOZEKIが主張するには、アウトドアやストリートでも楽しめて、誰の目も気にすることなくレトロAIベンダーからも購入できるモバイルSAKEの最高峰(値段)である『One CUP OZEKI』は、元々ヤングな若者にレジャーのお供として人気の商品だったが、ユーザーと共に年を重ね、今やご老人のフェイバリットになってしまったのだという。
そんなバカな。
おれは素直に思った。たまらず、インターネットの有識者に聞いてみた。するとやはりこうだ「30年以上前から、アル中のジジイの飲み物だ(要約)」。友人を弁護するが、彼はすごくいい奴だ。ただ台湾と同様、オブラートというものが世界にあることをたまたま知らなかったのだろう。そう、偽の善意を示す必要はないのだ。まあそれはいい。話を戻そう。
■多少言葉は悪いが、そのとおりである。自分も、昔から『One CUP OZEKI』は、そもそも何の仕事をしているのかわからないような、年中顔が赤い年寄りが、真昼間にキッズが遊んでいるような空き地の土管で摂取し・・・人生を振り返り・・・やがて、すべてを忘れてしまう・・・そんなヤバめでハッピーなブツだった。
確かに、そういう人は、子ども心に目立つ存在ではあったが、『One CUP OZEKI』の現実の需要家としては決してボリュームゾーンではなかったのかも知れない。しかし、ブランドというのは要するにイメージであるので、今更「いやー。ユーザーが年取ってヤバい飲み物に見えるようになっちゃって困ったっス」みたいに言われても、しんじろうと言うほうが無理だ。『One CUP』というのは結局、世の中ではこういうものなのだ。
■もしかして、育った地域の問題なのか・・・?という疑問も無くはないので、後日、リアルワールドで広くリサーチをする予定だが、たぶん結果は変わらないだろう。
今も昔も、『One CUP OZEKI』はストリートカルチャーの中で長老たちに愛されてきた霊薬である。ストリートというのは四畳半でありすなわち宇宙だ。したがって、老賢人たちに愛されてきたというこのエリクシャーは、まさにそのコズミックでアウターワールドな点を大々的にプロモーションすべきであって、こじゃれた軟弱なインスタグラムめいた黄色い洗面器でレモンサワーみたいなものとは一線を画す、PUNKROCKであり続けるべきだ、と、おれは思う。「海外ではオシャレ」とか言っちゃってる場合じゃない。こないだまでインターネットでは、海外では(ロシア以外)路上で酔っぱらうとかありえないとか言ってただろ。
OZEKIには、裏路地や空き地が似合う。ブランドだとかバリューだとか言う前に、ストリートには生の人生があり、インチキだらけのアッパー社会とは異なるリアルがある。おれはぜひ、OZEKIにはプライドを持って、路上に酒を届け続ける企業であり続けてもらいたいし、そのすばらしさを全面的にアッピルしてもらいたい。そう思うわけだ。
ヘビメタ水、あらわる
■ロスには、Liquid Death(リキッド・デス)というIKEAもびっくりのメタルの魂を封じ込めたウォーターが存在するという。なんというか・・・つまり・・・アルミ缶入りの天然水だ。
しかし、この天然水。そのメタルに着目したブランディングにより、累計調達額54億円という、快進撃を展開している。
■水と言えば、ヘルシーだとか、そういう怪しげなSDGsめいた・・・社会・・・福祉・・・そして水素・・・そういった語られ方をしがちなものだ。ようするに「いろはす」みたいなやつだ。しかし、そのの正体はDHMO(一酸化二水素)であり、酸性雨の主成分であるどころか、時として、場合によっては一般家庭においても重篤なやけどの原因となり、多くの金属的な材料を腐食させ、大量に肺に侵入すると間もなく死亡する。そんな危険なシロモノだ。
しかし、Liquid Deathは違う。渇き・・・人類の誰もが一度は経験する残酷な渇き・・・そんな「渇き」を、どうすればいい?
KOROSE!
“MURDER YOUR THIREST”それがLiquid Deathが、渇ききった社会に訴えかけるスローガンだ。しかも、100%アルプスの天然水。数々のアーティストが支援している。
■恐ろしいことに、この邪悪なアルミ缶に封入されている水は、ほとんど他の水と変わらない、普通の天然水だという。それでも、多くの人が、Liquid Deathを愛している。
つまり、これがマーケティングというものだ。「Hydrate or Die(潤すか死か)」OZEKIにはぜひ見習ってもらいたいところである。
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