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読書感想文とか本の話とか

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今までに書いた本やマンガの感想文とか、そういうものにまつわる与太話を集めました。
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記事一覧

『成瀬は天下を取りにいく』は手始めに2024年本屋大賞を取った(感想文)

※後半では多少中身に触れるのでネタばれがあります。 ・成瀬は大賞を取った2024年『本屋大賞…

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2024年第1クウォーターの読書録

決して(断じて)暇ではなかったのだけど、24冊は悪くないペースであったように思う。理由は定…

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儀式は我々に何をもたらすのか『RITUAL(リチュアル)ーー人類を幸福に導く「最古の科…

面白い本だと思うんだけど、あんまり話題になっていない。人類学地味ですか?そうですか… ・…

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【読書】口の立つやつが勝つってことでいいのか(頭木弘樹)

『絶望名人カフカの人生論』で知られる頭木弘樹氏のエッセイ集。 頭木氏の著作を読むのは始め…

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2023年に読んだ本まとめ

忘れないうちに2023年に読んだ本をまとめておく。物理本は集計から漏れがちなので、読んだもの…

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(読書)『ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち』(吉川徹)

先日、「スーパーマリオ オデッセイ」をプレイすることが、うつ病の症状の改善に効果を示した…

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マルクス・ガブリエル『アートの力:美的実在論』をミーハーに読む

芸術、アートとは何なのか。ほとんどの人は、その問い自体にはあまり興味がないだろう。昨今、アート的なアプローチ、ーー すなわち、感性を用いた・ユニークな何か ーー をビジネスに導入しようとする一定のブームめいたものがあるように見受けられるが、だからと言って、アートとは一体何かという事を哲学的に探求する事にまで興味を持つ人は少ないように思われる。 アートを生み出す時のように考えましょう、と言われても、実際には困ることがあるはずだ。多くの人が経験的に知るとおり、アートというものは

ガルシア=マルケス中短篇傑作選

本が好きなら、いつか読んでみたい作家がいるものだろう。自分にとって、ガルシア=マルケスは…

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2023年第1クウォーターの読書リスト

あんまり読書の時間が取れないけど、数えてみると14作品読んでて、昨年よりはペースが良い件。…

「サン=クルーの風見鶏」ことジョゼフ・フーシェの伝記的漫画がいつの間にかKindleに…

フランス革命、ナポレオン体制、激動の時代を生き抜いた政治家、オトラント公爵ことジョゼフ・…

文字が人類に与えた影響、W.J.オング『声の文化と文字の文化』、メアリアン・ウルフ…

■ 『声の文化と文字の文化』を読んで文字の文化を相対化する文字が人類または近代的な知にと…

新年なので意識高めに意識の話をする-『新インナーゲーム』『あなたの知らない脳 意…

■ イントロ ― ビル・ゲイツ氏のオールタイムフェイバリット5冊世の中にしばしば良書を紹…

2022年に読んだ本

いつどんな本を読んだかというのは、虚栄心と恥の混ざった大変な個人情報である。しかし、こう…

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』-ぼくらは科学を、人間と友と、そしてユーモアを信じる

プロジェクト・ヘイル・メアリーは、ゆるやかに滅びに向かう太陽系を救う旅のお話だ。物語は、太陽系を救うために地球を旅立った宇宙船で目覚めた主人公の「現在」パートと、ここに至るまでの過去の記憶が蘇る「回想」パートの2つを行き来しながら進んでいく。 目の前には次々と困難な課題があらわれるし、思い出す過去はどうも手放しでハッピーとは言えない。しかし、この物語は、どこか希望や信頼というものにあふれている。ああ、このお話は最後はきっとうまくいくんだろう。そう感じさせる明るいタッチで綴ら