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投資で飯が食いたいとかいう若人。

早い話が、「投資だけで生計立てるとか馬鹿だろ」ということである。

まぁそんなことを言ったところで、一般常識をお持ちの大多数の皆様は、そりゃそうだろといった反応だと思う。
だが一方で、そんな話には聞く耳を持たずひたすらチャートとにらめっこしてる人間も世の中には一定数いるのだ。高校時代の僕のようにね。

高校生投資家の末路

ざっと僕の投資歴を紹介させていただくと、
14歳の時にデモトレードから開始、最初の頃こそくだらない商材詐欺に引っかかっていたりしたものの、高3の冬頃には学生のバイト代くらいは楽に稼げるようになっており、この調子でいけば投資一本で飯が食えるとマジで信じていた。過去にはこんな記事も書いていたりする。

のだが、例のコロナショックで持ち金の大部分を溶かし、今に至る。
といったところ。19歳になった現在は実家で親のすねをかじりながら早朝バイトと動画編集のフリーランスで何とか生活費を稼ぐ絵にかいたゴミのような生活をしている。毎日3時間、長い時には2日ぶっ通しでチャートと向かい合い、検証作業をしていた結果がこのざまだ。笑えない。

投資への認識

なぜこいつらは大した計画性も持ち合わせていないのに、投資で食うなどと大口が叩ける(叩けていた)のか。それはネット上で見た、もしくは聞いた数少ない成功者のケースのみを自分の計算に当てはめているからという点と「まさか自分が失敗するわけない」というおめでたすぎる楽観主義によるものだということは容易に想像がつく。

別に投資が悪いということではない。タンス貯金するくらいならNISAなりで少しでも資産運用したほうが良いし、投資というツールを通して経済を学ぶことは一生の財産になる。ただ、おそらくこの記事を読んでる人間がやっている「投資」はそうじゃない。商材屋の謳い文句にのっかって1年で10倍とか真剣に考えちゃってるただのカモだ。それは投資でも何でもないただの博打だよ。宝くじでも買っといたほうが少しは世のためになっていいんじゃないだろうか。

「俺はそんなんじゃない。ちゃんと現実的な計画を立ててやっている」
という人もいるかもしれない。だがそれでもだめだ。投資一本でやっていくことを世の中は「現実的な計画」とは呼ばない。そして、経験も努力量も圧倒的に足りない若者が考えた計画などで投資が成り立つのなら、いまの相場は成り立っていない。金融市場において、想定外は当たり前のようにやってくる。それは僕自身が今年の相場で身をもって痛感したことだ。

相場に生きるということ

想像してみてほしい。仮にあなたが投資で一定の成功をおさめ、自由な暮らしを手にしたとする。すべてはうまくいっているように見えたが、残念なことに、運悪く「数百年に一度の大暴落」(毎回そういってる気がする)に見舞われてしまう。そこに残るものはなんだ?「とっくに人生の旬を過ぎた何のスキルも持たないカス」だけではないだろうか。就職するにも学歴がない、スキルもない、若さもないで低賃金の肉体労働にしか就けない。職歴がないのでお金は借りられない。

これでも一度は成功した場合の話だ。大抵はひと時の安泰も得られないまま年だけ取ることになるだろう。そんなことに10代、20代の貴重な何事にも代えがたい時間を使うくらいなら、資格の一つでも取ったほうがよっぽど有意義に見えてしまう。なんやかんやと崇高な目的や指針を口にはしているものの、結局は働きたくない、楽して金を稼ぎたいという思惑を、夢見るトレーダーは皆持っている。

挑戦している君へ

もしこの記事を読んでいる高校生がいるのだとしたら、トレードへの熱量は参考書に、部活に向けてほしい。その熱量があれば大抵どんな大学へだって行けるし、そんなスキルだって身に着けられる。チャートを見るのはそれからでも遅くない。みんなの好きな金で考えると、高校の三年間トレードをし続けて増える額と、それなりの大学、それなりの資格をもってして勝ち得る収入差とでは圧倒的に後者のほうが期待値が高い。
「こっちには時間がないし、そんな夢のない話は聞きたくない。年上目線でものを言うな」
と思うかもしれないし、一年前の僕はまさにそう考えながら大人の言うことを聞き流していたが、そんな僕が今思うことは、

「大人の言うことは 大体 正しい」

ということだ。まだ間に合うぞ。

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