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19歳引きこもりニートによるストリップ劇場体験レポ

まえおき


「ストリップ劇場」



そう聞いてどんな情景を思い浮かべるだろうか。
ポールダンサーが体をくねらせ、恰幅のいい上客がその胸元に札を挟みこむ… 店の奥には個室があり、そこではさらにセンシティブなサービスが…

みたいなのを想像した奴らはGTA5のやりすぎだ、反省しろ。これは大きな過ちである。

今回は、僕がその身をもって体験してきた、現代日本のストリップ劇場について書いていく。
声を大にして言おう、ストリップは前時代的な風俗店などではない、

「幅広い年代、男女を問わずに楽しめる総合エンターテイメント」

だ!


本編

どうせ見るならいいものが見たいということで、行き先は界隈での評価が高い浅草の劇場にした。ここならきっと間違いないだろう。
有名どころの劇場はみなチケット代が5、6千円するが、学割やU30割を実施している場所がほとんどなので、若い人はそれらを活用してぜひ足を運んでみてほしい。受付の対応がめちゃくちゃ悪いのはご愛敬。

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公演は1日に4、5回。一度入場すると最終の公演まで追加料金なしで見ることができるので、その気でいけばかなり長時間楽しむことができる。
今回は16~18時ごろの公演のみを選択し、周囲の観客とも間をあけて座席を確保した。
20時以降の外出自粛が呼び掛けられる2021年1月3日の東京、この配慮にはインターネット上を徘徊するコロナパトロールの皆様もさぞご満悦だろう。
ちなみに席は下手側を選んだのだが、ここだと演者さんの肝心の魅せ場で背中ばっか見えていた気がするので、個人的にはやや上手側がおすすめである。

劇場内の雰囲気はというと、想像以上に穏やか。携帯電話の使用が一切禁止されているので、読書やクロスワード、晩酌に推しトークなど皆思い思いに開演までの時間を過ごしていた。全国の映画館に見習っていただきたい光景だ。

客層としては50を超えたおじさまが大半を占めるのだが、ちらほらと若い男女ペアが見受けられるのが印象的だった。しかもかなりの常連さんなご様子。一体どんな会話をしたらここに通うことになるのだろうか…
カップル割というのもあるので、一定の需要はあるようだ。
ちなみに、今回は僕がヒヨッてしまったので、先輩(男)に声をかけて二人で鑑賞したが、一人でも全く気にせず行けるような感じ。陰キャのみんなでも安心だね。


いよいよ開演。イメージでは裸のチャンネーが下劣に股を開いてアピールしてきそうなものだが、実際は構成や演出をかなりエンターテイメントとして仕上げてきている。
基本的な流れとしては、6、7人の演者が順番に15分ほどの景(ストリップでは演目のことをこう呼ぶらしい。シャレてんね。)を披露していくというものなのだが、その一つ一つがダンスや劇、時には伝統芸能などを交えたショーとなっている。バレエの国際大会出場者なども出演しており、そのレベルは高い。
今回は年明けということもあり全体的に正月らしい和をモチーフとした演出が大筋となっていたが、要所要所でキャンディーズや森高千里など、おじさまのこころをガッチリつかむ曲選であったり、はたまたオタ芸で若者をニヤつかせたりと、とにかく観客に寄り添った飽きさせないプログラムが終始意識されていた。途中にある休憩時間にまで余興の映像を流す徹底っぷりである。
こういった配慮が、様々な娯楽が蔓延る現代でもストリップが生き残っている理由なのかもしれない。
事実、2時間近い公演を最後まで飽きることなく鑑賞することができた。


そして… オ、マ、タ、セ ♡
肝心の裸は! というと、最初こそ

「うわぁ… 踊ってるこの人がこの後脱ぐんだなぁ…」

と、緊張と期待、恥ずかしさが混じった複雑な感情でソワソワしていたのだが、
実際その時が来て裸体があらわになると、「美しすぎる!」の感想ばかり浮かんで、邪な気持ちは全くと言っていいほど湧かなかった。
これは決して、エロくないという意味ではない。エロスが過ぎるのである。

お前らはミロのビーナスをオカズにできるか?

つまり、そういうことだ。
これはぜひ劇場に足を運んで堪能していただきたい。画面では伝わりにくいライティングや質感、曲線美を感じることができる。まさにプロの仕事、一見の価値ありだ。

そしていよいよ終盤、すべての演者が舞台に登場し、華やかな舞と太鼓で締めくくる。いやぁーあっという間だった。音楽ライブなどと違ってアンコールの文化はないようだ。



正月の日没は早い。男二人はロビーで感想を熱く語り合うおじさま方の間を抜け、何とも言えない充実感を胸にしながら暗くなった浅草を後にした。

楽しい正月🌅_210104

おわり

いかがだっただろうか、
まだまだ紙テープを投げるのがめちゃめちゃうまいおじさんや、そのテープを巻く謎の電動式機械、ベテランダンサーの太もも裏に隠すように張られたサポーターが感じさせる哀愁などなど、語り足りないことが沢山ある。
文章力の低さ故、情景と熱量を詳細にお伝え出来ないのがもどかしい。

意外だったのはチェキ撮影などがないこと。かなり重要な収入源になりそうなものだが、コロナ渦だからだろうか、アクリル板越しのバーカウンターに演者と思しき女性がいるのみだった。

状況が落ち着けば是非とももう一度訪れたいものだ。外国人や、上京してきた友人への東京案内としてもかなりポイントが高い。

以上が19歳引きこもりニートによるストリップ劇場体験レポートだ。
少しでも参考になれば幸いである。ではでは。



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