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4本目:ジョジョ・ラビット(映画館にて)

映画館で観たのは今年初やったか!
めちゃくちゃよかった。ここ最近で一番よかったといっても過言でない。

「マイティ・ソー バトルロイヤル」の監督、
タイカ・ワイティティさんによってつくられた「ジョジョ・ラビット」

あまり歴史とか、戦争とか知らないけども大丈夫かしら
でもスカーレット・ヨハンソンが見たいんや
という気持ちで行きましたが、全然大丈夫。
ぼんやりした知識でも十分に映画に入りこめました。

※ネタばれしつつ書きますよ!気を付けて!※

登場人物もセリフも描写もまったく無駄がなく、
120分以内におさまるというまとまりよう。
すごい。
見ていて飽きるところがまったくなかった。

語りたい登場人物が多くてびっくりする。
主役のジョジョ、二番目の親友ヨーキー、心の友アドルフ
お母さんのロージー、愛する人となったエルサに
まさかの最後で一番怖かったあの女のひとに
忘れちゃいけないクレンツェンドルフ大尉とディエルツ大尉。
ほらこんなにも!
どの人もみんななにかに愛情をもって過ごしているひとだったなあ。

というところで、先に日本版ポスターについて話したいのですが
みて「ああ、深い愛情の話やった。対人間や家族や国やら
いろんな愛の矢印がある作品やったなあ…」
と考えながら帰っていたら
ポスターがあって、写真とろうとおもって。
そしたらね、まあ日本版のポスターは
●●賞有力候補!とかいろいろ書いてあるのも嫌なんですが
左上に「愛は最強」と書いてあって。
いや、最強やねんけどな。
なんというか、そんな簡単な言葉ひとことで
かたづけていいの?っていう。
いろんな前置きとか、見た人の感想とかあって
愛は最強って書いたり思ったりするのはいいんですけど
ポスターのなかに「愛は最強」という陳腐なもので
表現していいのかな…と呆然としました…
もうあの文化やめたらええのに…
ほかの国のポスターいっつもオシャレやのになあ…

はい、ポスターに思うことは終わり!

感想に戻ります。

うさぎみたいな男の子と、虎みたいな女の子の話やったな~

ジョジョにとって愛国心は刻み込まれたもので
なぜなら空想の心の友がヒトラーなくらいですから。
ほんでヒトラー役は監督さんというね。だいすき。
それをコミカルに描いているのがすごかったな~
嫌味もなく、笑っていいのかなんなのか分からなくなるけど
何も知らないふりして、
私もジョジョと同じ10歳のフリして笑ってしまう。

半年間のことを描いているのですが、
子どもにとっての半年ってすごい長いし
みるみる成長する期間なんだなあと思いました。
本当に半年いっしょに過ごしたような気持になった。

ジョジョの目は、ビー玉みたいにころころ綺麗で
透き通っているんですよね。
半年たったとき、少し男らしくなっていたけど
その目が変わってなくて、ほっと安心しました。

ジョジョのお母さん(スカーレット・ヨハンソン)の
表現がとっても素敵で。

好きな人ができたときは、お腹のなかで蝶が飛ぶ感覚なのよ
とか(もぞもぞする感じをこんなきれいに表現できるなんて…!)
大人ってどんなの?って聞かれると
嬉しい時も悲しいときもシャンパンをのむ、
モロッコに旅にいくし
恐れずに人を信じるし
虎と見つめあったりするのよ
って言ってました。

その話のあとにエルサがあの暗い部屋を飛び出して
壁にかけてある虎の刺繍と目が合うなんて
素敵すぎません?
エルサは一歩大人になったんだってことを
なにも言わずに表現していて「ウッ」となりました。

大尉コンビもよかったなあ。
きっと同性愛者だったんだろうけど、
あの時代だし隠して、周りにバレないように
二人で愛を築いていたんやろうなあ。

ヨーキーはいつだって誰の味方とかじゃなくて
ヨーキーやったなぁ。
ジョジョの欲しい言葉をくれるというか。
きっと親友1番になったよね。

戦争のことを内側からも外側からも、
子ども目線でも大人目線でも描かれていた。
なにがフィクションでなにがノンフィクションなのか
私にはわからないくらい。
でも私にとってもう戦争自体がフィクションになりつつあるのかな
と思うと、それはダメだよなあ、とすごく反省した。
ちゃんと過去にあったことを理解したうえで
二度と繰り返さないことが大切なんよな。

外にでたとき、涙を流すわけでもなく
一番したかったこと、踊るというので
終わったのは最高やった。
エンドロールの一曲目がすごく心地よかった。

そんなこんなで余韻を感じているまま
エンドロールも終わってしまい、
最初から最後までまるっと愛せる映画でした。

リルケの詩
ーすべてを経験せよ
 美も恐怖も
 生き続けよ
 絶望が最後ではないー

この言葉を知れただけで私の人生は豊かになった。

ちゃんと愛を伝えたジョジョはもう大人だ。
だって靴紐だって結べるもんね。


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