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アニマルセラピーという薬

えこりん村で
アルパカと写真を撮った事があった
ふわふわもこもこの
子どもといえど だいぶ大きくなっていた
全身真っ白で
まつ毛ふさふさのかわいい目力に
すっかり癒された

その頃の私は
精神障害がピークで
一番最悪な時期だったように思う

私は子どもの頃
ハイジ牧場のヤギのしっぽを
しつこく追いかけては蹴られそうになったり

動物園に行けば「帰るよ」というと
「帰りたくない」と困らせていた

今でも時々その話になるのだが
私はあまり記憶になかったりする
子どもの頃の記憶をしっかり持ったまま
大人になる人もいるけれど
私は忘れてしまった

それから
ご近所の大きな番犬のいるお宅の前を
通りかかった時
番犬なのでご主人様以外は
噛みついてでもおいはらいそうというイメージのある
犬の前に突然座りだし「えへへ」と
愛嬌をふりまいていると
母があわてて私を抱きかかえ
噛まれる寸前のところを逃げ切ったということもあった

何が言いたいのかと言うと
つまり
動物が大好きなのだ

そんなこともあり
家族は我が家に犬を迎えることにしたのだと思う
私の病状にはアニマルセラピーの力が必要なんだと考えてくれた

それから13年が経った
ありがたいことに
ピーク時よりは穏やかに過ごすことが出来るようになってきた

眠ることでしか現実から逃げることが出来なかった私が
日常を取り戻せるようになってきた

寛解まではたどり着けていないけれど
何とか楽しみを見つけ
1日1日を過ごすことで
最悪の事態は逃れることができた

愛犬は子犬から成犬になり老犬になった
大きな腰の手術も乗り越えて見せてくれた
なんて尊いのだろう
全ては「愛」なんだと
かまじいさんに言われそうだ

今度は私が返す番だなと思っている
ぽんこつな私でも何か出来る事があるかもしれない
少しでも何か出来たら
それが私の幸せなのかもしれない


使用画材:透明水彩


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