「ゴジラxコング 新たなる帝国」感想


こんにちは。よく来てくれた


その足でそのまま映画館へ行きゴジラxコング 新たなる帝国を見てこい
こんなもの読んでる暇はないはずだ。時間は有効に使え

当然ネタバレするので見てないやつはこの上の段落の文章をもういちど読んでおれの指示に従え、いいね?




あらすじ


スゴイでかくて強いサル、コングは地底世界を暴力で満喫していたが、虫歯でQOLがダダ下がりしていた。
一方、怪獣を観察したり保護したり研究したりする機関モナークは地底支部とか地底世界入口支部とかで変な電波を拾っていた
時を同じくして髑髏島の先住民の生き残りの少女も電波を受信してもうろうとしたりそのせいで学校になじまなかったりして悩んでいた

そのころ我らがゴジラは縄張りに入った怪獣を暴力し、暴力したうえ、暴力するなどした後、コロッセオでスヤスヤしたりと無法の限りを尽くしていた


ほんへ

コングとゴジラは宿命のライバルであり、喧嘩仲間であり、強敵(ダチ)であった。目が合えばバチバチに闘(や)りあうが、無礼(ナメ)たヤツが現れれば共にボコボコにする。人類は彼らの縄張り(シマ)で怪獣(チンピラ)を退治(ボコ)してもらう形で比較的平穏を保っていた

一方、ヒロインである髑髏島の部族の生き残り少女は地底から発信される電波をその高い感受性で受信し学校生活に支障をきたしていた。モナークのお偉方である保護者の女性の優しみの元で、それが地底からのSOSであることを知り、コングや調査隊とともに地底へ向かう決心をする


地底世界に降りて強かに生きていた真の男・コングはしかし、オーラルヘルスの問題をナメてかかった結果QOLは低下し、しんこくな消耗に陥っていた。これはもうダメだってんで地上に上がり、モナークに歯の治療をしてもらう。イカした屈強インプラントにさし変わった彼のオーラルヘルス環境は向上し、彼は歯と男に磨きをかけ地底へ戻っていった。

コングは地底に戻ると偶然発見した新エリアを探索する。するとそこには滅びたはずの同族がいたではないか!すかさず始まる縄張りバトル!生意気なチビ助とチンピラを暴力して撃退した後、チビ助(他がデカすぎるので分かりにくいが身長は40mある)を気に掛ける。生意気なガキほどかわいいものだ。チビ助(40m)は暴力番長コングを恐れ一計を案じ、湖で水龍に食わせようとするがそこは男コング、未開の水龍など彼の暴力の前ではミミズに等しい。

そそくさと逃げるチビ助の前に竜の生首が落下し、計画は失敗に終わる。
仕留めた獲物を堪能するコング、傍でばつが悪そうに、なおかつ羨ましそうにそのさまを見るチビ助…コングは竜肉を引きちぎり、投げてよこす。優しみ。真の男は弱者を包摂する、たとえ手を嚙まれたとしても。チビ助はその男気に心を打たれ、肉を食う。暴力が支配するこの世界で、兄貴と呼べる猿物に出会ったのだ


一方、核暴力ゴジラ。原子力施設を襲撃し燃料を食い漁り撃退に出たフランス軍を片手間に蹴散らしたのち、核エネルギーをため込む怪獣を襲撃し蹂躙。エネルギーを恣にし界王拳20倍となる。彼はコングよりもよりストイックに暴力する

破壊の描写を見るに国々を移動するだけでも万単位の死者を出してるはずだが、知ったことではない。ゴジラの歩く場所に文明を築くほうが悪い


そのころ地底世界に到着した調査隊は、地底基地が襲撃され全滅していたことを目の当たりにする。さらなる調査のさなかテックだけを信用する偏屈な隊長が獣医の警告を無視して食虫植物に食われる。思い出したかのように表れた自然の厳しさに打ちひしがれる中、調査隊は遺跡に到達。ヒロインの感応がギミックを解き、新世界の扉が開かれる。驚く一同、隊長の死を忘れる。視聴者も隊長の死を忘れているので問題ないし、怪獣の寝返り一つで文明が丸めたティッシュめいてダストする世界でテック妄信者が食虫植物に食われた程度など些末事である

そして謎の部族に囲まれる調査隊…地底人類文明!そう、これこそが髑髏島部族の、ヒロインのルーツである!彼らはテレパシーで会話し、衝撃の事実を伝える…

かつて(割愛) 邪悪な猿スカーキングが地上を狙っているしゴジラともたぶん激突する!地底電波はそのためのSOSだったのだ!

時を同じくしてコングはチビ助(40)の導きの元スカーキングの灼熱帝国に入る。暴力が支配する弱肉強食の世界だ。チビ助たち弱きものは虐げられ強者が我が物顔でのし歩く。男コング、見て見ぬふりはしない。蹴り転がされる猿に手を差し伸べ、ナメた猿には拳をぶちかます。当然。コングは仁義の漢

そして現れるスカーキング、悪。そして強。その立ち姿、王。そして凶。

スカーキングはコングの義歯を見て嗤い、バトルが始まる。危険な鞭をしならせコングと渡り合う。しかし、「喧嘩」ならコングにお任せだ、一歩も引かぬ男コング。業を煮やしたスカーキングは奥の手を繰り出す、奴隷怪獣シーモである。強力無比な冷凍ビームはコングの持つゴジ斧ごと右腕を完全に凍らせ深刻なダメージを与えた。

チビ助の機転で窮地を脱し地底文明都市まで撤退したコング。右腕のダメージは深刻でヤバイ。獣医が地底基地にあった試作型コング強化ガントレットをギプス固定し治療する。怪我の功名。男は傷ついて強くなる。最強の「鉄腕番長(テツバン)」コング爆誕だ

そこへチビ助が血相変えて戻ってきた。「アニキ!えらいこっちゃ!スカーキングが…シーモと部下を引き連れてここへ向かってるでヤンスよぉ!せ、「抗争(せんそう)」だぁ!」字幕はついてなかったがこんな感じのことをしゃべっていた

ヒロインは自らの宿命に従いモスラを目覚めさせ、スカーキングの宿敵ゴジラを地下へ招く算段をする。コングもゴジラ招致に一足先にゲートをくぐって地上へ上がった。この窮地を救えるのはアイツしかいない。


翻ってゴジラ。かつて戦った因縁のスカーキングの気配に殺気立ち放射能も十分ため込んだ。コングの出現を察知しエジプトで邂逅。コングが身振り手振りで地下の危機を伝えようとするもストイックな暴力存在ゴジラはまず目の前の強敵(とも)をぶっ殺す行動に出る。コングも暴力で応じ腕ずくで地下に引きずっていこうとするが、核暴力番長ゴジラ、マジでコング殺す勢いで暴力してくるのでマジもうどうしようもない。

そこへ現れたのはゴジラ唯一の親友(マブダチ)にして高貴(マブ)なる怪獣(オンナ)モスラ、「いいかげんにしな!」と一喝すると素直に拳を収めるゴジラ。やっぱ姉御が言ってくれねえとダメっすねこの怪獣(ひと)


その間に都市にはスカーキング部隊が到着、エンジョイ&エキサイティング目前の超絶ピンチ空間。そこへゲートから流星が墜落…土煙から現れたは怪獣の双璧、核番ゴジラ&鉄番コング最強暴力核鉄番長タッグが時速800㎞くらいのスピードで走ってくる。もう最高

スカーキングもシーモを駆り迎え撃つ。反転重力波がゴングを鳴らす
新世紀末暴力大怪獣戦争開幕。もう最高


激闘の舞台は地上へ移り、スカーキングは地上の光に歓喜する。夢にまで見た地上世界。人間ども、支配してやるぞ。俺が、「帝王」だ

始まる最終決戦、土俵となったブラジルはもうメチャクチャや、気が狂う。
シーモは全てを凍らせゴジラの熱戦がそこらじゅうを焼き尽くし、コングとスカーのビッグカラテに巻き込まれた街はパイの実めいて粉々になっていく

チビ助はというと…コングが取り落としたゴジ斧を携え兄貴の元へ向かう。勝負のカギは、スカーキングがシーモを服従させるのに使用している結晶だ。チビ助が割って入ればたちまちネギトロ重点の暴力の嵐、だがそんな中でも舎弟が果たすべき役割がある。カラテに加わらずともターニングポイントは、作れる。

チビ助が、結晶を、叩き割る

イクサの趨勢は決した。軛を逃れたシーモは自由となり、コングが掲げたスカーキングを氷漬けにする。それをコングが叩き割り雄叫び。もう最高



総括

ここまでの文章を、そしてほかの人の感想を見てわかる通り、この映画わ古き日本のヤンキー映画としての文脈がふんだんにしみ込んでいる
コングとチビ助の番長と舎弟コンビ。他校のヤベー不良スカーキング、最強の漢ゴジラ、高貴なる(サイコウ)の怪獣(オンナ)モスラ。暴力と男気の世界だ

そして言語フリー。メインキャラの半分は手話で話すし、物語の半分は猿語と怪獣語で進行する。字幕で見ても吹き替えで見ても変わらないバリアフリーな作品だ

日本が災害と業の権化としてのゴジラを突き詰める一方で、アメリカに受け継がれるのはエンタメ怪獣王としてのゴジラ遺伝子だ。ゴジラ多様性の素晴らしい時代でありゴジラ-0.1とゴジ×コンを同時期に映画館で見られるのは本当に贅沢な季節といっていいだろう

おまえもゴジコン見て時代(セイシュン)を楽しみな

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