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[美術館]東京都庭園美術館「フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン」


アール・デコ様式の建物に足を踏み入れると、グラスアートたちが、前からそこにいるかのように並んでいました。それぞれがそれぞれに、薄曇りに差す日の光や、時に特別に施された照明に照らされ、ほのかに発光しています。その様子は、ひとりひとりが「ここにいます」とささやかに主張しているようで、私はそのひとりひとりを丁寧に拝見しなければ、という心持ちになりました。それに今回はカメラを持参しています。先日購入したばかりの、私にとって初めての一眼レフ。角度を変えて、距離を変えて、いろいろ撮影してみました。

カメラについてはわからない事ばかりです。今回は先輩のご指導を受けながらの撮影だったのですが、正直言うと、途中から技術とかどうでもよくなって、とにかくひとりひとりの表情を素敵に撮ることだけ考えていました。その後、先輩が撮影した写真を見て、同じ被写体なのにこうも違うかと愕然としたのですが、それもまあいいか。このグラスアートたちから、どう撮影したらそれぞれの個性が出るか、光や影や色彩を違えたヒントをたくさんもらいながら、拙くも私なりの方法で写真を撮ることができたから。

会場では、私の様に写真を撮る人も、撮らない人も、あちらこちらで、おもいおもいに、グラスアートたちと会話をしていました。見る側も見られる側も、みんな静かに賑やかだった、そんな展覧会でした。


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