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アメリカで就職したけど1ヶ月で辞めてしまった時の話

とんでもない所に来ちゃったなぁ

留学先のサンフランシスコにある大学のオリエンテーションに参加した私は、正直滅入っていました。


周りを見渡すと様々な人種の学生がいて、年齢もバラバラ


留学なんだから当たり前じゃない!そう頭では思えても、それまでとは違いすぎる環境と、家族と離れた生活にホームシックを感じて、気分が落ち込んでいました。

キャンパスライフの初日なのに、オリエンテーションを途中で抜け出して帰宅してしまった程です。

それでも数週間もするとアメリカでの生活にもすっかり慣れ、学生生活をエンジョイしていました。

テスト前には図書館に篭り、持ってきたおにぎりを食べながら明け方まで勉強。週末には友人たちと買い物やカフェホッピングにホームパーティー、少し足を伸ばしてナパバレーに遊びに行くことも。

親元を離れたアメリカでの学生生活は自由そのもの。楽しくないはずがありません。

何度も訪れたナパバレーはお気に入りの場所の1つ


高い学費を払って授業を受けているのだから、1単位も落とすことなく卒業したい、そんな思いで必死で勉強しました。

留学してすぐの頃は授業を聞き取ることができず、録音したものを家で何度も聞きながらノートに纏めていましたが、そんなことを4〜5ヶ月続けるうちに次第に授業が理解できるようになり勉強も楽しくなってきました。


2社でのインターン

順調に4年生に進級しインターンすることに決めます。

日本では当時はまだ馴染みがなかったインターンですが、アメリカでは皆当たり前のようにやっていたので、これは就職に有利かも?と思いやってみることにしました。

インターン先は、すぐに見つかりました。インターネットブームだった当時、ドットコム会社ではどこでもインターンを探していたからです。

オフィスはサンフランシスコのユニオンスクエアから歩いて1分とかからない所にありました。

オフィスにあるガラス張りの会議室ではいつも若いスタッフ達が話していて、 いつか仲間に加わりたいと思いながら眺めていました


インターン1日目、仕事の説明を受けすぐに受付で電話番をしているとCEOに呼ばれこんなことを聞かれました。

僕が初めて起業したのは大学3年生の時だけど、君はいつ起業するの?

えっ、いつ起業って・・・私が起業?

びっくりして何も答えられなかったけれど、この時の言葉はその後もずっと頭の片隅に残り続けることになります。

この会社でのインターンは長く続かず、次のインターン先を探しました。

次のインターン先は小さなマーケティング会社。オフィスは、ファイナンシャル・ディストリクトにありました。

たくさんのオフィスが立ち並ぶファイナンシャル・ディストリクト。歩いているだけでなんだか大人になったような気分です。

とんがったビルが象徴的なファイナンシャルディストリクト


ここでの仕事は雑用が多かったけれど、リサーチをしたり、企画提案をしたり楽しかった記憶しかありません。

短い期間とはいえインターンをしたことでレジュメに書くことが増え、満足でした。


うまくいかない就職活動


3ヶ月間のインターンが終わると就職活動開始です。見様見真似で作ったCVを片っ端から企業に送っていきました。

電話帳を開いて、目ぼしい企業に片っ端からCVを送りましたが、書類通過すらできません。不採用の通知が届く度にガッカリしましたが、落ち込んでなんていられません。

電話帳を早々卒業し、Monster.comで見つけた求人に片っ端から応募、朝は電話インタビューで起こされる、そんな日々が続きました。


そしてようやく見つけたのは、日本人が経営する旅行会社での仕事でした。手取りは1000ドル(当時のレートで12万円位でしょうか)。家賃や光熱費を払ったら手元に残るお金は半分以下になってしまいます。


これで暮らしていけるかしら・・・


不安になりながらも働き始めました。


この会社は、日本人向けに旅行をアレンジする会社で、例えばカリフォルニアのペブルビーチでゴルフをしたい、というようなリクエストを受けると、エアー・ホテル・ゴルフ・空港からホテルまでの移動手段を予約する旅行会社でした。予算を気にしないお客様の旅のアレンジだったので、お子さんがいる家庭の場合はナニーさんも同行する、というようなことも普通にありました。

仕事は想像していたものとはだいぶ違いました。大学を卒業して働き始めたばかりなのだから、それほど高度なことはできっこないし、そもそも社会人としての基本もなってないのだから与えられた仕事をこなし、一定期間は修行期間と思って踏ん張るべきだったのかもしれません。けれど、そんな状況に満足できず働き始めてすぐにこう思ます。

なんでこんな事してるんだろう?私はこんなもんじゃない

ようやく見つけた旅行会社を1ヶ月で退職し、また就職活動を始めます。


フットワークだけは軽かった私。時々訪れたフランスのブランドショップでスタッフを募集していることを知り、すぐに応募しました。

一次面接の面接官にとても気に入っていただき、選考はトントン拍子に進み、NYにいるマネージャーとの最終面接まで漕ぎ着けることができました。


あと一歩。これでもうしばらくアメリカで生活することができる、そう信じていました。


ところが、数日経って届いた通知には、不採用の文字が。

ビザが問題でした。当時取得していたOPTの有効期間は残り8ヶ月。OPTとは、Optional Practical Trainingの略。アメリカの大学を卒業すると取得できるビザです。ビザの残り期間が短いというのが不採用の理由でした。

同じ時期に卒業した最高齢の卒業生は70代。
年齢に関係なく学ぶ機会がいつでもある事を知った学生生活でした


不採用通知を見て泣きながら日本にいる母に電話し、日本に帰ると伝えました。そして翌月卒業式に出席し、飼っていた愛猫と一緒に日本に帰国しました。


アメリカで大学を卒業したものの英語はペラペラとは言えないレベル。就職もできず目標もない。

アメリカにもっといたかった。。。

後ろ髪を引かれる思いしかなかった社会人1年目の出来事でした。



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