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#140 接客技術について【第3回】

こんにちは、皆さん。今回の記事は、飲食業界で日々接客に励んでいる僕が、接客技術について考えるシリーズ第3回です。今回のテーマは「松竹梅の法則」と「ジャムの法則」について話していこうと思います。

松竹梅の法則?


「松竹梅の法則」とは、三つの選択肢がある場合、多くの人が真ん中の選択肢を好む心理現象です。つまり、ちょうどいいものに人は惹かれるのです。これは欧米では「ゴルディロックス効果」と呼ばれています。童話「ゴルディロックスと3匹のくま」の主人公が、ちょうどいいスープやベッドを見つけていく物語からきています。
この法則を接客に応用すると、提供する選択肢が多い場合でも、真ん中に「ちょうどいい」選択を用意することで、お客様の選びやすさが向上します。同様に両極端な選択は避け「ちょうどいい」を選択する「極端の回避性」という心理効果が働くことにより、ついつい真ん中を選んでしまうのです。もう少しわかりやすく説明すると、例えばお寿司屋さんで食事をする場合、松=9,000円・竹=5,000円・梅=3,500円の中から1つを選ぶ場面に遭遇したとき、一番高いモノに対しては「安いモノよりは品質が良いはずだが、自分には贅沢だとも思える。それにもし選んで失敗だったときのがっかり感は大きい…」という心理を抱きます。一方、一番安いモノに対しては「これを選んで、自分はケチだと思われないか」といった見栄の心理が働きます。よって、「失敗だったときの損失が少ない」かつ「世間体を保つことができる」真ん中が選ばれやすくなるというカラクリです。その比率は「松=2:竹=5:梅=3」だとも言われています。
#コルディロックス効果

ジャムの法則


「ジャムの法則」は、選択肢が多すぎると逆に選びにくくなる心理現象です。選択肢の多さが消費者の意思決定を難しくし、結局何も選ばない「選択のパラドックス」を指します。例えば、ジャムの棚に20種類のジャムが並んでいる場合、多くの人は選びたいジャムを見つけるのが難しく、結局購買を諦めてしまうことがあります。これを「松竹梅の法則」と組み合わせて考えると、選択肢が多すぎると消費者は選ぶことを避け、中間の選択肢に落ち着く傾向が強まります。つまり、多くのジャムの中から1つを選ぶ場面では、「竹」(中間)の選択が最も売れやすいと考えられます。
マーケティングの観点から、「ジャムの法則」を活かすためには、商品陳列やプロモーション戦略を工夫し、消費者に選択を容易にさせることが大切です。選択肢を絞り込み、魅力的な「竹」商品を強調し、顧客にとってのベストな選択を提供することで、売上を向上させることができます。
#ジャムの法則

「竹」を巧みに使う3つのポイント


接客において、「竹」を巧みに活用するポイントがあります。

① 売りたい商品を「竹」に設定する

「竹」がもっとも売れる選択とされるため、一番売りたい商品を「竹」に設定します。同時に、竹の利益率を上げることも大切です。これによって、全体の売上を伸ばすことができます。

② 「竹」商品を選ばせる技アリな価格設定

価格設定においても工夫が必要です。高価な商品を「松」として提示し、最低価格の「梅」を隣に配置すると、お客様は「梅」では品質が不足すると感じ、自然と「竹」を選びやすくなります。この時大事なことは「最低価格のものに少しだけ足せば、良い品質のものが手に入る」と感じさせる価格設定にすることが大事です。

先ほどのお寿司屋さんの例

松=9,000円 →「竹の+4,000円。さすがの高級感…」
竹=5,000円(売りたい商品)
梅=3,500円 →「後1,500円で品質が上がる…」

こんな感じです。

③ 提示する順番にもテクニックが必要

最後に、「竹」を提示する順番が効果的です。最初に高価格帯な「松」を示すことで、お客様の興味を引き、その後「梅」を提示すると、「そこまで質を落としたくない」という心理になり、自然に「竹」を選ぶようになります。

まとめ


「松竹梅の法則」と「ジャムの法則」は、接客においても重要な指針となります。お客様に「ちょうどいい」選択を提供することで、満足度を高め、売上を向上させることができるのです。
飲食業の僕自身も、これらの法則を活かし、お客様に楽しい食事体験を提供できるよう努力しています。次回も接客技術について、さまざまな視点からお話ししていきますので、お楽しみに。
それでは、また次回お会いしましょう。
#丁度いいって難しいよね

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