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海老の殻のむき方が上手いと褒められて

家族でレストランに行き、ガーリシュリンプを頼んだ。その店のガーリシュリンプは、殻付きのものが出てきたが、それほど海老が好きではない私でも、大きい海老が美味しそうに見えた。

夫は栄養を考えているのか、食べたあとの残骸を汚く思ってしまうからか、いつも巨峰の皮や種、スイカの種、海老の殻などバリバリ食べてしまう。

今回の海老の殻もバリバリ食べていた。私も試しに殻を食べてみたが、海老が大きいだけあって、硬すぎて歯がかけてしまいそうだった。

私は、途中からナイフとフォークで殻と身を分けて身だけを食べた。厚みがあって、美味しかった。

「しかし、こんなに硬い殻、よく食べられるね。すごいね。」
「まぁ。」
相変わらず、大した返事はない。

美味しいので、食わず嫌いの娘に、騙されたと思って食べてごらんと、また殻と身を分けて、身を食べさせた。「うん、美味しい。」と娘。

そこで、私は、夫が大好きなガーリシュリンプを一つしか食べていない事に気付いた。もしや、と思い、「殻をむきましょうか。」と言ってみると、「そうですね。お願いします。」と夫が言った。

私は、また殻と身を分けて、フォークに刺し、娘に渡して夫の口に入れてみるように言った。食べた。

やはり、殻が硬すぎたんだ。それから、残り全ての身だけを取り出すと、夫と娘で平らげた。

翌日の夜、急に夫が、「それにしても、海老のむき方上手いですね。」と言った。「えっ?私のこと?」だいぶ経ってからのことなので、驚いた。

なぜ上手くむけるのか、これまでの人生を振り返ってみた。

20年近く前に、オーストラリアに留学したときに違いないと思った。夕食によく中華料理、ベトナム料理、タイ料理を食べに行っていた。そこで、何度も海老をフォークとナイフで食べていたのを思い出した。

あの頃の苦労が、今頃褒められるとは。しかも、人を褒めない夫に。

思わぬところで、私の特技が一つ増えた。
スプーンとフォークでお頭付きの魚をほぐしたり、箸できれいに手羽先を食べられるのも特技に入るかもしれない。

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