ある黒人NBAプレイヤーの言葉を借りれば、
speak out 【句動】ずばりと[遠慮なく]言う、正々堂々と意見を述べる
addled 【形】 〔卵などが〕腐った 〔思考などが〕混乱した
cattle 牛、畜牛、(人間について)畜生ども
populace · 《the ~》〔エリート層に対する〕民衆{みんしゅう}、一般大衆{いっぱん たいしゅう} · 《the ~》〔ある町や地域{ちいき}などの〕全住民
dismiss 〔アイデアなどを〕退ける、片付{かたづ}けてしまう、駄目{だめ}にする、忘れる、振り払う
それ以前の時代、ニグロリーグなるものを設けて人種を理由に意図的に締め出していた時代に、近代メジャーリーグ初の黒人選手として活躍した、そして大リーグ全球団の永久欠番となった、ジャッキー・ロビンソンの自伝映画「42 世界を変えた男」。
1945年、ブルックリン・ドジャースの会長ブランチ・リッキーはロビンソンをスカウトする。会談中、リッキーはロビンソンに差別を受けた時に「やられても、やり返すな」と伝える。反駁するロビンソンを諭すリッキーの言葉から引用。
打って走って守って活躍する。紳士であり偉大な野球選手である。
それで初めて、周囲に打ち勝つことができるのだ、と諭すのだ。
ロビンソンはリッキーの期待に答えて活躍する。
活躍すればするほど、周囲の圧力が高まる。
ロビンソン本人はおろか、チームメイトにまで球場使用拒否、宿泊拒否がなされる。試合となれば、なればで、アラン・テュディック演じる口の悪い白人野球選手が、あらん限りのヘイトをロビンソンに打ちまける。
とどめは南部の街の球場、ここは客全員が敵。大人から子供へ受け継がれる(いや感染する)、差別の構図が、ワンカットで鮮烈に示される。
ロビンソンは、そしてチームメイトたちは、対立を乗り越え、一丸となってこの困難へとぶつかっていく。
ロビンソン以降、他のメジャーリーグ球団もニグロリーグの選手を引き抜いていくようになり、結果としてニグロリーグは消滅。今やメジャーリーグは黒人だけでなく全世界から選手を幅広く呼び集めるようになった。
野球の可能性を切り開いた先人たちの姿に心震わされる、野球映画の傑作だ。