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映画の名セリフ、、引いてみた。

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甘い言葉がある。辛い言葉がある。英語だとわかるニュアンス、日本語の方が腑に落ちやすいフレーズもある。 そんな映画の英語の名セリフを、拙訳と共に引いてみる。 目標は和田誠の「お楽し…
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#ナチス

「人々は救世主を求めている。だがそれは、平和の王子じゃない…全く別のヒトラーさ。」_『The Stranger』(1946)

オーソン・ウェルズが「第三の男」の3年前に奇しくも「追われる男」を演じた、1946年に自身が監督・主演したフィルム・ノワール『The Stranger』より。 逃亡中かつ米国に潜伏しているナチ高官、という当時としてはスキャンダラスで生々しい題材。とはいえ、「市民ケーン」の様な圧力を受けることもなく、興収は制作費の2倍を回収する、そこそこの成功を収めた。 物語は第二次世界大戦後のアメリカで展開される。オーソン・ウェルズ演じる元ナチスの指導者フランツ・キンドラー(オーソン・ウェ

“正義とは赤いリボンや金モールには目をやらないもの。殺された女の叫びのみ耳にするもの。“_“THE NIGHT OF THE GENERALS”(1967)

オープニングだけは”ヌーヴェル・ヴァーグの父”アンリ・ドカエのカメラが冴え渡っていて、あとはなんというかひたすら重苦しいだけのジメジメした(142分も必要だったか?)映画「将軍たちの夜」より。 ドイツ国防軍として実際に前線に出た東プロイセン出身のハンス・ヘルムート・キルスト原作。また、ハリウッド作品ながら、出演者は全てイギリス及びヨーロッパの俳優であり、そのことが本作に一種独特の雰囲気を与えているのは、間違いない。 舞台は1942年、 と後世に評される、ナチス・ドイツに根