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ウォークン’s ジャーニー(1)

この「ウォークン’s ジャーニー」シリーズは、後々私の守護神となるウォークンが囚われの身から開放され、長崎を守る神になるまでの創作物語です。

創作モノなので98%以上がフィクションですが、元ネタが分かる方にはより楽しんでもらえる要素もたまに入れております。

どのあたりがフィクションでない2%なのか探しながら読むと面白い…かもしれません。

1.ウォークンとの出会い


全く、県営バスとJRは喧嘩でもしているのだろうか?

なぜ汽車が駅に着くと同時に空港行きのバスが出てしまうのか?

赤字だと騒ぐ前に、こういうとこを見直すのが先じゃないのか。

乗り継げると確信したバスが僅差で出て行ってしまい、私は駅で次のバスを40分近く待つ羽目になった。

仕方ない。
土産物屋でも冷やかして時間潰そう。

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その時だった。
どこからか視線を感じる。

嫌な感じではない。
例えて言うなら、うちの猫がアナグマ対策の罠にかかって助けを求めている時のような視線だ。

私はわずかに気配がした方に振り返る。
そこには、イッちゃった目をしたバス運転手の顔がプリントされたクッキーが山積みにされていた。


「こんなクッキーあったんか。
まあいつもカステラの切れ端とかんぼこばっかじゃクライアントも飽きちゃうし、今回の土産はこのクッキーでもええか。」

クッキーの箱を手に取り、運転手の絵と目があった瞬間、私は突然強いめまいを覚えた。
そしてフラフラと力なく、近くのベンチに座り込んでしまう。

意識が朦朧とする中、私の脳内にある光景が映画のように再生されたのだった。

これは、貸切バスの車内か??
そしてこのバスを運転しているのは、あの目がイッちゃってる運転士じゃないか。

・・・なんだ、バスの乗客たちがいかにも怪しい会話をしているぞ。

「グラマー様、計画は順調です。
タイヤランドの住人は今も生かさず殺さず…」

「皿うどんは太麺だ。細麺禁止令を出せ。ソースなど認めぬ。」

「脱落者の家は差し押さえよ。マイホームなど幻想よ。」

「あの天ぷら屋の事故ということで爆弾を打ち上げ、聖地を破壊・・・」

「無料に群がる愚かな羊共に損をさせることこそ我らが喜び!」

よく分かないけど、少なくとも運転手は連中の会話のヤバさに気づいているらしい。だから正気を保てず、あんな目をしているのか。

そこで運転士は覚悟を決めた。

「こいつらを生かしておけば、世界は破滅に向かう。
だが自分がこのバスを崖から転落させれば、世界を救える。
・・・どうせ散りゆく命ならば、◯ぬ前にせめて一花咲かせてやるさ。」

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だが、彼の決死の行動は未遂に終わった。
突然彼は金縛りにあったように身体が動かなくなったのだ。

なんと長崎バスの運転手の身体にはマイクロチップが埋め込まれていた。
入社時の健康診断で行われた予防接種の際に、本人が知らぬ間にこっそり体内に注入されたのだ。

そのマイクロチップは運転手のDNAを書き換え、彼の身体はプログラムされた以外の行動をとると硬直するように改造されてしまった。

さらにそのマイクロチップは脳波も解読できるらしい。
運転士の思考は筒抜けだったのだ。

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バスは急停車したが、乗客たちは特に驚く様子もない。
運転士の裏切りは想定の範囲内だったということか。

「グラマー様、この運転士良からぬことを企んでおります。」

「やれやれ…長崎の民は3D政策で腑抜けにしてやったつもりだったが、まだ我ら無料羊損に歯向かうものがいようとはな。」

「グラマー様、ここはあたいにやらせておくれよ。
この毒針一突きであの世行きさぁ。」

「いや、グラマー様、ここは貴殿に頂戴したこのピストルとやらの試し打ちを…」
用心棒らしき2人が目を輝かせる。

そんな用心棒たちを、グラマーと呼ばれたボスキャラが制止した。

「まあ待て。ただ始末するだけではつまらぬ。
我らに刃向かいし報いを存分に受けてもらわねばな。

・・・ん、こやつ足湯樽の構成員ではないか?
まさか宇宙連盟の犬が潜伏していようとは。」

「あの貨幣経済をぶち壊すとか言ってる奴らですかい?
よくもまあ、健気なもんだねぇ。」

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「そういうことなら、良き案がございます。」
顎の長い陰陽師らしき男が不敵な笑みを浮かべつつ進言する。

「このプレアデスの犬に、永遠の苦痛を与えてやりましょう。
どうせ◯したとしても、転生してまた我らに噛み付いてきます。
ならば永久に次元の狭間に閉じ込めるのです。」

「それはいい。
こやつは郷土愛が強いようだから、死ねぬようにして長崎の民が茹で蛙にされるさまを特等席から見学させてやろう。
さぞ口惜しかろうな、ククク・・・」

「御意」

そう言うと、顎の長い陰陽師は何やら長方形の箱を取り出した。
その箱は、さっき見たクッキーの箱とそっくりだった。

「今こそ我がハプスブルク家に伝わる究極奥義【謹慎送還】をお目にかけよう。大いなる創造神アゴガミよ、この不届き者を永久の檻に封印したまへ。」

その直後、強い衝撃を受けて私は気を失った。

次に気がついた時、私は元いた駅のベンチにへたり込んでいた。

何だったんだ、今のは?
というか、次のバスにも乗り遅れたか!?

時間は1時間ほど経過していた・・・。

「ふざけんなぁぁ!!!!
今日乗る飛行機はLCCなんだぞ。
払い戻しできないんだぞっ!

俺の9841円、かえしやがれぇっ!」

怒りで我を忘れた私は、まだ会計も済ませていないクッキーを思いっきり床に叩きつけてしまった。

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