見出し画像

人生はヒーロー物語になっていた!<日常の世界〜境界の越境編>

仕事で「もう無理!!」と思ったこと、ありますか。
私は今まで2回ありました。
1回目は「人事」という鎧を着て、社員に降格を告げたり、遅刻を注意したり。
個人的にはその社員に恨みもないし、ほんとうにどうでもいいことだな、と思いつつ、嫌な役を果たしていました。社外の先輩人事の方が「僕なんてリストラ担当だったから電車のホームの最前列には並べなかったよ」と言っていたことが頭の中をよぎりました。(怖)
次第に、周囲も私を「人事が」と度々言うようになり、私にはちゃんと名前があるのにな、と思ったこともありました。
社員からの相談も夜遅くまで聞いていました。
そんなあるとき「私って必要ないかも」と思う瞬間がありました。
社員たちはいつも何かしらの不満はあるし、それでも楽しそうに働いている時もある。つまり私がいてもいなくても全く関係がない。
そんな風に思ってしまい、自分の価値を感じられず、「もう無理」と限界が来ました。何も力が入らず、抜け殻のように仕事をこなしていました。
しかし、退職するわけにはいきませんでした。
娘はまだ高校生になったばかり。これから塾や、大学の入学金、学費も稼ぐ必要がありました。
この時はエグゼクティブコーチを紹介してもらい、聞くばかりではなく聞いてもらえることや自分自身の中で一体何が起こっているのか冷静にみることができ、そこから自己探究の世界を深く知るきっかけになり、自分は何者なんだろうと意識がむき始め、抜け殻から脱しました。と、思っていました。

2回目の限界は、最初の限界から3年後、社長との打ち合わせ中に突然やってきました。資料の書き方についてちょっとしたことを指摘されて、普段なら全く大したことではないのに、この時は「もう無理です!」と逆ギレしてしまいました。
社長もびっくりしていました。何もかもがどうでもよくなってしまいました。
そこから急遽、一週間の休みをもらい、私はハワイへ一人飛び立ちました。
娘の大学の入学式にも参加せず。行きの飛行機に乗った瞬間、もうこのまま続けることはできない、とハッキリしました。しかし、その先のことは何も考えられませんでした。
休みが明けて出社し、管理職を降り、契約社員になりたいと希望を出しました。
それから1年半後、退職し、独立しました。
人事コンサルタントとしてすでにお客さんもご紹介いただいて、順調なスタートのようでした。

しかし、ここでまた全く予想もしていなかった思わぬ出来事が起きたのです。
退職直後、独立後の役に立つかなと軽い気持ちで、あるリーダーシップ研修に参加しました。
そしてその時、初対面の講師にこう言われました。
「あなたの人生にはオーナーシップがない。このまま自分に責任を取らない人生を過ごすこともできるし、責任を取る人生も選択できる。どちらを選びますか?」と言われました。なんて言うのが正解なんだろう?と咄嗟に取り繕う自分がよぎりましたが、実際は何も言葉が出てきませんでした。
頭が真っ白になる、と言うのはこんな感じなんだ、と思っていたことだけは覚えています。

これって、映画「マトリックス」の赤いピルと青いピルですよ!
赤いピルを飲むと、本来の自分で使命を果たす世界へ。
青いピルを飲むと、今まで通りの現実世界のまま。
自分の人生で本当にこんなことが起こるんですね。

さて、ここからタイトルのお話になります。フリが長くてすみません。
「人生はヒーロー物語になっている」
どこが。
って思うかもしれませんが、見事に、綺麗に、今書いた「もう無理」ストーリーが、実はこの ヒーローズジャーニーの絵の通りに進んでいました。

ヒーローズジャーニーをちょっとご紹介しておくと、アメリカの神話学者であるジョゼフ キャンベル氏が提唱したもので、世界各国の神話に登場する数々のヒーローの物語を研究していくと、そこにある共通した一連の流れがあることを発見しました。それがこの絵の流れのことを指します。ヒーロー映画、ドラマ、小説もこの法則で描かれており、私たちの人生もこの流れを辿っている、というものです。


一番上から時計回りに進みます。
まずは、「日常の世界」は、私で言うと人事時代です。
次に、「冒険への誘い」が「もう無理!1回目」です。
ここで本当は、自分の人生を生きなさい、とお誘いが来たわけです。
でも、私は退職せずエグゼクティブコーチを付けて何とかやり過ごすわけです。
つまり「冒険への拒絶」と、コーチとの出会いが自己探究への導きだったので、まさに「師との出会い」でした。
そして遂に特別な世界への「境界の越境」が来るわけです。
これが赤いピル、青いピルです。
マトリックスでも主人公のネオが赤いピルを飲んで境界を越境します。

ここからが特別な世界です。続きは長くなってしまったのですみません。次回に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?