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(6日目延長戦B面)真っ白な気持ちでビートルズのアルバムを1日1枚づつ聴いた感想

前回に引き続きビートルズの6枚目のオリジナルアルバム「ラバー・ソウル」のB面の話です。

1曲目「消えた恋」原題は「What Goes on」
当時の邦題は2時間サスペンスドラマのラテ欄と発想同じで、少ない文字数でキーワードぶち込み&名詞ドメしたがりますね。
この曲でカントリー風にジョン・レノンの歌う「ワッゴーズオー」という音の感じが、本当に「どこいっちゃったー」という感じがします。浅い感想ですいません。でも翻訳の根本には辞書通りの意味とは違う「言葉の音」が意図する意味は絶対にあるはずで、特にラブソングを借りて別の意味を込めた歌の場合、そこも汲み取らないとテーマがわからないことになります。「WHY」と「なぜ」は音の感じからすると「ホワイ」の方が、自分も戸惑っている感じがします。

2曲目「ガール」。
ジョンのブライアン・ウィルソン的ヒーリング曲という印象です。
でもこの曲調の気だるさの中には、ヒーリングでありながらドラッグが体を蝕んでいくまでの束の間の恍惚感の危うさも感じて安心できません。

3曲目「君はいずこへ」このタイトル何だ!
戦前の松竹映画のようなセンチメンタル。誰がつけた。原題は「I'm Looking Through You」なんで意味は合ってるんですが、ポールの声の良さとカントリーっぽいギターがかっこいい曲。R&B色の出し方も、過去のビートルズからは変化してます。

4曲目「イン・マイ・ライフ」邦題ありません……良かった。
イントロのギター始まると、誰もは1度は聴いたことある曲だと思います。
「ラバーソウル」名曲入れすぎベストアルバムか!
この曲も人生を振り返るようなすごく素敵な曲としかいいようありません。
でもこれ作ったときジョン・レノンまだ25歳ですよ!
この精神年齢に達するのちょっと早すぎないか!
「戦隊&ライダー俳優」が「俺の人生は……」と語るような年齢ですよ。

5曲目「ウェイト」
ビートルズが後の「ゲットバック」まで何度も取り上げる回帰テーマ。これも20台前半にしては老成し過ぎなテーマだと思うんだが。
実際のビートルズの人間関係を後から類推するのは嫌いだけど、こんだけ何度も戻ろう帰ろうと繰り返してるのを聴くと、やっぱりこの当時揉めてたのかぁと思っていまします。いや、でもそんな甘いことしないだろうとも思います。だって天下のビートルズですよ!

6曲目「恋をするなら」原題「If I Needed Someone」やっぱり違う。タイトル付けた人「ノルウェイの森」だけ正解だな。
ジョージ・ハリスンの才能炸裂の名作。ニューエイジの良質成分だけ抽出したような曲
もし自分が死んで火葬場に入る時に、この曲かけてくれたら生まれ変われるような気がする。

7曲目ラスト「浮気娘」原題「Run For Your Life」何でこうなる!
アルバム2枚目のウィズ収録の「「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」をこの時期のビートルズで変換かけると変化の多様なこの曲ができる。
軽く歌っているようだけど「ラバー・ソウル」のラストの曲なんだからなんか深い意味あんだろうと思ってしまうが、前作もラストは後味良く突っ走るのがジョンのスタイルかも。

今まで僕の人生はビートルズとほぼ関わりなかったんですが、今回1枚めから徹底的に付き合わせてもらって初めて強く感じたことを言います。

「ヘルプ!」から「ラバーソウル」までの1965年のビートルズの状態であと3枚アルバム作って欲しかった!という願いです。

熱烈なファンの方には申し訳ないですが率直なリスナー体質の感想です。

時々比較にあげるビーチボーイズの場合、

1961年のデビューのサーフィン&ホットロッドのご機嫌ノリノリサウンドの青春期にアルバムが5枚出ているところまではビートルズと同じようなスピード感でした。
その後、ブライアン・ウィルソン色全開になる「ペット・サウンズ」までの間にカバー曲やスタジオ・ライブなども含めて5枚もスタジオアルバム出してます。
レコード会社が無理して出しすぎてる感じはあるんですが、おかげで緩やかに変化をたっぷり楽しめます。

でもビートルズの場合この「ラバー・ソウル」から国境を越えていきます。峠の向こうには言葉は同じでも馴染みの風景や世間との距離感などが変わってきます。

もし映画「イエスタデイ」に続編があったとしたら、このテーマを扱って欲しい!

前作でビートルズが存在しなかった世界で結婚して家庭を築いた主人公ジャックと恋人エリーのところへ、ジャック以外にビートルズの存在を覚えていたレオとリズが再び訪れる。
「時空の裂け目が再び現れた。今ならビートルズのいる元の世界に戻せる!一緒に行こう」
ジャックはそれを聞いて迷います。
「ビートルズは絶対存在すべきだけど、そうすると1980年12月8日にジョン・レノンは殺されてしまう」

 イエスタデイの世界ではビートルズは結成されていないので、ジョン・レノンは海辺で絵を書く老人として静かに暮らしていた。

 レオとリズは言います。
「ジョン・レノンが殺されないためにも、ビートルズのいる世界の1965年10月のラバー・ソウルの録音後のスタジオへ行って。ジョンとポールにそのまま協力して曲を作り続けるように説得すればいい」

 こうしてエリーも入れた4人は時空を飛びますが、当時のビートルズは世界的スターでもあり、会うこともままならない。また一方でメンバーは当時奔放でかつヒッピー文化やインド文化にも傾倒し始めた時期、この先を知らないメンバーはジャック達のいう事を相手にしない。そこでまだ誕生していない「Get Back」をジャックが歌う。

最後にやっぱりビートルズは「ラバー・ソウル」で変わった。

(次回は「リボルバー」です!)


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