見出し画像

事故に遭ったときの流れ

昨年11月に事故に遭って、7月末に人身傷害の示談も完了したのでこれにて完結。事故から示談までのアレコレを自分用にメモしておきたい。あちらこちらにフィクションを入れています。


事故結果
・過失割合:自分0:相手9
・ケガ:頸椎捻挫、腰椎捻挫
・車体:修理費用100万円超。一応完治。
・金銭的:100万円くらいプラス
・精神的:しんどかった
・将来リスク:今回の損傷が原因で老後に何らかの形で症状が現れるとコワイ

事故発生

scene1
11月。天気のいい祝日。婚約者を助手席に乗せて移動中。
交差点手前。前方に車はなく、右側直進レーンに車が並んでいます。
前方左折は青信号。右側直進は赤信号。

scene1

scene2
交差点に入りました。特に危険は見当たりません。進みます。

scene2

scene3
はい、ここ。scene2から0.xx秒後。
縦列車両の間から、突如としてホンダのFITが顔を出してきました。ブレーキを踏もうにも制動距離でアウトです。

scene3

scene4
信号待ち縦列車の間からアクセル全開で運転席にぶち込まれました。軽自動車だったら死んでました。物理を学んだ者は軽自動車には乗らない。チェケラ。

事故直後のMAZDA3 (納車2年)

道端に車を寄せて安全を確認して降りようとしたら、運転席のドアが開かない。どうしようもないので助手席から降りて、車の様子を確認したらこの有り様。
後方に相手車両が止まっており、相手さんも酷い姿。フェンダー~フェンダーまでえぐれており、MAZDA3の塗装が張り付いておりました。

事故相手は逃げることもなく、ちゃんと身分確認できたし、保険にも入っていたので良かった。コワイ人じゃなくて良かった。
警察を呼んで物損処理をして完了。1時間もかかってないと思う。その後、こんな姿でも自走できたのでそのまま修理屋へ直行。代車を借りて終了。

家に帰って落ち着いてから自分の保険会社(xxx損保)へ連絡。経緯や状況を口頭で伝えて、あとは保険会社同士でやりとりをするとのこと。
特にケガというケガはありませんでしたが、家に帰ると首と背中に痛みを感じたので、翌日病院へ。
病院で待っている間に、相手保険会社から、病院とも連携できたと連絡あり。病院に相手保険会社がどこかを伝えると病院での支払いはなくて済みました。(保険会社が肩代わり)

過失割合の論争

さて、ここからです。これから過失割合を決めなければなりません。これが後々に、実際に受け取る金額、すべてに影響します。

保険会社(相手)vs 保険会社(自分)

事故の翌日に、xxx損保から過失割合の話し合いの結果が通達されました。話し合いの結果、過失割合80: 20になったと連絡がありました。

xxx損保の担当xxでございます。

お忙しい中、テストメールへのご返信ありがとうございました。
走行距離のご確認もありがとうございます。

本日相手保険会社様とお話ができましたのであわせてご報告いたします。
基本の過失割合としては森様20、お相手様80でございます。
現在損害確認中でございますので、お話進み次第またご相談させていただければと存じます。

今後ともよろしくお願いいたします。

xxx損保の担当xxでございます。

ご返信が遅くなり大変申し訳ございません。
責任割合の件、承知いたしました。

相手方に交渉いたしますが、お互い動いていた状況ですと0:100は難しい案件でございます。
割合をお認めになる場合、何%程度とお考えでしょうか。10%程度になりますでしょうか。
交渉するにあたり、森様のお気持ちをお教え頂ければ幸いです。

お忙しい中、お手数おかけしますがよろしくお願い申し上げます。

「過失割合20:80は受け入れられない。議事録だして。ちなみに0:100希望」と伝えたときの返信です。

0:100が無理ならどこまでいけそうか、とりあえずどう返すとか、基本類型であってここから修正しますとか、そういうのは全くありませんでした。伝書鳩をしているだけです。議事録もないと言われました。

交渉は保険会社の"役割"だけど、交渉は保険会社の"仕事"ではないことが分かりました。保険屋同志の交渉だとまともに交渉できない。だから自動車保険に弁護士特約必須と言われるんですね。これはマジでした。

「過失があるというなら、それは速度超過なのか、一時不停止なのか、明確に述べよ」「議事録を出してくれ」って突き返している間に弁護士を探すことにしました。

弁護士の採用活動

弁護士は、保険会社に紹介してもらうか、自力で探すか。
私はTikTokでよく見る某弁護士事務所や保険会社に探してもらったり、フォロワーに紹介してもらったり、とにかく手当たり次第に連絡を取って、感触のいい人を探しました。

過失割合0:100希望について、各者の反応は以下の通り。
・TikTok系LINE弁護士「難しい」
・フォロワー紹介弁護士「ワンチャンある」→事務所「難しい」
・私文ウェイ系弁護士「不可能。ヨソを当たれ」
・ドットコム弁護士「0:100は難しいが9:1は充分あり得る。等級を下げない方法として片側賠償の交渉はアリ。全ては相手次第」

概ね0:100は厳しそうということが分かりました。しかし、その中で一人だけ、難しい理由を解説してくれた弁護士がいました。ドットコム弁護士です。

過失割合20:80から外すには、「判例タイムズを参考にすべきではない」と主張する必要があるとのこと。そしてそれは今回のケースでは難しい。

ただし、見えづらい状況かつ相手は一時停止をしていないので、修正要素になり得る。したがって1:9の可能性は十分ある。

以上の説明を踏まえて、弁護士に伝えたこちらの要求は二つ。
・こちらの支払いは一切ゼロ
・こちらの保険の等級を下げない

すると、「割合を1:9にした上で片側賠償0:9にし、今ケガをされているので慰謝料請求によっては要求を満たせる可能性はある」とのことでした。
この要求を実現する方法は過失割合0:100しかないと思っていたのですが、そんなことないようでした。もちろん、相手次第ですが。

ここまで話が進んだところで、正式にドットコム弁護士を採用しました。

保険会社(相手)vs 弁護士(自分)

弁護士を投入してからは完全に任せっきりで、進捗報告を受けるだけでトントン拍子で進んでいきました。

11月上旬:事故発生
11月中旬:弁護士投入
11月下旬:過失割合9(相手):1(自分)までは相手了承済み
12月上旬:過失割合9(相手):0(自分)で相手了承済み

投入から2, 3週間ほどで過失割合は0:9で決着しました。
弁護士を投入してからは私はほとんど関与することなく、事故のこととか過失割合のこととか気にせず過ごすことができました。
よく弁護士に任せるメリットとして挙げられていますが、心理的な負担は本当になくなりました。いい弁護士でよかったです。

以上のことから得るべき教訓は「事故に遭ったら、さっさと弁護士を投入せよ」です。以後、気を付けます。

物件障害に対する慰謝料

過失割合は決まりました。次に損害額の決定です。
これは事故車両を元の状態に戻すために必要な金額とされています。この金額は、相手保険会社と自動車修理屋が話し合い(協定)をして決まるそうです。

修理屋が「この部分が壊れているので、交換修理にxx万円かかります。こっちの塗装はxx万円。あっちの部品は、、、」と説明をして、それに対して保険屋が、「いやこれは今回の事故とは関係ないのでは」「もっと安く済むんじゃないですか」と茶々入れるという。
そんなやりとり(かどうかは知らんけど)をして、両者の間で協定が結ばれて、金額が決まるそうです。

本来このフェーズでは揉めることはないそうですが、今回は修理屋曰く、相手保険会社がなかなか納得せず、あまりちゃんと対応してくれなかったそうです。

ビッグモーターと損保ジャパンのコンビでなくて良かったです。

何はともあれ、相手保険会社と修理屋のやりとりなので、私や弁護士が介入することはありません。協定が済んだら修理屋から弁護士に連絡がいき、損害額が判明しました。告げられた金額は100万円超え。

修理費用に加えて、評価損も付きました。
評価損は、事故歴がついて車体価値が損なわれたので、その分も保障してね。というもの。通常は、500万円以上するような車両で新車(3年以内)の場合に、適用されるものらしい。
今回はMAZDA3(300万円)で納車2年なのであまり適用されないケースらしいのですが、一応交渉してもらったらいけました。(修理費用の1割)

物損についての結果は下記の通り。

【内訳】
①修理費用      100万0000円
②評価損        10万0000円
③小計        110万0000円
④過失相殺後の損害額 99万0000円(③×0.9)

物件障害に関する示談書の取り交わしは2月上旬でした。ほぼ同時期に相手保険会社からの振り込みもありました。

その後、修理会社へ修理費用を支払って、物損に関しては完了。なお、もらった金額は支払った金額よりも多かったので、その差分だけプラスとなりました。

人身傷害に対する慰謝料

結局、7カ月間通院しました。痛みは完治しませんでしたが、相手保険会社が肩代わりしてくれる期間が7カ月で目一杯の模様。通常は、3カ月~半年みたいです。
ちなみに通院期間によって、人身傷害の慰謝料請求額が変わってきます。

入院は0カ月、通院は7カ月なので、慰謝料請求できる基準額は97万円。これは弁護士を投入した場合の基準額です。弁護士を入れずに保険会社同士だと、これより低いです。
弁護士が交渉するか、保険会社が交渉するかで、そもそも基準となる金額が違います。意味が分かりません。でもそれがこの業界のようです。お気持ちと慣習がすべて。ロジックも根拠も必要ありません。

軽症・むちうちの慰謝料算定表(引用元)

ともかく、7カ月間も通院したことに対する慰謝料基準額が97万円。でもこれがそのまま認められるわけではなく、相手との交渉により、これの8割か9割が実際に認められる請求額になるそうです。これも慣習です。

私の場合は、9割の87万3000円が慰謝料として認められました。これに対して以下のような計算により、実際に振り込まれる金額が決まりました。

治療費   35万4526円(通院費用)
交通費       857円(家から病院までのガソリン代)
慰謝料   87万3000円(算定表額×慣習0.9)
合計   122万8383円
過失相殺 ▲12万2838円(合計×0.1)
既払金  ▲35万3803円(保険会社建て替え分)
残損害額  75万6601円

過失相殺の×0.1の部分は、相手が負担しなくていい分を差し引いています。
過失割合は相手9:自分0ですので、相手が負担すべきは9割だけです。つまり片側賠償というのは、相手の損害に対しては責任を負うことは無いが、慰謝料面では実質的にこちらが負担することになります。

驚きだったのは、入院しなくても通院だけでも慰謝料請求できるということ。知りませんでした。
通院しないに越したことはないのですが、それでも私のように、生活に支障があるレベルではないが、しっかりと痛みがあるというのは、地味にしんどかったり不安だったりします。

気休めにしかならないですが、弁護士を通さなければ請求してなかったです。
実際に、弁護士を入れる前のxxx損保とのやりとりでは、物損事故では人身傷害の慰謝料は請求できないような説明を受けました。もしかしたら、私の勘違いですが、知識がないので保険会社の言われるがままでした。

もし弁護士を入れていなければ、過失割合は自分1:相手9になり、金銭的には10万円くらいの出費となっていたことと思います。

弁護士の方にはめちゃくちゃ感謝しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?