先を急がないで
Answer (1)
子どもが夢中になって積木遊びをするようになったとき、心がけねばならないことは、むやみに言葉をかけたり、手を出したりしないことです。
子どもは全知全能を駆使して今やっていることに取り組んでいます。そんな時はそっと静かに見ていてあげましょう。子どもがいかに知的な活動に取り組んでいるかわかるはずです。そして、幼な子の能力の素晴らしさに眼を見張るはずです。
言葉かけはむやみにせず、できるだけ子どもが求めた時にしてあげるように心がけてください。
「ここどうしようか、駐車場つくってるんだよ」
たずねられてもすぐに答えを出さないで
「お母さんにもわかんないよ。こうするのかなあ、こうかなあ、ウーンむずかしいね」
いくつかのやり方を示しているうちに
「あっそうだ、こうするんだよ」
きっと子どもが答えを見つけだすはずです。ヒントを与えて子どもに答えを見つけさせる、これが積木遊びをさらに楽しくさせるポイントです。
成就の喜び、これが自信をつくりだし、次の活動への意欲を生みだしていきます。親や保育者にとってじっと「待つ」ことこそ、子育ての最も大切な課題です。
Answer (2)
U君は童具館のプレイルームに1歳半の時から通っていました。片時も母親のそばを離れようとせず、話しかけても、すぐ顔を母親の胸にうずめてしまうような内気な子でした。積木で遊んでも絵を描いてもなかなか集中しません。そんなU君をお母さんはいつも二コニコ微笑みながら文句ひとつ言わず見守っていました。2年数ヶ月の間ずっとそんな状態だったのですが、最近急に積極的に何ごとにも自分で取り組むようになりました。子どもを信頼して待つことの大切さをしみじみ感じました。
一方、Yちゃんは2歳の女の子。お母さんはチャキチャキの江戸っ子という感じ。Yちゃんが粘土で遊んでいても、はさみを使っていても、積木で遊んでいても、見守って待つことができません。
「こうするのよ」「こうすればできるでしょ」
いつもYちゃんがしようとする前に手と口を出してしまいます。Yちゃんはイライラしているのですがいっこうにおかまいなし。
最近、指示待ち症候群の若者が増産されているようです。また、自分で考えて答えを出す子が少なくなったと言われています。U君のお母さんのような方はごくまれな存在になったからでしょうか。お母さんは子どもに対して少しボケ-ッとしているぐらいがいいようです。
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