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感覚をともなう経験を積み重ねていきましょう

理科の学習に役立つ基礎として、感覚をともなう経験を積んでおくことは非常に大切だと考えています。

外に出てみると、感覚を刺激するものがたくさんありますね。
たとえば夕方散歩に出てみると、心地よい風を感じます。
草木が揺れる音や顔にあたる風を感じながら、親御さんが声かけをしてあげてください。

難しい話をして「学ばせる」ことを意識する必要はありません。
「風が涼しいね」
「この前まで暑かったのに最近夕方は風が吹くようになって気持ちいいね」
と、感じたことを口に出すくらいでいいのです。

もちろん、お子さんがこういった言葉1つ1つをしっかり覚えているわけではありません。
しかしふとした時に思い出したり、感覚がよみがえったりすることがあります。
1つ1つの声かけが、この先お子さんが何かを学習したときに「あっ、あのときのことか!」と感覚を呼び覚ます元となっていきます。

「太陽の熱によって陸地は早くあたためられるが、海はあたたまりにくい」と学習した際に「海水浴のときに砂浜が熱くてしかたなかった!」という感覚の記憶を呼び覚ませる子は、納得感が高く「身につく」学習ができるものです。

数年前、渋谷教育学園渋谷中の入試問題に「どうして月がついてくるのか」というテーマが出ました。
実際には、月はついてきているわけではありませんね。
月が地球から遠くにあるために起こる目の錯覚ではありますが、夜、外を歩いていて「月がついくる」と感じた事があるかどうかは非常に大きなポイントになります。

原理はこのようになりますね

まわりの景色や変化に目を向ける事で、感じられる事や発見はたくさん溢れています。

空を見ても、季節や時間によって
「雲の流れが早いね」
「今日は雲がないな〜」
「星がきれい!」
「もう少しで満月だ!」
などと感じたことが、お子さんの経験として積み重なっていきます。

毎日のふとした場所、ふとした時に、いつの間にかたくさんの経験をしているという事です。
幼いうちは、これが学びになっていると気づかなくても、必ずさまざまな分野に役立っていくものなのです。


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