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「公式を暗記」の学習がもたらす弊害とは

「理科や算数も、解き方を暗記すれば大丈夫」

そう考えて算数や理科のテストに挑むお子さん、実は少なくありません。

中学受験に限らず、高校、大学受験でも「暗記したら大丈夫」そう口にする子はいます。

しかし「公式に当てはめたらいい」そう考えて学習をしていると、必ずと言っていい程どこかでつまずくことになります。

何より「公式を暗記してそれに当てはめる=学習」となってしまうと、理数系の科目の勉強は無味乾燥で、つまらないものになってしまいます。

公式を学ぶ時、

「なぜこの公式が成り立つのか」

を学校や塾で教わります。

たとえば「速さの三公」と呼ばれるものがあり、次の3つの式を学校や塾で習います。

1.「速さ×時間=距離」
2.「距離÷時間=速さ」
3.「距離÷速さ=時間」

この式で速さや時間、距離を計算できることは大事なのですが、その前になにより重要なのが「速さの概念」が正しく腑に落ちていることです。

「分速80m」(一般に「駅から徒歩5分」などと言われるときのベースは、この速さだそうです)は「1分歩いたら80m進む速さ」だと理解、納得しておくことが重要です。

80mという距離も「運動場で50m走のタイムをはかったときの長さがあのくらいだから・・・」など具体的なイメージが持てていると、なおいいですね。

分速80mが「1分で80m進む速さ」なんですから、

「じゃあ、そのペースで3分進むと 80×3=240m進むよね」

というのが 1. の式の意味ですね。

逆に言うと、

3分で240m進んだときの速さは分速80m(1分あたり80m)

で、これが 2. です。

かんたんですね。

・・・というか、上記のように考えると「結果として3つの公式が成り立つよね」というだけで、別に公式は暗記していなくても式は立てられる、ということになります。

「公式」というのは「結果としてこの式で求められる」ものであり「それを覚えていなければ解けない」というものではないんですね(ここがすごく重要です)。

でも、宿題などで大量の問題を解いていると「数字を公式に当てはめればいい」と学習が「作業」になってしまい「なぜこの公式になるのか」と考える事を忘れてしまいがちなのです。

高学年になってくると、どんどん求められることが複雑になってきます。
立体の表面積の問題でも、単なる立方体や直方体の表面積ではなく、それらを組み合わせたり、中をくり抜いたような図形も出題されることがあります。

丸暗記だけでは到底太刀打ちできなくなり、成績が下がるだけでなく、理科や算数に苦手意識が芽生えてしまうのです。

気付かぬうちに、お子さんの学習のしかたが「暗記ベース」になっていることもありますから、すぐにスラスラとできるようになったなと感じたり、学習がスムーズにいっている様に見える時こそ、注意深く見てあげてほしいのです。

ここで誤解して欲しくないのが、「暗記=悪」ではないということ。
覚えることが必要というのに、変わりはありません。

ただ、数字を見ただけで公式に当てはめていく学習ではなく「なぜこの公式で解けるのか」を理解して解けているかということが大切なのです。

ときどき親御さんからお子さんに質問し「その公式を選んだ理由」「その公式が成り立つ理由」を答えてもらう、といったことも、ぜひ学習に取り入れてみてください。


日経BP社「自走できる子の育て方」西村則康・辻義夫著

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