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低学年向けセミナーに登壇しました

6月19日(日)、主任相談員を務めるウェブサイト「中学受験情報局」主催の低学年向け「4〜6年生 中学受験3年間の流れを把握する オンラインセミナー」に講師として登壇しました。

幼児や低学年のお子さんの親御さんで、将来、中学受験をさせることを考えている方は「 あらかじめ準備をしておくことで少しでも先々の受験勉強に役立てば良い」といろいろなことを考えられると思います。

僕たちはよく「 お子さんが小さいうち「遊びは実体験をたくさんさせてほしい」とお伝えするのですが、 勉強についてはあまり極端な「 先取り」はおすすめしていません。

むしろ「このような先取りは させないでほしい」といったことをお伝えする場面も実は多いのです。

例えば 小学校高学年で習うような文章問題を、1年生 や2年生に教えると、計算さえできれば手順を覚えることで一件問題を理解して解いているように 鮮やかに正解できます。

しかしその内容を深く理解しているかといえば、 学年相応の理解しかできないということが普通ですから「 手順は覚えているが本質的には理解していない」となることも珍しくありません。

こうなると「先取り」のメリットはあまりないと言えますが、 むしろデメリットを感じることの方が多いのです。

算数に「つるかめ算」という 文章題があります。

「つるとカメが合わせて10いて、足の数の合計が26本です。 つるは何羽いますか。」

といった問題が典型的です。

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もしもカメ ばかり 10匹いたら、足の数は
4×10=40本
実際には 26本しかないから、その差は
40-26=14本
カメ1匹をつる1羽に置き換えると 足の数は
4-2=2本
減るから、14本 足の数を減らそうとすると
14÷2=7匹のカメをつると交換すればよい。
だから つるの数は 7話

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というのがオーソドックスな考え方です。

「すべてカメばかりだったら・・・」

と考えるのがこの問題の最大のポイントなのですが「 もしも・・・ だったら」と置き換えることが、小さなお子さんにはなかなか難しいのです。
だからこの問題を初めて学習するのは、ふつうは小学校の中学年以降です。

でも上記の通り、計算自体は簡単なかけ算、引き算、わり算ですから、作業自体は小学校低学年のお子さんでも、教え込めばできなくはありません。

こうやって「先取り」させることによって起こる最大の問題は「本質を理解せずに 手順 だけを覚える」ということが 勉強だと子どもに教えてしまうことです。

教えられた通りにできて テストでも点が取れるので、 親御さんは「理解している」と考えてしまいがちです。
お子さんもテストで満点が取れて親が喜ぶので、 「こうやって頑張れば勉強ができるようになる」と信じて 繰り返してしまいます。

このような勉強を繰り返していると、小学校高学年になって習う内容が難しくなってきた時に対応できなくなってしまいます。
学年が上がると習う内容も コードになり、手順 だけは覚えていても、少しひねられただけで対応できなくなってしまうからです。

しかもこのような手順を覚えるだけの勉強は、考えて「分かった」「 なるほど、 そうだったのか」と腑に落ちたり納得する経験を伴わないので、 勉強自体が つまらないものになりがちです。

それでも低学年のうちはテストで点が取れて親御さんも喜んでくれるので、 お子さんとしてはがんばれるのですが、 勉強がつまらない上にテストでも点が取れないとなると、どんどん勉強嫌いになっていってしまいます。

このように、やみくもに 先取りさせることによって勉強嫌いになったお子さんを、僕たちはこれまでたくさん見てきています。

ですから「 そうなっていただきたくない」という意味で、低学年のお子さんの親御さんには 「先取り」のデメリットについてもセミナーなどの機会にお伝えするようにしているのです。

確かに 中学受験の勉強は大変ですが、 小学校低学年のうちからたくさん先取りの勉強をしなければ対応できない、というものでもありません。

小さなお子さんの親御さんには、ぜひそのあたりを知っておいていただければと思います。

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