🇧🇹ブータンにやってきました。世界一幸せな国は本当か？の旅。

2023年7月21日 09:16

実は今日で７日目のブータン Kingdom of Bhutan。現在は観光都市プナカPunakha に滞在しています。直前まで本当に行けるのかがわからず、家族以外には伝えずに出発の日を迎えました。だって、なんだかあまりにもミステリアスで、、、

今回の旅は『世界一幸福度が高い国』の真実を探ることと、幼稚園・小学校から全て英語で教育をしている国の国民がどんな人たちなのかを自分の目で見てみよう、という２つの目的があります。中盤あたりから学校・教育者訪問もするのですが、今は夏休み。（コロナ影響で、本来1ヶ月の夏休みが15日しかないそうですが、その学校の夏休みにきちゃったのは運が悪い！ちなみに働く人には夏休みと言う概念はないそうです。）

なぜブータンに来られたのか？

これはもう運としか言えないですね。息子の高校時代の友達が招待をしてくれました。仕事等でVISAがある人以外は招待者がいないと、この国は来ることができません。一般観光客は、観光ビザ以外に1日あたり200USDの課金があるので、ちょっと滞在しても結構な額になります。（私にとって、とご理解ください。）招待があればその課金がないので、とても助かります。扱いはプライベートゲストとなります。息子のブータン人の友達は、日本の学校で学んでいたのですがコロナ禍の長期休暇の際に自国に戻ると再度日本に入れない可能性があったため、日本に滞在せざるを得なかったのです。その時に我が家に受け入れたり、PCR検査に連れていったりとたまたまお世話したのですね。それが今回の招待につながったのだと思うのですが、瓢箪から駒というか、思いがけない楽しいことにつながりました。ほんの少し残念なのは今が雨季なためハイキングにいけないこと。ただ、その代わり、観光客が少なくゆったりとした時間を過ごすことができています。

ブータン国王の現在の困りごと、それは、、、

王様も憂いているのは国民の海外流出だとか。いろんな人に聞き回った結果、本当に多くの若者(30代以下）がオーストラリアに移住しています。ローンを組んで大学に行って、現地でバイトしてローンを返しながら学んでいる人たちも多いそう。物価が10倍違うので、そんなことも成り立つんでしょうね。そして、就職でびっくりしたのが、医者・エンジニア・教師というスキルのいる職業からワーカーまで、本当に様々な若者が流出していました。誰と話しても、家族のうちの何人かがオーストラリアに行ってました。子ども3人とも外国の大学に行っている、働いているというものから、親の面倒を見ないといけないから下の２人はオーストラリアに行きました、とか。お金の価値が違うこともありますが、何よりも大きいのはブータン人は誰もが英語が話せることに尽きます。「いつかは国に帰りたい」と思っていても、本当に帰るかどうかはその時にしかわからないですよね。外国人と結婚して子どもを得たら、子どもの教育にとってどちらが良いか、という比較にもなります。親の片方がオーストラリアで働いているという家もありました。自国の公務員よりオーストラリアの皿洗いの方がスーパー高額となればそんな選択をしたくなるのかもしれません。自分が同じ状況だったらどうするか、、、それはその時じゃないとわからないですね。

学校を巡ってみると、、、
教員養成の大学に行って学長と話したり、小学校の副校長と話したり、全寮制の尼さん小学校を覗いたりしました。それらについて少し書きます。

1. Punaka Educational College
国立の教員を育成する大学です。今は夏休みシーズンで学生はいませんでした。現在教員を含めた多くのブータン人がオーストラリアに移住していることへの意見をいただいたところ「短期スパンで状況をみたら、人口の少ないこのくにで若者が海外流出しているのは大変に見えるが、長期で考えたら国民の中の多くの割合が海外経験を積んだ後に自国に戻ってくることは、国にとって良いこと以外にない」という言いきってくださり、とても力強く感じました。私が外国人なのと、拙い英語での質問だったので強気に回答をしてくれたのかもしれませんが、ほとんどの人が憂いている問題だったので、これはもう嬉しかったですね。「市場は国民の人口じゃなくて、世界人口だよ」と言われたことも、私の頭をすっきりさせてくれました。

2.アマさんの全寮制小学校
これはどうも高学年だけのようなんですが、仏教国だからかもしれませんが、小学生・全寮制・アマさんの学校と聞いて、本当に驚きました。女子が全員頭を丸めて作業をしているところを通りがかりました。英語で質問したら英語で回答してくれます。「どうしてこの学校に来たのか？」という質問には「興味があったから」という回答もあったのですが、いろいろ聞いていくと、ブータンの学校教育は幼稚園から大学まで公立は無料なのですが、生活費が厳しい家庭の子どもたちがすべて無料の全寮制学校に来ていることが多いそうです。

3.公立小学校(正式名は別途）
国内にいくつかある成績優秀な子どもたちが集まる小学校に行ってきました。そこで驚いたのは、教員のオーストラリア流出が多くて、教員が3割ほど足りない状態で学校運営がされている、ということでした。合わせて、オーストラリアに流出している人たちが、国内ではエンジニアやオフィスワーカーだったものが、外国では皿洗いや果物を摘む仕事をしていて、高等教育を受けた価値が意味をなさなくなっていることを悲しんでいるという話もありました。自分はさておいて、生徒にも自分の子どもたちにも海外で教育を受けさせたいとの思いはひしひしと伝わってきて、「一番幸福度の高い国」の不思議を感じました。

4.教育省
たまたま川縁で休憩をしていたら、教育省に働く人に出会いました。「首都ティンプー Thinpuでは子どもたちも英語で普通に話しているが、地方に行くと、授業は英語でしていても、その英語を使える場所がないから英語力が上がらず、あまり英語が話せない子どもがたくさんいる」という話を聞いて、驚きました。それはそうですよね。日常は公用語ゾンカを使っているわけで、使える場所がないとなかなか上達もなれもしませんよね。

学校訪問しながら、オンラインで仕事もしながら、パーソナルゲストだから一般の観光客とは違う場所を訪れながらの10日間でした。英語力・幸福・wellbeingをキーにいろんなものを見てきたのですが、同行していただいた方から何度もこの質問をいただきました。

「あなたは、ブータン人が幸せだと思いますか？」

そんな質問をこの国の人にされた。答えはしたが、それが正しかったかはわからない。

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