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わくわくで頭いっぱいのチーム湘南リーダーは、ちょっと前まで“正義の味方”のつもり…だった?

決して前に出るのではなく、いつもみんなの意見を冷静に聞き入れ、そしてあたたかく受け止めてくれる。誰もが彼を謙虚な人だといい、そしてどんな大変な仕事も自ら引き受けてくれる、チーム湘南のリーダー堀崎 誠さん。
でも堀崎さんは、数年前まで何事にも必ず正解があると頑なに信じ、自分はいつでも正解の考え方を支持する「正義の味方」だと思っていて、不正解な答えを出す人の話は聞き入れなかったという。
そんな堀崎さんの心境の変化と子どもたちへの熱い思いを伺いました。

【図鑑No.27】
お名前 
堀崎 誠(ほりぴー)
お仕事 
半導体設計会社に勤める技術系サラリーマン。アプリケーションエンジニアとして、自社の半導体の機能をよりよく使ってもらうサンプルプログラムを顧客に提供したり、顧客の要望を踏まえながら新機能を共同開発したり、トラブル発生時に不具合の解決策や回避策等を考えたりすること。
わくわくエンジン
① 笑顔でいること、笑顔に触れること、笑顔を作りだすこと
② わくわくと心地よいドキドキ感とともに、何か新しいことを始めること
③ 積極性と前向きな姿勢で、どうせやるなら楽しまなきゃ、好きだからやりたい!と思って行動すること
④ しっかり準備して、精一杯やって、その後充実感に浸り、余韻を楽しむこと

信念は「正義の味方」だった


ーー 堀崎さんにとって「正義の味方」とはどういうことですか?

正直、つい最近まで私はいつも、”何が正解なんだろう”と考えることが多く、そして口癖でもあったんです。大袈裟に言えば、全世界の誰にとっても正しい唯一の答えというのが必ずあるはずで、それを見つけたい。言うなればそれが私にとっての正義だったんです。それで私はいつでもこの正解の考え方を支持する「正義の味方」だったんです(笑)

子どもの頃に夢中になっていたヒーローものや勧善懲悪ものの影響も大きかったのかもしれませんが、ずっとそんな風に思っていました。

スーパーマン

だから、自分とは異なる意見(不正解)の答えを出されると、それは違うと言ったり、困っていそうな人を見ると放っておけず、自分の正解と思うことを「こうした方が良い」とか「こうすべき」みたいに押し付けようとしてきたことが多々あったと思います。

そんな中、会社からマネジメント業務を任されたことがきっかけで、自分のキャリアや部下達のキャリア、そして自分の子どもの将来のキャリアについて真剣に考えはじめました。

そのとき「キャリアコンサルタント養成講座」というのをインターネットか何かで見つけたんです。当時はキャリアコンサルティングについて、あまり知らなかったのですが、興味を持ち、学校に通うことにしました。

試験には筆記のほかにロールプレイングといって実際の面談の導入部分を行う実技もあり、その練習もたくさんしました。クライエントに「この人は私の味方だ」と思ってもらえるように関わることが大事なんだよ、とのアドバイスを受けたことがあったんです。

そのとき「味方ってなんだろう?」ってとても悩みました・・・(笑)

私が味方になれるかどうかは、話を聞かないとわからないんじゃないか、話を聞いてもいないのに味方になれるわけないじゃん、という気持ちを持っていました。なぜなら私は「正義の味方」だったから。

その人の言っていることが正しければ味方になれるけど、そうじゃなければ味方になんかなれるわけない、と思っていたんです。

”正義の味方”から「引き出し、認め、伴走する人」へ


ーー 今はそんな風には思えないのですが、変わるきっかけがあったんですか?

 
ロールプレイングの練習を重ねる中で、先生や仲間から何度も指摘されたこと。また、数年前に外資系企業に転職し、多様な人に出会いました。日々の業務の中で本当に色々な価値観や考え方があるんだと知ったこと。そうして徐々に私自身の考え方や人への接し方が変わっていきました。

目の前にいる人をありのままに受け止めて、話を聞く、そこから始めることが大事なんだと思えるようになりました。

そしてキャリアコンサルタントの試験にも受かったのですが・・・
まだその大事さを頭ではわかっていても身に付いたという感覚はなく、なんか腑に落ちない部分もありました。

そんな時キーパーソン21の「引き出す」「認める」「伴走する」という言葉に出会い、まさにこれだ!と思いました。何か今までのモヤモヤがストンと落ちた、そんな気がしてすぐに会員になり、わくナビ養成講座(※)に参加したんです。(※わくわくナビゲーター養成講座

講座

ーー わくナビ養成講座に参加していかがでしたか?

受講したのが「コミュニケーションゲーム」というプログラム。とにかく楽しかった。養成講座ではまず、子ども役となって体験します。

コミュニケーションゲームでは子どもと大人が混ざり3種類のゲームをします。そしてそのゲームの中で大人が気づいた子どもたちの素敵なところを一人ひとりに丁寧に伝えていきます。決して子どもに対してマイナスなことは言いません。そうすると子ども役として体験した大人の自分でも自己肯定感が上がり、なんだか自信が湧いてくるんです。

これは凄いプログラムだと思いました。
自分の良いところを大人にあらためて言葉にしてもらって、自分でも良いところに目を向けられる。

このゲームは子どもたちのためになるし、また子育てをする親にとっても、子どもとコミュニケーションをとる際に役に立つと思いました。否定しない、ありのままを受け入れて良いところやそれぞれの個性をいいねと伝える。子どもに対して、そして私自身のためになると感じましたね。

考えはじめたら止まらない、わくわくエンジン


ーー 私もコミュニケーションゲームを受講してみたくなりました。ところで堀崎さんのわくわくエンジンは4つ(!)もあるんですね。

そうなんですよー。わくわくエンジンはどんどん変化したり膨らんだり、広がったりしています。まだまだ更新中です。すきなものビンゴをする度にわくわくすることがたくさん出てきちゃうんです。もしかしたらわくわくエンジンを見つける過程で、自分のわくわくすることを考えること(自分について考え続けること)自体が私のわくわくエンジンなのかもしれません。わくわくエンジンを考え始めると止まらなくなって、考えている間はずっとわくわくしています(笑)

① 笑顔でいること、笑顔に触れること、笑顔を作りだすこと
② わくわくと心地よいドキドキ感とともに、何か新しいことを始めること
③ 積極性と前向きな姿勢で、どうせやるなら楽しまなきゃ、好きだからやりたい!と思って行動すること
④ しっかり準備して、精一杯やって、その後充実感に浸り、余韻を楽しむこと

だからこそ一人でも多くの人にわくわくエンジンを発見してもらい、わくわく、ドキドキしてもらえたら、そしてそんなお手伝いができるように、ずっと丁寧に関わり続けていきたいと思っているんです。

チーム湘南を作りたい!と思ったわけ


ーー わくわくエンジンを見つけることがわくわくエンジンというのも面白いですね(笑)堀崎さんのわくわくエンジンがチーム湘南を作ったきっかけに?チーム湘南のことを教えていただけますか?

わくナビ養成講座に参加して、子どもたちに絶対これを伝えて広げたい!と思い、しばらくはキーパーソン21の会員として様々な活動に参加していました。寺子屋体験学習のお手伝いをしたり、学生創出会議や総会に参加したり。

その一方で、キャリアコンサルタント関係で湘南地区のエリアサポーターとして色々なイベントに関わる中で、沢山の仲間が集まったり、出会う機会が増え始めていました。

そんなタイミングで、キーパーソン21の中でわくわくエンジンが当たり前の世の中を全国に広げるために、地域チームを作ろうという話が出てきていて、私のところにもその話が聞こえてきました。リーダーとして!とかは全然考えていませんでしたが、地域チームには絶対関わりたいと思いました。

当時集まり始めていたメンバーで話をして、どうします?どうしましょう?となったときに

こんなにも想いを持った仲間がいるんだから!
少しでも役に立ちたい!
一緒に楽しくできたらいいなぁ
チームは絶対作りたい!

と思って(表現が適切かわかりませんが…)緩めな感じでも場づくりのお役に立てたらいいなと思い、リーダーをやることになりました。(結成時↓)

チーム湘南

もしかしたら「わくわくと心地よいドキドキ感とともに、何か新しい始めること」「積極性と前向きな姿勢で、どうせやるなら楽しまなきゃ、好きだからやりたい!と思って行動すること」このわくわくエンジンがそうさせたのかもしれませんね(笑)

チーム湘南は2年前に結成し、現在18人のメンバーがいます。みんな熱い想いを持っていて、こんなことやりたい、あんなことをしたらどうか、と次々にアイデアが出てくるんです。そして誰かがこれやるよ!という時には、メンバー全員が協力的に、“わー”って一つになれる感じがあるんです。お互いの行動がいい感じに全体に影響し合えているなぁって思っています。これを継続し、成長して発展できるようにしたいですね。

ーー チーム湘南ではどんな活動をしているのですか?

昨年うみかぜテラスという公民館で親子ですきなものビンゴ体験会を開催しました。小学生から高校生までの親子が集まってくれたんですが、「親子でも子どもの思いを初めて知った」とか「自分のわくわくエンジンが発見できてとてもよかった」とか、嬉しい声をたくさん聞くことができました。

わくわくエンジンを発見した時って子ども達の目が輝くんですよね。もちろんその場で見つけられない人もたくさんいます。でも後でじわじわとわかってくることもあるんです、私みたいに。そのときに発見できなくても、言語化できなくても、後から後から思い浮かんじゃったりするんです。

うみかぜ2

それから茅ヶ崎市の高校でボランティア塾というイベントにも参加しました。事前に学校側でどんな団体が来て、どんなことをやっていると言う情報を生徒に伝え、生徒達が興味を持ったボランティア団体の元に集まって話を聞くというものです。

私達のところには20人の生徒が集まってくれたので、メンバー4人と分担して生徒と色々な話をしました。その後のアンケートでは
「誠さんの話は耳を傾けてしまうものだった」
「ほりピーさんとは考えとか趣味が同じ感じで話をしていて楽しかった」「親身になって話を聞いてくれて嬉しかった」
などこちらも嬉しくなる感想をもらいました。

親子すきなものビンゴ体験イベントやボランテイア塾では、第三の大人の関わりの必要性や手応えも感じることができました。今後は定期的、継続的にプログラムを実施できるようになればいいなと思い、広報活動や営業に力を入れて行きたいと思っています。

うみかぜ1

ーー 最後に堀崎さんが一番大事にしていることを教えてください

私のわくわくエンジンの一つにも出てくる「笑顔」です。
笑顔は大事だけどそれだけでは浅い…そんな意見もあるかも知れません。ごもっともです。でも浅く見えて深い。深いから浅く見える…そんなこともあると思います。
そうやって自分にとってどうして大事なのは笑顔なんだろう?と深く深く考え続けると止まらない。例えばキーパーソン21のホームページでも、子どもたちの笑顔がドーンと目に飛び込んできます。これなんです、この笑顔を見たい、作りたい、そしてその笑顔を見て自分達も笑顔になる・・・。

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考え続けていくこと、変化していくこと、決められないもの、決めなくていいもの、いつかまとまってくること。そんなことを考え出すと止まらない(笑)。これからも笑顔の意味を考え続け、わくわくの種やガソリンをたくさん集めて、わくわくエンジンにどんどん投入していきたいと思います。

緩いような熱いような私が、なぜキーパーソン21の活動を続けているか?それはやっぱり自分のわくわくエンジンを満たすことだからなんですよね。

素敵な仲間もたくさんいますし、勇気も笑顔もやる気も自然と湧いてきます。これからもチーム湘南のメンバーと一緒に「子どもたちへ」を第一に、経験や成長、そして発展できるよう活動に取り組んでいきたいと思います。

わー


<編集後記>
何を隠そう私もチーム湘南のメンバーの1人です。ちょっと大変そうだな、と思う作業も、堀崎さんは「それは僕がやりますよ」といつも率先して引き受けてくれるんです。チーム湘南は一人ひとりとても熱い思いがあるのですが、まだまだ思うように活動ができていません。今このコロナ禍でも何ができるのか、ということを堀崎さんの掛け声のもと、話し合っています。先にも書きましたが、グイグイ引っ張っていくタイプのリーダーと言うよりもみんなの発言を聞きながら、「ではこうしませんか?」、「ではこのような形でやっていこうと思うのですがいかがですか?」、と最後にみんなの意見をまとめてくれるリーダーです。
わくわくエンジンを考えることがわくわくするという堀崎さん、これからもたくさんのわくわくの元、チーム湘南を引っ張っていってくださいね。
(ライター・みゆきん)

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