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『BLUEGIANT』と「体験」の問題

「音楽映画の時代」に2Dアニメーションは何ができるか

ようやく『BLUEGIANT』を観てきた。ちゃんとDolby Atmosを備えた劇場まで足を運び、贅沢な時間を堪能してきた。これは少し寂しいことだが、もはや現代人が劇場に足を運ぶ理由はリッチな画を観るかリッチな音を聴くか、くらいしかなくなりつつある。心の底では、新作映画を(内容次第では)、都度2000円払ってもよいから自宅のテレビ(AmazonPRIMEとかNetflixとか)で観たいと思っているユーザーはかなりの割合に上っているはずだ(僕もそうだ)。本作はこのような時代背景のもとに出現した国産のアニメ映画、とひとまずは位置づけることができるだろう。そしてその上で本作は、現時点の手描き2Dアニメーションと音楽との組み合わせで何かできるのか、どこまでやれるのかを(そのポテンシャルも含めて)示した作品なのもたぶん間違いではないだろう。

『ONE PIECE FILMRED』と『BLUEGIANT』

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