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レモネード【小説】完結

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写真家を目指す、なんてことない田舎の女生徒、伊志嶺るね。ある日、”海中道路”で出会った少年、幸田アシュレイと過ごす島で、ほのぼのとした生活の中にある、普通の夢と、普通の幸せを探す…
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#小説

レモネード【小説】最終回

「で、マネージャーさん? 宮古島出身人気モデルさんはまだこないの?」 「もう予定より十五…

Asha Wakugami
3年前
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レモネード【小説】第7話

るねが教室にはいると、遠巻きに観察する視線を感じた。視線の先にいたのは、美里だ。つくえに…

Asha Wakugami
3年前
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レモネード【小説】第6話

 連絡が来る前に、るねはアシュレイがきたのがわかった。静かな島だ。自分の部屋の外に、あの…

Asha Wakugami
3年前
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レモネード【小説】第5話

スランプ。るねははじめてそれを味わっていた。パーティから帰ってきて、満足いく写真が撮れな…

Asha Wakugami
3年前
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レモネード【小説】第4話

秋、と言っても沖縄ではまだ夏みたいなものだ。るねはアシュレイの運転で学校から帰るとポスト…

Asha Wakugami
3年前
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レモネード【小説】第3話

 次の日。曇りで湿気が満ち、汗ばんだ制服が張りついて気持ち悪い。プールがあればいいのに。…

Asha Wakugami
3年前
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レモネード【小説】第2話

「ただいまー。お母さん、イモ、置いとくよー」  るねの家はてんぷら屋をやっている。魚、イカ、イモが人気だ。通はモズクや紅ショウガのてんぷらも頼む。しっとり触感で、店頭でソースをかけて食べることもできる。客は近所のおばあひとりだった。 「あんたそんなに急いでどこにねー?」 「先生のとこ!」 「ちょっと、あんた!」  イモを棚に半ば放り投げ、鏡で髪を整えると、るねは行ってしまった。手を粉まみれにした母のるりが調理場から顔を出す。 「もう、あの子ったら」 「いいじゃない先生のところ

レモネード【小説】第1話

 仲本美里は、いじめられていた。それを見ても、伊志嶺るねは動かなかった。最初は明らかな<…

Asha Wakugami
3年前
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