しん次元クレヨンしんちゃん超能力大決戦を見た感想

【注意点】
①映画内の好きor好きではない点を書きます
②ネタバレ含みます
③記憶で書いているのでうろ覚えの箇所あり


好きな点

1.カンタムロボの戦闘シーンがカッコよかった

 3Dのカンタムロボの戦闘シーンは迫力があった。手巻き寿司ミサイルは中々カッコよかった。

2.過去非理谷としんちゃんのやり取り

 過去の非理谷がしんちゃんと徐々に距離を詰めていく、仲良くなっていくシーンは良かった。非理谷をしんちゃんが受け止めて前に進む勇気を与える、仲間であると自覚させていく流れは好きです。

 非理谷に必要だったのは隣で一緒にチャレンジをしてくれる人や頑張れと励ましてくれる人であり、彼の心の根っこを見れる部分。ここで非理谷が身近な存在、同じような人間であると認識出来た場面でもある。

この過去部分はもっと時間を取ってやってほしかった気持ちがある。しんちゃんが仲間認定するのが早すぎるかな?と感じる。また後半でも書くが、暴力シーンがあまりにも生々しい。見ていて辛い気持ちになる。

3.エンドロール

 漫画形式のエンドロールはとても良かった。
遊び心を感じるし、エンドロールを意識して最後まで見てしまう。
過去作のクレしん映画でもエンドロールで物語のその後を描くことは多いが、また違った見せ方をしてくれたのは楽しめた。

好きではない点

1.映画内のギャグシーン

 終始ギャグを入れてくる。ギャグは好きだが、シリアスな場面でも挟んでくるので白ける部分もあった。3Dのためなのか、ギャグのテンポも悪かった印象がある。これは2Dのクレしん映画に慣れているせいもあるかな。2dだと絵の切り替えがスパッと出来るから、今回のような違和感を覚えたのかもしれない。

2.生々しすぎる加害&暴力描写

 クレしん映画ではあまり見たことのない生々しい描写がこの映画には多い。

①映画冒頭の非理谷とサラリーマンの場面
②非理谷が超能力で春日部防衛隊を壁にぶつける場面
③過去非理谷と悪ガキとの喧嘩の場面

悪意100%による暴力が圧倒的に多く、それが非常に生々しく痛々しい。
②の春日部防衛隊が壁に叩きつけられる場面は胸が痛くなる。
『現実とはいつだって理不尽だ』というメッセージなのかもしれないし、それは事実でもあるがクレしん映画でそんな事は見たくない。求めてない。


3.登場人物の行動の一貫性の無さ

どのキャラにも行動の一貫性の無さ、そんな風に動かないだろうという場面が多い。

①吉永先生が子供たちと共謀して非理谷の気をそらす作戦。
 明らかにおかしい能力を使っている人間に対して、子供たちを危険に晒す可能性のある作戦を吉永先生が取るか?と違和感を覚える。

②みさえが焼肉屋の割引券?と引き換えにしんちゃんの超能力の開発に力を貸す→幼稚園の立てこもり事件を見た上でカンタムロボの特訓をするが夕食の心配をする→しんちゃんが怪物に取り込まれて悲痛に叫ぶ。 
 ギャグを挟むためにやっているのは分かるが、母親として息子を心配する気持ちを感じない行動が多い。そのせいで最後の怪物に取り込まれ悲痛に叫ぶ場面に感情移入が出来ない。

③ヌスットラダマスが世界を転覆したいと言っているのに、非理谷が暴走して池袋に支援を要請→再度日本転覆を企む行動をとる。
 物語終盤。本当に意味が分からなかった。何のためのキャラなのか分からないし、動き方に一貫性が無いから不快しかないキャラクター。

4.ヌスットラダマスの扱い

 『一貫性の無いキャラクター~』でも書いたが、魅力を全く感じないキャラクター。製作者側に①非理谷を暴走させる役目 ②『この国に未来は無い』を最後まで言う役目 を与えられただけの存在にしか感じない。ただの舞台装置でしかない存在であり、そこに生きているキャラクターを感じない悲しき存在のように感じた。その割に憎めないキャラクターとして書こうとしているのが寒いと感じてしまう。

5.映画ラストの『頑張れ』

 ヒロシの説教(激励)からの頑張れは違うのでは?と思ってしまった。ヒロシと充(非理谷)は5歳程度しか年齢は変わらないし、充の苦しい過去をひまわりを通して見ているはずである。それにも関わらず一言『頑張れ』は違和感しか感じない。

しんちゃんという仲間が出来た充がヒロシからの説教を受けとるのは違和感は無いし、きっと前に進み始めると思う。

 制作側の言いたいことをヒロシに言わせているだけな感じがしてします。

最後に

以上で感想は終わりです。
良く言えばメッセージ性が強いと言える映画です。
ですが、僕はこの映画は面白いとは思いませんでした。
あまりにも直接的に感じてしまうメッセージ性が面白く感じない理由です。
この映画に救われた人や好きな人がいると思います。ごめんなさい。



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