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ことばが遅い子の対応法(発語の促し方)

最近、『ことばの遅れ』についてご相談を頂きました。
お子さんが2歳過ぎて、「ママ」、「電車」などの単語がいくつか出ていても増えなかったり、自分から話をしない場合はとても心配ですよね。

以前、『発語を促すには、相手が必要な遊びを選ぶ』、『声かけは質問ではなく状態でいう』という記事を書かせて頂きましたが、今回は私が療育で行っていた内容を加え、もう少し詳しくご紹介したいと思います。

まず、標準的な”ことば”の目安ですが、
*1歳頃⇒一語文(単語)
*2歳頃⇒二語文(りんごたべる)
*3歳頃⇒三語文「パパとこれやる」などです。

例えば、2歳頃に10個の単語に加え、ゴニョゴニョとまるで宇宙語のように聞き取れないことばが出ていても、その後、ことばが出てきます。また、3歳すぎても単語が一切でず、母音の発声のみの場合(例:「あっあっ」「きゃー」など)でも、4歳、5歳になれば、突然ことばが出てきます。

でも、6歳になっても、単語がでずに発声のみの場合は、ことば以外のコミュニケーション手段も考えていった方が良いかもしれません。

また、子どもは、ことばで気持ちを伝えられない間は、物を投げるといった癇癪や、自傷行為が出やすいので対応も大変だと思います。まずは、療育で発語を促すのも良いと思います。

次に、『3歳前後になっても、ことばが遅いのはなぜか?』ですが、
いくつかの背景が考えられます(※いくつ当てはまるか個人差あり)。

【ことばの遅れが考えらえる背景】
①知的な能力の発達がゆっくり
 レベル1:物に名前があることを分かっていない。
 レベル2:物に名前があるのは理解していて2,3の単語はでているが、       聞こえた”ことば”が定着しづらい。
②自閉傾向(自閉症の特性がみられる)がある
 レベル1:耳から聞こえる情報に注意を向けることが苦手なため、周りが      話しかけている”ことば”が定着しにくい。
 レベル2:単語がいくつか出始め、相手の話は理解はしているが、”こと       ば”を使って応答する力が弱い。
 レベル3:ことばが定着してきたが、他者への関心が低かったり、共感を      求めにくいため、自発的に話をすることが少ない。

【発語を促す方法】
①「指差し」がでているか確認する
物に名前があると理解しているか目安になります。指差しが出ていない  場合は、指差しから教えます。
<指さしの教え方>
子どもが手が届かない場所に、好きな物を置きます。子どもが手を伸ば  した時に名前を伝えます。子どもが手を出さない場合は、子どもの手を  とって伸ばします。また、大人が子どもの興味があるものを、指さしし  て伝えるのもOKです。

②子どもの要求場面を増やす
あえて、子どもが目につく、届かない場所に好きなものを置きます。子ど もの要求場面は、ことばが入りやすいです。

③身体を揺さぶったり、くすぐったり声を出す機会を増やす
他者の存在を意識させることで、共感や関係性を築き、伝える気持ちを育 てます。また、これらの運動は触覚を刺激するため、自閉傾向の子どもの こだわりを減らすことにもつながります。

④動作にことばをつけて真似をさせる
子どもを褒める時など、「できた~パチパチパチ~」などと言いながら拍手をします。子どもが真似をしない場合は、初めは子どもの手を取って真似をさせます。動作模倣といって学習の基礎になります。

⑤日常の動作と”ことば”を一緒に言う(※ことばのシャワーを浴びせる)
例)「ママ、冷蔵庫、開ける」、「卵、食べる」など、ゆっくり大きな声で単語で区切って言います。また、単語は統一した言い方をします。例)犬⇒わんわん、わんちゃん、ポチなど色々な呼び方をしない。

⑥日常的な動作に擬音語を入れる
子どもは、ゴロゴロや、チョキチョなどの擬音語が耳に残りやすいです正しい発音や、言い方にこだわらなくてOKです。

⑦一文字言って、真似させる(音声模倣)
子どもに一文字言ってみせて真似をさせます。例)子どもの注意をひき、「あ」といった後、「あ 言って」と音声の真似をさせます。言わない場合は、子どもの名前を使うなど、音声の真似の仕方を教えます。また、一度に沢山の文字はお勧めしません。

⑧単語を教える場合は、具体物を使う
実際に、子どもに単語を教える場合は、絵カードよりも、おもちゃや具体物を使います。机の真ん中に2個並べ、一つずつ手にとって伝えます。例)おもちゃの「コップ」など。また、最初に「〇〇どれ?」と質問し、反応をみるのも良いと思います。

などなど、まだまだお伝えしたいことはあるのですが、次回にしたいと思います。根詰めてやるというより、日常の中で楽しみながら、短い時間で行う(子どもの集中は10分程度)ことがオススメです!




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