見出し画像

枇榔の木

 時間があるうちに、子供向けのコンテンツを何か作りたい。自宅でも子供たちが楽しめるようなものをネット配信で...と散々中身について考えた後、ふと壁にあたる。「子供たち、どうやってちゃんとコンテンツにアクセスするのか」問題。

 以前、大学のオンライン授業の制作をさせていただいたことがあるのだけれど、当時大学生でさえも、視聴環境が整わないことによる問題は多々見受けられた。これが高校生以下となるとさらに、ネット利用やパソコンやスマホといった端末の所持に関して親の意思が反映されるので、幾多の条件をかいくぐって、子供たちまでたどり着かなくてはいけない。

 YouTube視聴に時間を費やす子供たちも多いけれど、環境の問題だけではなく、親の意識の壁が高くはばかる。子供の教育のためにICTを活用するという発想は、地方では定着していない。むしろ、学校から配布されるお便りなどでは、メディアの時間(テレビ・スマホ・ゲームなど)は管理されることが推奨され、それは少ないほうがいいという認識を刷り込まれがちである。ゲームばっかりやってたらよくないよという話と、教育にICTを活用しましょうよという話が多々混同されがちで、当然格差が広がっていく。

 私自身も含めて、親がオフラインで育っているので、オフラインでも生きていけてしまう気がする。でも子供たちは、生まれたときからオンラインの時代の人たちなので、もっと恩恵を受けて育てていいのである。むしろ、ある程度成長したら、ちゃんとスタートラインに立たせてあげないといけないと思う。

 今回の一斉休校や外出自粛で、大人はもちろん、子供たちにとっての情報インフラも必要性は明らか。

 もちろん、早くわいわいと子供たちと集まって工作をしたい。念のため、子供たちには外で五感をフル活用してもらいたいという記事もはっておく。外に出たら自然いっぱいで、公園を走り回って遊べて、家や学校ではをICT活用できるとしたら、もう最高の子育て環境だ。子供たちの世界を、選択肢を、限りなく広げてあげることができる。

 枇榔の木は、古い葉が茶色になってもそう簡単には落ちてこない。いっそのこと、古いの引っこ抜いたら青々としてよさそうと思ったりするけど、そうするとスカスカな木になってかっこわるいだろうか。強風が吹けば茶色の葉は風除けとなり、青い葉が伸び切るころには地に落ちる。年中新旧居り交ぜて、立派に繁っている。

画像1

 

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?