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「相棒」右京さんと紅茶

こんにちは、wakoです。

本日は、紅茶のお話をしていこうと思います。
最後まで読むと、「あなた、真の紅茶好きね!」と
思ってもらえるはずです。

そして、そして、記事の最後には、
ある事実を解明してしまいたいと思います。
お楽しみに!!


紅茶ができるまで

①摘む(摘採)
紅茶の生葉は機械で一気に刈り取るのではなく、多くが手摘みで行われます。
緑茶と同様、新芽を一芯二葉もしくは一芯三葉で摘み取ります。

②萎れさせる(萎凋)
摘んだ茶ばを約一晩(15~20時間)放置させ萎れさせるます。茶葉を動かすことなく静かに放置することで、組織を壊さず、水分の30~40%を蒸発させます。この時点でフルーティーな香りが漂います。
水分が蒸発し、茶葉の温度が上がることにより起きる化学変化が、香りの要となります。

③揉む(揉捻)
a:オーソドックス製法
ぐるぐる回る機械の中で、蓋によって圧迫しながら揉む

b:CTC製法
ぐるぐる回る機械の中で、茶葉をカッティングしながら丸めて揉む

c:ローターバン製法
機械で茶葉を圧縮しながら細かくしていく

茶葉をほぐして空気に触れさせ、一度温度を下げ再び揉むことを繰り返します。所要時間は45~90分、揉むことによって茶葉は形が崩れ、酸化によって酸化酵素が活性化し、紅茶らしい香りや色の変化が起こります。

④ほぐす・ふるい分け
かたまりの茶葉をほぐし、機械でふるい分けます。

⑤発酵
室温26℃ほど、湿度90%ほどの醗酵室に茶葉を広げ、1~3時間放置します。
茶葉はさらに赤銅色に変化し、紅茶らしい香りが経ち始めます。

⑥乾燥
40~60分ほど乾燥室に入れて高温熱風で乾燥させます。
ここで発酵に加えて、アミノカルボニル反応やストレッカー分解などの化学変化が起きることでもまた、香り高いお茶になります。


アールグレイ

「好きな紅茶は何ですか?」

と聞かれたとき、あなたは何と答えますか?

「アールグレイ」

などと答えてしまっては、本物の紅茶好きに怒られてしまいそうです。

本来の紅茶の話をしましょう。

紅茶の味を決めているのは主にカテキンです。
緑茶のようなうま味はなく、カテキン由来のさわやかなパンチのあるものが良いとされています。
紅茶によってはポリフェノールが緑茶の1.5~2倍含まれているものもあり、ワインのように重厚な味わいを感じられるでしょう。

発酵の過程でカテキンがポリフェノールに変化し10~20%含まれることで、
渋みの紅茶となるのです。

しかし最近では、私たちが紅茶と認識して飲んでいる多くが、
"フレーバーティー"であったりします。

実は、アールグレイもその一つです。
ベルガモットなどの柑橘系の香りが後付けされたもので、
発酵により自然生成された香りではないのです。

もし、あなたが真の紅茶好きとなるのであれば、
好きな紅茶を聞かれたら
「アールグレイ」
とは答えられなくなるかもしれませんね。

(私はもう答えられません。笑)


「相棒」右京さんの話

TVドラマ「相棒」に出てくる右京さんの紅茶パフォーマンスをご存じでしょうか。
私は相棒好きとして、何十回も見ています。

腰の高さにティーカップを持ち、頭の上からお茶を注ぐ

あの動作、おいしい紅茶が出来上がりそうな雰囲気はありますが、
味や香りにはまったく無意味だそうです。

紅茶の美味しい淹れ方として、
茶葉の量を正確に量って熱湯で淹れ、ポットを使って蒸らすことが、
基本とされています。

ポイントは、大きな気泡がブクブク上がるまでしっかり煮立たせた熱湯を使い、ポット内で対流させることです。
これを"ジャンピング"と言います。

熱湯の温度が下がることにより、熱いお湯はポット上部へ上がり、低下した湯は底へ沈みます。これにより引き起こる対流が"ジャンピング"です。

ポットからカップに注ぐ時、温度変化による対流は起きません。
したがって、高い位置から注ぐことは無意味なのです。

かと言って、マイナスになることもなさそうなので、
私もお店を開いたら、限界にチャレンジする方を仲間に迎え入れてみようかと思います。


おわりに

「相棒」ファンとして書いておきます。
右京さんが高い位置から紅茶を注いでいるのは、
水谷豊さんが遊び心でチャレンジした結果、採用されただけです。

はい。

本記事参考文献
お茶の化学「色・香り・味」を生み出す茶葉のひみつ_大森正司

株式会社講談社



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