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ビジネスパートナーを本気で叱る

さて本日は宮崎県から。僕には大切にしたいものがあると以前にnoteで書きましたが、大切にしたいものはいくつもあって…その二つ目がこの宮崎県にあります。

10年ほど前に当社が倒産の危機に陥った時に宮崎から救いの手を差し伸べてくれた農家の方たちです。当時、倒産の噂も業界内に流れ、社内でも非常に暗いどんよりした空気が漂い、そんな中、みんなを「大丈夫」と鼓舞しながら何か策はないかと営業のみんなも一緒に飛び回り情報を集め走り回っていたのが懐かしく感じます。

人はピンチになると思考が停止したり、中には落ち込んで前に進めなくなる人もいたりしますが、僕は全く逆でピンチの時には行動すればするほど事態は好転していくという信念を持っています。確かにピンチだったんでしょう、でも走り回ってると、それが誰かの耳に入り、人伝に新たな出会いの種になるんです。

10年前に偶然出会った農家の方たちも、実はそんな出会いでした。九州を福岡から鹿児島まで何か策はないか?と走り回っていたのが、その方達の耳に入り、農家の方から社長と直接お話をしたい、とご連絡をいただけたんです。もし、僕があの時、諦めて行動することをしていなければ、そんな連絡も無かったのでしょう。必死に行動して前に進んだからこそ、誰か心優しい方が助けを求めてるよ?と、その農家の皆さんにお話をされたのだと思います。不憫に思ったのかもしれません。利他の思いだったのかもしれません。ただ、どんな思いにしろ行動が想いを実現した瞬間だったと今でも確信しています。

そんな皆さんとの関係は10年経った今でも大切にしており、更に少しずつ当社を支援してあげよう、という輪も広がり、農家の方がちらほらと増えつつあります。最初の農家の方が中心となり、皆さんを説得して仲間にしてくださいました。10年掛けて積み上げた関係は少しずつ大きな輪になっていきました。

実は本日、その新たに加わった農家の方々の納入価格を上げてほしい、と最初に助けてくださった農家の方から相談がありました。率で言うと約17%です。僕は二つ返事で「大丈夫ですよ、是非、納入価格を上げてくださいね!」と答えました。先方は少し驚いておられました…二つ返事だったので。しかし、その後に仰った言葉が「みんな、儲からないと辞めますので…」との言葉…

僕はすぐに次のようなことをお話ししました。

「ちょっと待ってください。儲かる、儲からないではないんです。確かに事業を継続していく中で、発展成長していくためには利益は必要です。それは事業を通じて、世の中のために貢献しなくてはならない責務を企業は背負っているからです。更にいうと、その事業に関わる人々、全員が幸せにならなくてはならないからです。正しく事業と向き合うことで、公明正大な利益を得るのは事業活動の対価として正しいことです、儲かる儲からないという話でされるのであれば値上げはお受けできません。理を求めるに道あり。つまり利益を得るのは良いが正しい理念や想いが必要なのだということです。ただ単に儲けたいという私欲のためであるならば私はお受けできません。

偉そうなことを申し上げますが、一度、農家の皆さんを集めてください。皆さんがされている事業は、人々の健康に役立つ立派な事業をされているんです、その事業の対価として利益は正当な報酬なのです。儲かる、儲からないではなく、そうした意義のある事業に関わっている、ということを全員に一度、きちんと説明する時間をください、間違った認識をされると困ります。そして自分たちがする事業に対してもっと高い次元で話をしていただき仕事に誇りを持って欲しいです。なので一度、集めて話をする機会を作ってください。」とお願いしました。

最後には稲盛和夫さんの書籍を出して、この本をお読みになったことはありますか?一度、お読みください、仕事とは何か?働くとは何か?利益とは何か?全てのことが書かれています。ここに書かれているのは事業の原理原則です。と熱弁してしまいました💦先方も少し戸惑っておられました。

どんな事業を行うにしても大義が必要です。
僕の座右の銘は「大志正道」です。大きな志を持ち、正しい道を歩む。僕自身が作った言葉です。
大きな志とは、事業に関わる全ての人を幸せにしたい、そして社会に対して貢献したい、というのが大きな志です。それを達成するためには何をしても良いのではありません。正しい道を歩むのです。

最後に「10年前にお会いして、本当に感謝してるんです。だからこそ皆んなで良くならないと意味がないんです。当社に関わる全ての人たちが良くなる、従業員の皆さんも取引先の皆さんも、そしてグループ会社の皆さんも。これからも一緒にしていくつもりしかありません。だからこそ当社の考えをきちんと理解しておいてください!そういう勉強もしていきましょう!そういうことを理解していただいたのであれば値上げはお受けします!」と話をしました。

同行した社員も「社長はいつも勉強せぇ、勉強せぇってみんなに嫌というほど言うんですよ笑でも、それが自分の人生や仕事に役立つと」と笑いながら話してました。それを聞いて「お前も勉強せぇ!」と笑いながら返しました。

大切にしたいものだからこそ、そういう想いも揃えなくてはならないと思います。そういう想いを共有することで、より強いパートナーシップが生まれるのだと思います。誰かパートナーが困った時、すぐに駆けつけられる、九州でも北海道でも。そんな大切なパートナーをこれからも増やしたいと思いました。とりあえず10年間ありがとうございました!

これからも一緒に歩んでくれることを誇りに思います!さて、明日まで宮崎県で仕事!頑張ろう

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