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甲殻類ばんざい!

母宅からの帰り道、いつもの八百屋さんに寄ると見切り品の大根が1本50円!どうして見切り品なのかと思うくらいの品物。干し大根の漬物に凝っているので残っていた3本を喜々として買い占める。
エンヤコラと持ち帰り早速キッチンへ。
下の10センチくらいは大根おろし用に取っておき、縦に4つ割にして干し編みに並べる。皮は千切りにして切り干し大根に。
あとは煮物かおでんにしようかと思ったけれど、作り置きのゆず味噌があるのでふろふき大根にすることに。茹でている間に冷凍庫を覗くと、エビのシッポの塊を発見。夫のお土産のお寿司に入っていた
車エビのシッポ。貧乏くさくてスイマセンて感じだけれど、いつか出汁を取ろうと溜めてあったものだ。
赤い塊が、そろそろ出番じゃない?と、シッポを振ってこちらを見ている。うん、出番かも。
フライパンで乾煎りしておゆにドボン。

大きい甘エビの殻も乾煎りして冷凍してあったので一緒にドボン。

日本酒を少し入れてアクを取りながらコトコト。甲殻類特有の、海を纏った甘い香りが立ち上がる。
小さい鍋に取り分けて、カニカマを入れてお塩を少々。ちょこっと味見。
う~ん。いいんじゃないの~。
甲殻類ばんざい!って感じ。
片栗粉でとろみをつけて、食べやすくカットした茹で大根にかけて、あんかけ大根の出来上がり。

ひと口食べた夫が「おっ」と眉をあげる。
「エビだ!」
大根もホロリと柔らかくてホッペが落ちそう。
50円の大根とエビのシッポで幸せ気分。
残りのスープは明日、溶き卵を回し入れておじやにしよう。
「出番だよ~」と囁いてくれたシッポに感謝。
ふふ。

昨年の夏のあまりの暑さに瀕死状態だったカネのなる木に花が咲いた。

凄いなぁと、その生命力に感心していたら、蕾はつけども開花に至らなかった胡蝶蘭も咲き始めた。
春の妖精が魔法をかけてくれたのかな。

笑っているような花にまた幸せ気分。ふふ。

難病と子宮頸癌の術後の定期検査の結果も、とりあえず心配無しとのこと。小さな幸せが積み重なる。ふふ。

そこへ90歳になる母から電話。
「あんたに電話したいんだけど、かけかたがわからなくなっちゃって」
ん?んんんんん?
「どうやってかけるんだっけ?」
「いや、かかってきてるよ」
「え?あんたからかけてきたんじゃないの?」
「お母さんからかかってきたよ」
「えー、おかしいねえ。ま、いいや。じゃね」
ん?んんんんん?
用事はなんだったんや。
おかあさ~ん。
ま、いいか。
ふふ。

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