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なめてたらハンガーノックくらった話

そんな重篤なとこまでいかない軽度だけど。

ハンガーノックは、激しく長時間に渡るスポーツの最中、極度の低血糖状態に陥ること。自動車に例えるならば走行中のガス欠(燃料切れ)であり、肉体がエネルギーを失った状態を意味する。
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やはり振り返ってもなめてたな。
目的地は高尾山の山頂でもなく薬王院(山頂とたいして変わらないが)。6号路入って琵琶滝横から合流の急峻抜けて1号路で薬王院のコース設定。上りはたかだか1時間くらいだ。
何度か通ったことあるコースで感覚は掴めている。

徹夜でパソコンにかぶりつき、朝食もとらずにそのまま電車に飛び乗る。高尾山口駅でおにぎりひとつ補給。いざ山行。

軽快にスタートを切る。体調にも不安はない。
6号路を進み琵琶滝から1号路への合流路に入る。そこそこ急な路ではある。
半分も行かないくらいでまず足が止まる。

こんな大変な路だったか…

そこから傾れ落ちるかのように、足が止まる間隔が短くなっていく。
ここで補給に気がついていればよかったかもしれない。先を急ぐ気ばかりで、補給のことには一切気が回らず
知ってる路ってことで「なめてた」部分も多分にある。もうちょっとだしと。そのもうちょっとがなぜ進めないかには考えが及ばなかった。

10メートル歩いては一息。立ちくらみのように視界が狭まり、とにかく腰をおろしたい。沿道に座れるところがあれば腰を下ろし、立ち上がってはまた立ちくらみ。
こんな体調だったら下山を考えるべき状態だったかもしれない。初見や他の山だったらその考えも浮かんだかもしれない。先がわかってるだけに、もうちょっとだしという考えが先行する。
そんな状況判断もできない、上る休む上る休むを繰り返す単純なルーチンしかこなせない脳になってた。
ゾンビ状態でただ進む死の行軍。
もうちょっとで登り切るから、もうちょっとだからと立ち止まってはGPSで地図を見る。

やっと気づいたのは、もう合流地点が視界に入ってきてから。
これ燃料切れじゃないのか?と。
それまで先に進むことだけに囚われていた考えが緩んだのか、突然に思い至った。

この後から考えてみりゃすぐわかるだろってのが、なかなかわからない。
こんな短い時間で燃料切れを起こしてるなど全く考えもしなかった。
脳に栄養いってないんだから、判断力も鈍っているのかもしれない。

御守り携行食で持っている「かし原の羊かん」をひとつ。飲み込んで1分もしないうちに視界が開けていく。

ああこれはハンガーノックだったんだ…

その後は持ってた羊かん全補給、茶屋で団子補給。無事に薬王院に辿り着いた。
いやはや1時間くらいの軽々登山でもなる時はなるものだ。
どんな山行でも2時間くらい前にはある程度まとまった補給しとかないとだめだな。
いい経験させてもらったということにしておこう。
これが他の山じゃなく、高尾山でよかったわ(←なめてる)

軽登山だろうとなんだろうとなめてたらハンガーノックくらいますよという話。


今回補給を助けてもらった羊かんの話はこちら

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