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あなたの書いた小説が、新人賞にかすりもしない理由。

 ポルノ小説は、悲惨なだけでは売れないと昨日のエントリで書いたら、ツイッターのフォロワーさんから、「エロゲには悲惨なだけのお話もあって、実用性が高い」と指摘を頂きました。

 似たようなことは、たまに言われます。
 添削をして、「商業向きではないですね。同人誌かノクターンで書きましょう」とアドバイスすると、「AVではこういう話がたくさんある」と反論を頂きます。(ノクターンというのは、エロ小説をアップすることのできる投稿サイトです)。

 エロゲとAV、ポルノ小説は、それぞれ採算販売ラインが違うんです。
 どんな商品であっても採算のとれる販売数があって、エロゲやAVは、採算数のラインが低めです。

 フルプライスのエロゲは、一万円近くします。高いような気がしますが、ゲームにはたくさんの人がかかわり、制作費が高くつくので、当然の値段設定なんです。

 AVは数千円程度ですが、制作にかかわる人を絞って短時間で作っているため、制作費が安めです。

 ポルノ小説文庫は千円でおつりが来ますが、制作費はAVよりも高いです。作家の印税だけではなく、紙代と印刷費、デザイナー(装丁画家)さん、イラストレーターさん、校正者(誤字チェックをする専門家)、編集者の給料、流通会社(印刷所から書店まで本を運んで流通させる)の取り分、書店さんの取り分が必要です。

 ポルノ小説文庫は、採算販売数ラインがエロゲよりもAVよりも高くなります。
 そのため、大多数に刺さる話、大多数の男性読者がエロいと思う話が出版されます。

 フランス書院美少女文庫の新人王で、一回の募集で300作が集まるが、そのうちものになるのは3作あればいいほうだと編集者から聞きました。
 残り297作の中には、小説としてはよくまとまっているけど、大多数に刺さる話ではないから(男性読者のツボを外しているから)、という理由で落選しているものも多いのではないでしょうか。

 別のフォロワーさんから、「売春する小太りの陰気で不細工な38歳の女性も、たんなる同級生の女子生徒も、書きようによってはおもしろくなのではないか」、とご指摘を受けました。

 おっしゃる通りですが、「売春する小太りの陰気で不細工な38歳の女性」を魅力的に書くのは、とても難しいです。心根の良さ、優しさや思いやりを書くしかないのですが、それをすると純文学になってしまって、ポルノ小説でなくなると思います。

 たんなる同級生の女の子も、かわいく書けば大丈夫ですが、男性は「十人並みの容姿をしている同級生の女の子」より「かわいらしい同級生の女の子」のほうが魅力的に映るのではないでしょうか。

 ポルノ小説を読む男性読者は、つまらない現実に飽き飽きしていらっしゃいます。男性の夢の世界を描いて、読者さんをもてなしてあげてください。
 
 男性がポルノを書くとき、自分のために、自分の好みを書く人が多い。アマチュアであればそれでかまいません。ノクターンにアップしたら、誰かに読んで貰えます。アクセス数が多ければ書籍化されることもあるでしょう。

 ですが、受賞したい、売りたい、お金を儲けたいと思うなら、読者さんの好きなものを考えて、読者さんの好みを書くようになってはじめて、プロへの道が開けるのだと私は思います。

  noteで書いたポルノ小説の書き方を電子書籍にしました。noteより突っ込んだ内容になっています。キンドルアンリミティッドなら無料で読むことができますよ。
(私はAmazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。)

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