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【小説】

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僕の姉ちゃんが死んだ。 じいちゃんと僕、そして姉ちゃんとの笑って泣いた愛しい時間。 だけど、きっと僕はここに立ち止まってもいられないだろう。 祖父を介護してたときに書いた物語。…
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2018年1月の記事一覧

小説「姉ちゃんと僕と、僕らのじいちゃん」4

小説「姉ちゃんと僕と、僕らのじいちゃん」4

姉ちゃんの肉体が煙となり、灰となり、骨だけになって、僕は絶句する。荼毘に付された姉ちゃんの骨を拾うのは、僕とじいちゃんだけだった。僕は長い箸を握ったまま動けなかった。じいちゃんは僕の背を押し。僕は促されるように姉ちゃんの真っ白い骨を陶器製の壺に入れる。手が震えてうまくできない。

 最初に病名を言い渡されて開腹手術をしなければ命が危ないと言われた時、姉ちゃんはいやだと言った。切るのはいやだと僕にし

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小説「姉ちゃんと僕と、僕らのじいちゃん」5

小説「姉ちゃんと僕と、僕らのじいちゃん」5

「火葬場って、夏は熱いよね」 

 ユカが言った。「あたしも経験したよ。九州のおばあちゃんのとき。骨から湯気が立ってすごい熱気。熱くて近づけなかった」

 僕とユカは公園のベンチに腰かけて、蝉の鳴き声を聴いていた。ここは木陰で、汗を冷ます風が通り抜ける。

「結局ゆうやのお姉ちゃんには一度も会えなかったね。一度くらい会ってみたかったけど。ゆうやはしょっちゅうお姉ちゃんのこと、話してたもんね。きれい

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小説「姉ちゃんと僕と、僕らのじいちゃん」6

小説「姉ちゃんと僕と、僕らのじいちゃん」6

【前回までのあらすじ】両親が死んでから、姉ちゃんと僕はじいちゃんと暮らすことになった。姉ちゃんは料理を覚えて懐かしい母さんの味の料理を作ってくれた。そんな姉ちゃんの病気が発覚、死んでしまう。姉ちゃんの闘病と、そして僕の「いま」が交差する物語。

 手術の三日後に、姉ちゃんは人工呼吸器を取り外すことができた。

 口の中へ繋いだ管がなくなっただけで姉ちゃんを取り巻く悲壮感みたいなものはずいぶんと和ら

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小説「姉ちゃんと僕と、僕らのじいちゃん」7

小説「姉ちゃんと僕と、僕らのじいちゃん」7

【あらすじ】両親が死んでから、姉ちゃんと僕はじいちゃんと暮らすことになった。姉ちゃんは料理を覚えて懐かしい母さんの味の料理を作ってくれた。そんな姉ちゃんの病気が発覚、死んでしまう。姉ちゃんの闘病と、そして僕の「夏のいま」が交差する物語――

 夏休みが終わり、それでも蝉の声は小さくならない。僕は汗を流しながら高校までの山の坂を上っていく。休み明け、久しぶりに会う友人たちと声を交わし、空を見上げ、ま

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小説「姉ちゃんと僕と、僕らのじいちゃん」 8

小説「姉ちゃんと僕と、僕らのじいちゃん」 8

【あらすじ】両親が死んでから、姉ちゃんと僕はじいちゃんと暮らすことになった。姉ちゃんは料理を覚えて懐かしい母さんの味の料理を作ってくれた。そんな姉ちゃんの病気が発覚、死んでしまう。姉ちゃんの闘病と、そして僕の「夏のいま」が交差する物語――ゆうやとじいちゃんの会話、続いています。

「じいちゃん、ほんとに一人になっても大丈夫か?」

「なに言うか。大丈夫じゃ」

「一人で飯食える?」

「当たり前じ

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