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テクノロジーは地域チームのポテンシャルを解放する。

先日企画開催した「地域・学生スポーツの未来を考える」カンファレンス、当日終了後に考えたことです。


チーム運営の人数不足と専門的な人材不足


一口に地域スポーツ・学生スポーツと言っても、様々な課題がある。
https://twitter.com/mac1031/status/1498994946103443458

地域・学生スポーツの領域の課題のひとつが、慢性的な人手不足。もう少し深ぼると、業務量に対する人数不足と専門的な人材不足の2点。

チーム強化(競技力向上)とは全く別軸で、チームの運営には多種多様な業務がある。グラウンド・備品管理、グッズ管理、資金繰り、ファンコミュニケーション、顧客管理、試合運営、SNS運用や広報…etc。

書き出しているだけで、目がくらみそうな業務量。プロチームでも地域チームでも、チーム運営に関わる業務は大きくは変わらない。これを数人のスタッフでこなしているという話も聞く。

書き出すだけでも目がくらみそうになる多種多様な業務を、地域チームは少ない人数でこなさなければならないし、各業務で専門的なスキルを持つ人を雇う資金的余裕もない。とにかく人手不足・資金不足で業務量過多。

テクノロジーでチーム運営を楽にする

今回のカンファレンスのテーマが「チームの成長につながるテクノロジー活用」。

テクノロジーを活用して多種多様なチーム運営業務を少しでも楽にすることが、地域チームのこれからをつくるファーストステップではないか。

今回僕の中で改めて深まった仮説。

平たく言えば、テクノロジーで業務効率化。まずはここから。無駄を省き、こなすべき業務量を減らすことで、本当に注力すべき業務に注力できるようになること。

「テクノロジーの活用」と聞くと、メタバースやブロックチェーンなどのトレンドワードや、プロチームや代表チームの派手な施策を連想しがちだが、そっくりそのまま地域チームが取り組めるわけではない。

地域チームの大きな課題であるマネタイズも、そもそも十分な力を注ぎ込めるほどの余裕がないのではないか。

テクノロジーを活用して「新しい何か」を始めるより、足元の「既存業務」を楽にすることの方が優先度が高いのではないか。

日常業務から少しでも解放されることで、マネタイズや地域活動など、より「そのチームらしさ」を追求することにより注力できると思う。


プロとは違う地域チームらしいやり方でアプローチする

スポーツは地域が持つ課題解決に貢献できる。そのことは多くの人がわかっていることだけど、じゃあ地域チームが取り組むべき地域課題とは?プロチームとの違いとはなんなのか。

地域チームはどのように地域に根ざしていくのが良いか、少しだけ今の考えを書き残しておく。

プロチームとて、その地域のすべての課題にアプローチすることはできないし、どうしても着手しきれない規模感の地域活動だってある。地域課題は無数にあり、地域活動もまた無数にあるのだ。

プロチームが解決できない地域課題にアプローチすること、それは地域チームだからできることだ。

ここでも、必ずしも地域チーム自身が何か新しい活動を起こす必要はなく、既に存在してる地域活動をサポートする形でいい。

スポーツには、人をエンパワーする力があり(僕はプロサッカー選手にポジティブなエネルギーをもらっている)、地域チームはすでに存在している地域活動をより成長させることができると思う。

ただ、チームの特徴や状況着手できる課題・活動は違うから、自分たちが着手すべき地域課題を見極めることも大事になってくる

カンファレンス登壇者が「今日みなさんと話して、自分の地域の魅力や特徴・課題の解像度をもっと上げたくなった」と感想を話されていたのは、まさにそのとおりだなと。

地域におけるスポーツチームの意義


ookamiでの仕事以外で、地域に関わる取り組みをしていて感じていることがある。何か地域活動や施策に取り組む際は、どうしても短期的な成果を見てしまいがちになるということ。(特に外側から眺めていると勝手に短期目線で評価してしまう)

短期的に関わることになると、プロモーション動画や写真を撮りたくなるスポット、若い人が集まり話題になる施設を作るなど、「すぐに」「わかりやすい」ことをしてしまう。

書いてしまえば当たり前なんだけど、地域課題は人々の暮らしに直結するものであり、一朝一夕でどうになかるものではない。短期的なわかりやすい施策も、中長期的にどのような位置づけで取り組むのがわかっていないとやっておしまいになってしまう。

その点、地域チームは、その地域に永く居続ける存在だ。

誰よりもその地域のことは詳しくなり、地域課題の解決に中長期的に取り組んでいくことができる。そしてスポーツ特有のエンパワーメントもある。

地域に根ざすチームは地域課題を解決するポテンシャルを他の誰よりも秘めている。そしてテクノロジーは地域チームのポテンシャルを解放できる。

こちらも今回深まった僕の仮説です。


追記

私見ですが、節目となった東京オリンピック以降の日本スポーツは、地元スポーツチームが担うんじゃないかと思っています。(地域スポーツ・学生スポーツetc...)

スポーツに限らず人々の興味が多角化して、たとえば音楽でも大ヒットは生まれにくくなっている、メディアもマスからSNSの力が強くなり、サービスの構造も分散化の流れに。

スポーツも同様で、オリンピックのような大きなイベントが終わり、今後は人それぞれ、地域それぞれの楽しみ方や関わり方がもっとできてくる。

というか長い目で「社会のためのスポーツ」と考えると、大きなイベントやムーブメントも必要だけどそれ以上に持続可能な小さなアプローチがマスト。その中心がスポーツチーム。プロができること、地元チームができること、それぞれあると思うし、チーム同士が独立して取り組まずカテゴリや競技の枠を越えて連携していくことが大切なんだろうなと。

「スポーツ×地域」は引き続き僕のテーマになりそう。です。

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若月 翼
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