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季節はずれのサマーウォーズ。

1週間ばかり休暇をとっている。

ふだんならMTGだらけの一日も、今日はゆったりだ。同じ自宅なのに「予定」がないだけで、別の空間のように思えるのは不思議だ。

いい陽の光が入ってくる。

先週と違って暖か。気温は10度くらいだけど、包み込まれるような穏やかな日差し。日に当たっていれば寒くもなく、窓を開けて外の風を感じることもできる。

我流で淹れた珈琲を飲みながら本を読んでいる。外を歩く子どもの声や葉っぱが擦れる音が耳に入ってくる。部屋に入る風はまだ少し冷たい。

頭の中に流れるBGMは、なぜか山下達郎の「僕らの夏の夢」だ。


サマーウォーズの主題歌で、夏が終わっていくような印象を持つ曲。楽しい時間が終わりに向かっているんだけど、良い日々を過ごすことができたなという、満たされた儚さを感じるメロディ。

そんな夏休み特有の感覚を持つ曲が、春30%冬70%の2月になぜか頭の中に流れている。

休暇が終わることへの寂しさや残念さはまったくない。読んでいる本はどちらかというとビジネス書で、小説の山場を迎えて気持ちが昂っていたわけでもない。

何か問題ごとを解決したわけでもないし、ランナーズハイのような高揚感やゴールに辿り着いた達成感があるわけでもない。

朝からやったことといえば、知人に連絡を入れる、外を20分ほど散歩する、カフェに立ち寄って20分ほど本を読む、昨晩作ったスパイスカレーを温めて妻と食べる。


いたって穏やかで、波のない日だ。


「いい陽の光だなぁー!」と、部屋の写真を撮る妻の姿を眺めている。

これから夕方へ、そして夜へと向かっていく。もう15時、まだ15時。

朝起きてから始まった僕の一日が、終わりへと向かっていく。一日を一日として感じられているのは、なんだか久しぶりのことのような気がする。

差し込む光が、段々と西日のそれになってきた。ここから少し冷え込みそうだ。


***

休みの日こそ有意義に過ごそう。そう思ってここまで来た。

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