改善できない営業組織は そもそも記録ができていない? ~Buff のむらさんにインタビュー~
twitterでフォローしていた株式会社Buffののむらさん(@y_nomu3)にお話を伺う機会を先日いただきました。その際の内容を本noteに書きます。
のむらさんは新卒でキーエンスに入社され営業として活動、その後フリーランス、SanSanを経て現在はBuffでコンサルティング事業の責任者・新規プロダクトの開発にも携わっています。
私は今年度から営業部門でマネージャーの1人として活動していますが、チームの成績の最大化など個人の成績達成を目標としていた時と異なる役割に手探りの部分も多くあります。
Buffさんは営業組織作りのプロとして、売れ続ける営業組織作りをサポートされているので、他の営業組織がどのような課題を抱えているかなど、ぜひお話を伺いたいと思いました。
Zoomで質問にご回答いただく形式でお話を聴きました。
のむらさんにはご快諾いただき大変感謝しております。。!
・営業活動の記録ができておらず改善につなげられない組織は多い
Q:顧問先の営業組織はどういう課題を持っていることが多いでしょうか?
A:共通して感じることが多いのは3つです。
1つ目は営業の記録自体ができてないこと。SFAを入れていても塩漬けになっていたり、そもそもツールがないケースもあります。
また記録していても取りあえず入力しているけどその先の活用が決まってないケースも多いですね。
2つ目はそこにつながりますが、大元の記録がないので可視化ができず改善につながらないという悩み。組織としてもマネージャーが見るデータがなく属人的になってしまいます。
3つ目は若手の育成に悩まれているところも多いです。手法が確立されていなかったり、ロープレをやるにしてもチェックポイントやKPIの設定が決まっておらず手探りで実施していたりします。
KPIに関しては若手の育成に限らず、基本的な案件数やアポ数などは起きつつ、会社独自のKPIも置けるのであれば置いていった方がいいです。
例えばキーエンスであれば決裁者と現場担当者が同席するアポ数やセンサー機器がおかれる現場を見にいった数なども独自のKPIとして置いていました。
Buffが支援する営業組織の場合には売上の高い営業マンへのヒアリングや同行を実施して、いつもコレを聞いてるな。といったところから設定すべきKPIを導き出すこともあります。
・営業組織の分業制に明確な良し悪しはなく、商材の特徴などを踏まえ洗濯していく必要がある
Q:THE MODELのような分業制についてどう考えていますか?
A:絶対にこちらが良い、というのはなく役割にコミットできるのであれはどちらにも良さがあると考えています。
私のキャリアでもキーエンスでは新規既存の分業はありませんでしたし、SanSanでは完全に分業していて、どちらも体感しています。
ただ、分業にすることでデメリットが生まれる可能性でいうと、既存顧客からの売上が大きいビジネスモデルの場合です。
営業マンが顧客との関係性を築いてきたことで売上につながっている、会社のことを理解している人に担当して欲しいという顧客もいるためです。
それ以外では、商材が複雑なものだと、前提条件や販売した時の背景も含め引き継ぎが完璧にしづらいこともあると思います。
また、営業リソースのバランスについても調整は必要です。一方にリソースが余剰になってしまうと、インサイドセールスが取ってきた商談をフィールドセールスが対応できない・逆にフィールドセールスのリソースがだぶついてしまうことも考えられます。
・営業不要論はすべての営業に当てはまるものではない
Q:最近耳にすることも多い営業不要論についてどう思われますか?
A:一部の商材ではこれまでの営業マンが不要になっていきますが、残るものは残ると考えてます。
導入方法や使い方がシンプルなもの、低単価なものはWebマーケなどフィールドセールスなしで完結するかも。
ソリューション営業や複雑なものは、すぐにWebで完結。というものは少なく、複雑なので依頼したいという側面もあるのでなくならないと思います。
またスタートアップやIT企業はそう言った方向が進みやすいと思いますが、大手や製造業向けの営業については、まだまだ営業職は必要とされると考えています。
・情報キャッチアップは特にtwitterが最近は多い
Q:日々どういったところで情報のキャッチアップをされているか
A:最近はtwitterが多いですね。営業系のアカウント、ビジネス系のアカウントも増えてるのでフォローしています。
あとはFORCUSが主催してるセミナーも組織づくりに関するものが多いので参加したりします。
ベンチャーキャピタルや、スタートアップ界隈の人とのリアルなつながりから情報を得ることも多いです。
Q:仕事をされる上でのバイブル
A:2つあります。
・『戦略を、実行できる組織、実行できない組織』
Buffが営業組織コンサルティングをする上で意識していることがこちらの本にエッセンスとして詰まっています。
この本に出てくる4つの規律のうちのスコアボードをつける、アカウンタビリティを促すというのは私たちが注力してやっていることで強い営業組織を作るには欠かせないことだと考えています。
・『影響力の武器』
キーエンスに入った当時から読んでいて今でもたまに読み返しています。営業として必要なことが書かれていると感じますね。
さいごに
営業組織が抱えている課題や、セールスの分業制についてもコメントをお聞きできて自社の環境とも一致する面があり、大変参考になりました。
お話を聴かせていただいたのむらさんには改めて感謝申し上げます!
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