見出し画像

子どもの見方が変わる!「見取り」の技術

この度、宗實直樹先生と共に『子どもの見方が変わる!「見取り」の技術』(学陽書房)という本を書かせていただきました。4月7日発売です。そこで「はじめに」に書かせていただいたことを紹介します。

以下、「はじめに」です。

・「子どもたちが学ぶ」ってどういうことだろう?
・「よりよい教育」とはどのようなものだろう?
・「教師の役割」って何だろう?

これは、私が日々問い続けていることです。わかるような、わからないようなことを悶々と考え続けることを大切にしています。読者の皆さんも、何かしらの「問い」や問題意識をもって子どもたちと関わっておられるのではないでしょうか。

決して、初任の頃からこのような「問い」を持って考え続けていたわけではありません。過去の私は、下のような「問い」を中心に考え続けていました。

・どのような導入をすればよいだろう?
・どのように説明すればうまく伝わるだろう?
・どんな発問をすれば子どもたちがより考えるだろう?

 とにかく1時間の授業をきちんと成立させることに必死でした。私には、そのための知識や技術が足りませんでした。こうした「問い」をもとに試行錯誤することで、よりよい説明の仕方や発問等の知識や技術を得られるようになりました。

「説明の仕方」「よりよい発問」等の技術を取得していくことは、そこまで難しいものではありません。なぜなら、教師の側の問題が多く含まれているからです。説明のコツを見つけたり、教材研究を確かなものにしたりすることで、「説明の技術」「発問の技術」を高めていくことができました。 

ただ、冒頭にかかげた「問い」を解決するためには、どのような技術をどのように高めていけばよいのかわかりにくいです。最近話題になっている「個別最適な学びと、協働的な学びの実現」という言葉は知っていても、実際にどのようにすればよいのか悩まれている先生も多いのではないでしょうか。

簡単に「子どもたち1人ひとりの学びを受けとめて支えるために、教師は〇〇すればよい」と言えることはありません。それくらい、「子どもたちが学ぶ」ということは複雑なものであり、同時に「教師の役割」も複雑であります。

そこで、本書では「よりよい教育」を実現するために、まず何よりも大事な「子どもたち1人ひとりを知ろうとする」ということに注目しました。教師がきちんと「子どもたちを見取る」からこそ、子どもたち1人ひとりの学びを支えることができます。

今回は、私が尊敬する宗實直樹先生(関西学院大学初等部)と一緒に書かせていただきました。「子どもたち1人ひとりの学びをどのように支えられるか」を追究されている先生の1人です。本書を書くために、互いにあれこれ考えを聴き合う過程で、私自身多くのことを学ぶことができました。すごくおもしろかったです。

そこで分かったことは「『子どもを見取る技術』は簡単に伝えられることではない」ということです。本書では「子どもを見取る技術」としていますが、それは「本書から与えられるもの」ではなく「読者の皆さんがそれぞれに見つけていくもの」です。その過程を支える一冊になっていると思います。

本書を通して、皆さんと一緒に「子どもたちを見取る」ために大切なことや子どもたちの学びを支える教師の在り方等を見つけていくことができればうれしいです。どうぞよろしくお願い致します。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?