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【エッセイ】いつになったら青春コンプレックスは無くなるんだろう

人それぞれ、様々なコンプレックスを持っているはず。自然と克服されるものもあるだろうし、大人になって新たに抱くようになるコンプレックスもあるだろう。
自分自身、自覚してるだけでいくつかコンプレックスはあるが、歳を重ねるごとに、自分が青春コンプレックスであるとひしひしと感じる。
 
自分にとっての青春コンプレックスというのは、学生カップルや制服を着た友だちグループを見た時に、自分が経験することのなかった青春を送っているんだろうなと、勝手に想像して少し落ち込んでしまうことだ。
 
実際は、コンプレックスと言えるほどのものではないかもしれないし、学生時代に何か大きなトラウマがあったというわけでもない。ただ、それでも、自分は青春コンプレックスを抱いてしまう。
 
学生時代、多くはないが友だちはいたし、部活にも入っていた。自分の中ではある程度の事件だと思っていることも、客観的に見たらたいしたことないだろう。人生を振り返った時に、爆発的なものが感じられない。
もし、現時点での自分の半生をドラマ化したとしても、1クールなんて到底持たないだろう。
いわゆる、ありきたりな学生時代だった。これに対して、なんで自分だけ、なんていう風には思わない。こんな人は世の中にごまんといるからだ。
 
そして、自分の学生時代に、もっとも不足していたと思うのは、甘酸っぱさだ。
これは、モテるモテないのレベルではなく、恋愛絡みのことに一切関わってこなかったから感じることだ。
小学校、中学校、高校と、18歳までの学生時代の間に、一度も恋愛をしていない。
モテなかっただけでなく、一度も誰かに告白をしたことすらなかった。だから、失恋すらも経験することなく学生時代を終えてしまった。
 
青春コンプレックスを抱く一番の原因はこれだと思う。
だから、青春時代の甘酸っぱさを補うために、青春ものの作品(主にアニメ)を見てしまう。
実写作品でもいいのだが、俳優陣に対し、リアル学生時代はモテたんだろうな、など余計なことを考えてしまい、集中しにくいので、青春ものの作品はアニメばかり見てしまう。
 
ありがたいことに、毎クール青春アニメは必ずある。だから、新鮮な甘酸っぱさを日々補給することができる。
青春アニメと言っても、ラブコメ、部活もの、不良系、ファンタジー要素のある作品など、ジャンルは様々。
決して恋愛だけでないのが青春アニメのいいところだ。
 
学生時代に甘酸っぱさが足りなかったと思っているが、同じくらい、熱さも足りなかったと思う。
そんな、学生時代の熱さを味わうために、青春アニメを見ているところもある。
 
これまでにいくつの学校の体育祭、文化祭、修学旅行を見てきたかわからない。
青春アニメを見ても、青春コンプレックスは無くならない。
むしろ、見れば見るほど、青春コンプレックスは大きくなっているような気さえしている。
 
ただ、別に青春コンプレックスを克服しようとは思っていない。
もう実際には経験することのできない、架空のノスタルジーに浸るのが好きなのだ。
青春の甘酸っぱさを取り返したいわけじゃない。ただただ、その甘酸っぱさを味わい、溺れたい。
だから、青春コンプレックスというよりは、青春中毒と言った方が正しいのかもしれない。
 
さあ、次はどんな学校の風景を覗き見ることができるんだろう。
次のチャイムが鳴るのが楽しみでしかたない。
 
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