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【エッセイ】悲しい時はハッピーエンドじゃなくてバッドエンドを見てとことん落ち込みたい

仕事や学校をはじめ、日常生活の中で、嫌なことや悲しいこと、辛いこと、切ないことなど、メンタルにダメージを負うことがある。
ダメージの大小にもよるだろうが、やけ食いする人、体を動かして汗を流す人、カラオケで大声を出す人、時が解決してくれるのを待つ人などなど、人それぞれ、自分なりにメンタルを回復させる方法があると思う。
 
そんな、数あるメンタル回復方法の中で、自分に合っていて効果的な方法だと思っているのが、落ち込んでいる時こそ、バッドエンドの映画を見て、とことんまで気持ちを沈み切らせようというものだ。
 
ハートフルでハッピーエンドの作品の方が気持ちが前向きになるだろうと思っていた時期はあるが、心のどこかで嫌なことや悲しいことのことを考えてしまい、作品自体もそんなに楽しめないし、メンタルの回復量もそんなにないし自分には合わなかった。
そんな時、あえて気持ちを沈めるような、テンションが下がる映画を見てみるとどうなるんだろうと思いやりはじめたのがこの方法だ。
 
落ち込んでいる時に見るのは、バッドエンドの作品をはじめとして、胸クソの悪い作品、後味の悪い作品、救いのない作品、残虐なスプラッター作品など、「R-◯◯」が付くような作品ばかり
なので、落ち込んでいる時は、人から見たら心配されるような作品ばかりをサブスクからオススメされてしまう。
 
なぜ、落ち込んでいる時に、さらに気持ちが滅入るような作品を見ることが、メンタルの回復につながるのかというと、メンタルというのは決して底なし沼ではないと考えているからだ。
気持ちは永遠に沈み続けるものではないはずだ。いつか必ず落ち込む気持ちもそこに着く。
 
だからこそ、中途半端に落ち込むよりも、とことんまで深く沈めてやると、心の中で“コツン”と気持ちの底につく瞬間があると思っている。
気持ちが底についた時、メンタルがフラットになり、あとは上昇するだけという精神状態になっているので、この方法が現時点で一番のセルフメンタルケアの方法なのである。
 
もちろん、悲しいことや嫌なことのレベルによって、その時の気持ちの沼の深さは変わる。1本見ただけではただ落ち込みが増すだけのこともあるが、2本3本と数を見ていくうちに、気持ちが回復していくことがある。
 
この方法がメンタルを回復させてくれる理由として、映画鑑賞中の約2時間、作品の世界に入り込めるので、現実逃避の側面もあると思う。
それに、今まで意識したことはないが、作中でひどいことをされたり、絶望したりする登場人物を見ることで、心のどこかで自分はまだ恵まれているという、邪な思いも抱いているのかもしれない。
 
このように、様々な理由、要因から、現時点での自分的メンタル回復の最善方法だが、決して人にはオススメできない。
このやり方は、ある種、心の自称行為とも言える。回復しなかったら、自分から余計にメンタルを傷つけてしまうだけになってしまう。だから、もしやる時は、見る作品はよく注意して選んだ方がいい。
 
もちろん、嫌なことや悲しいことが起きないことに越したことはないが、世の中そんなに甘いはずがない。
これからも、落ち込んだ時は、ポジティブに自分から気持ちを底まで沈める日が来ることになりそうだ。
 
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