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【エッセイ】いい映画に出会えた日は歩いて帰りたくなる

映画を見終わった時に大事にしたいことに、余韻というのがある。
映画を見ながら飲むお酒もいいが、見た映画の余韻に浸りながら飲むお酒も美味しいものだ。
 
誰かと一緒に映画館に行った時は、見終わった後に、カフェやご飯屋さんで感想を言い合うのも楽しい。
ただ、真逆の意見を持っている場合もあるので、多少の危険性もはらんでいる。その分、同じ感想の時は大いに盛り上がる、
その点、一人映画だと誰かに気を遣わなくていいし、鑑賞後、ただただ余韻に浸れる。
いい映画であればあるほど、余韻に浸る時間も長くなる。
そして、いい映画に出会えた日は、決まって、歩いて帰りたくなる。
 
必ずしもそうするわけではないが、実際に歩いて帰ることもある。
自分にとって好きな映画、いい映画であればあるほど、歩く距離も長くなる。普段通らない道や、寄り道をしたくなってしまうのだ。
 
なぜ歩いて帰りたくなるのか、それは、電車だと同じ空間内に他者がいるので、余韻に浸る際に気になってしまう。
歩いていても、周囲に人はいるが、同じ空間にいるとは思わないので、より自分の世界に入れる気がする。
だから、映画の余韻に浸りたい時は歩いて帰りたくなり、外風を浴びながら、束の間の自分の世界に酔いしれたくなるのだ。
 
いい映画を見たら、長い時間をかけて歩いて帰りたくなるが、自分には合わない映画を見た時は、反対にすぐに帰りたくなる。
そういう時はすぐに電車に乗りたいし、なんなら車で帰りたい。もっと言うなら、どこでもドアがあったら、瞬間移動が使えたらなとさえ思ってしまう。
 
歩いて帰っていても、疲れたら途中で駅に入るし、次に予定があれば、歩いている余裕なんかはない。
ただ、歩いて帰りたくなるかどうか、その気持ちが自分にとっては大切なのだ。
この衝動に近い気持ちは、見た映画への感謝であり、賛辞なのである。
スタンディングオベーションならぬ、ウォーキングオベーションだと個人的に思っている。
 
それに、いい映画に出会えた日は、もしかしたら、心の中のどこかで、知らない道やお店など、新しい場所との出会いも求めているのかもしれない。
 
それぐらい、いい映画に出会えるのは素晴らしいことで、テンションが上がるし、ポジティブマインドにしてくれる。
 
今年はどんな映画との出会いがあるのか、どんな帰り道の景色を見ながら歩くことができるのか、とても楽しみだ。
 
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