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【エッセイ】例えそこがピークだとしても、映画館で見る予告編には気持ちが昂る

映画館で流れる予告編映像。これが楽しみな人、長いと感じる人、予告のおかげで上映には間に合ったことがある人などなど、捉え方は人それぞれだろう。
 
個人的には、予告編を見るのは好きだ。なんなら、映画館に行く楽しみの一つでもある。
 
予告編が好きな理由はいくつかある。
一つ目は、とても面白そうに見えるからだ。
作品を見に来させるための、良いシーンを集めた映像なんだから、そらそうだろと思われるかもしれないが、大スクリーンで見る予告編の映像には、心が躍り、気持ちが昂ってしまう。
 
予告編を見て面白そうだと思い、実際にその映画観た時に、期待通り、もしくは、期待以上に面白いと、自分の見る目の答え合わせができたような気がして、なんだか嬉しくなり、その作品のことがより好きになってしまう。
 
当然、反対に、予告編は面白そうだったのに、いざ観てみると、自分の思っていたものではなかったり、趣味に合わなかったりすることもある。
学生時代や若い時は、がっかりしたり、裏切られたりしたような気持ちになったことはある。
自分で期待して、勝手に裏切られた気持ちになるなんて、勝手な話である。そう思うと、若干映画メンヘラ的な資質を持っているのかもしれない。
 
今でも、予告編で興味を持ったのに、いざ観ると、いまいちハマらなかった時は残念な気分にはなる。
でもそれは、予告編の上手さであり、自分の見極める目のなさでもあるので、今後の作品選びの糧となり、ムービーリテラシーを養うための経験になったんだと、前向きに考えるようにしている。そう思い込ませている。
 
だからこそ、期待以上に面白いと思える作品に出会えた時は、嬉しいし、観てよかったと心底思える。
エンドロール中、心の中ではスタンディングオベーション状態だ。
 
予告編が好きな理由二つ目は、その作品を見たような気持ちになれるからだ。
当然、予告編だけ見ても、名前のわからない登場人物はいるし、話の細かな流れ、結末を知ることはできない。
それでも、話の大まかな内容や見どころはわかるので、見たような気持ちにはさせてくれる。
 
この世には数多の映画がある。それを全て見ることなんて、一人間には不可能だ。神様だって、見ることはできないかもしれない。
そんな中、予告編の短い映像だとしても、一つでも多く見られるのが好きなのだ。
それは、自分の好みそうな作品もそうだし、予告編を見ている段階で、絶対に本編は見ないだろうなと思う作品についても変わらない。
 
作品本編とはまた違う、映画の予告編というのは、それ自身が独立したエンタメコンテンツだと考えている。
 
予告編が好きな理由三つ目は、新しい作品との出会いになるからだ。
予告編の中には、公開されることをすでに知っている作品や、映画が公開されるのは知らなかったが、原作は知っている作品もあるが、映画館で観た予告編が完全に初めましての作品もある。
 
観る観ないは別として、そういう、予備知識が全くない作品が公開されることを知れるのも、映画館で見る予告編が好きな理由の一つだ。
また、上映される作品や映画館によっても、流される予告編の作品が変わるので、いろんな映画館に行くのが楽しみになる。
 
こういった理由から、映画館で見る予告編の映像が好きだ。
なので、誰かと一緒に映画を観に行く時に、時間ギリギリになっても、「予告編があるから、まだ大丈夫じゃん」と言う人とは、もう映画には行くまいと、心のシャッターが閉まる音がする。
 
だって、予告編から映画の世界への幕は上がっているのだから。
 
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