【エッセイ】朝から胸クソ映画を見て、最悪の気分から始まる1日も案外悪いもんじゃない
1日の始まりである朝は、爽やかに過ごしたいもの。
朝のテンションがその日1日のテンションを左右すると言っても過言ではないだろう。
基本的に、朝は穏やかに過ごしたいし、1日を通しても、平穏で凪のような心のままその日を終えたいと思っている。
ただ、忙しくて寝不足だったり、前の日に嫌なことやショックなことがあったりすると、起きた瞬間からブルーな気分の日がある。
これじゃ良くないと、無理やりテンションを上げようとしたこともあるが、これまでの経験上、気分をプラスまで持っていけたことはほぼない。
よくて気分をフラットの状態、0のテンションに近づけることはできるが、プラスにできないのであれば、気持ちを上げようとする行為は自分には向いていないじゃないかと思い始めた。
そんな時、気分を上げるんじゃなくて、どん底くらいまであえて下げてしまえば、あとはその日1日を通して、自然とテンションが上がっていくのではないかと考えるようになった。
そこでテンションを下げるための手段として使うことがあるのが、朝っぱらから、後味の悪い、バッドエンドのような、いわゆる胸クソ映画を見ることだ。
単なるホラー映画やスプラッター映画でも気分を下げることはできるのだが、より効果的なのは、見てる側の心を抉り、見たことを後悔したくなるような、重くていたたまれない、精神にダメージを負ってしまうような作品の方が好ましい。
朝からテンションが低い時にこう言う映画を見ると、本当に何もしたくなくなる。
やる気は削がれ、この世には夢も希望もないのではないかと思えるくらいに、気分がどん底まで叩き落とされる感覚になる。
なぜ自分からこんな自虐行為をするのか謎ではあるが、不思議と、どん底の気分というのは1日を通して引きずることはないことの方が多い。
たまに、あまりにも胸糞が悪すぎる作品を見てしまうと、1日どころか、翌日まで引きずってしまうこともあるので、当然リスクはある。
なぜ落ちきった気分を引きずらないのか、それは、やる気がなくなろうが、その日の仕事はやらなければいけないからだ。
「気分が上がらないので仕事休みます」で済ましてくれればいいが、そんな甘い社会にはそうそう出会えるものではない。
背水の陣という言葉があるが、気持ち的には、背中が底についている感覚なので、あとは前を向いて上までもがいていくしかなく、無理やりではあるが、スイッチを入れられるというわけだ。
半ばドーピングのようなやり方ではあるが、テンションが上がらない朝にやる気スイッチを押す方法としては、今のところ自分的にはこれが合っている。
ただ、映画を見るので、比較的余裕のある朝でないとこのやり方は使えない。
このために早く起きるという選択肢もあるが、そこで無理をせず、体を休めさせる方がいいだろう。
時間のない朝の場合だと、すでに知っている、見たことのある胸クソ映画の嫌なシーン、心にダメージを負わせるシーンだけを見る、切り抜き胸クソ映画をするか、動画としてではなく、胸クソ映画のあらすじや実際に起きた胸糞事件のあらましを文章として読むことで、自らのテンションをどん底まで叩き落とすようにしている。
ポジティブではない人間にとっては、上げる行為よりも下げるような行為の方が性に合っている。
その結果、これ以上は下がらない、下げたらやばいというような状況に気持ちを追い込むことで、その日1日を乗り越えるメンタルを朝から作ることができる。
ただ、注意しなければいけないのは、この方法は、仕事や何かしらのやるべきことがある日の朝に使った方がいいということ。
休みの日の朝にこの方法をやってしまうと、やることがないのにやる気を削いでしまうことになりに、ただただ休日を棒に振ってしまうことになる。
休みの日は、ディズニー映画ばりに爽やかで晴れやかな気持ちで1日のスタートを切るのが好ましいのは間違いない。
あと、この方法はネガティブな人向きではあるが、本当に傷つきやすい人や感情移入しやすい人、メンタルが不安定な人にはオススメできない。
気持ちが落ちきった時に、無理やりスイッチを入れることのできる、メンタルの豪腕さが多少なりともある人ではないと、ただの最悪の1日のスタートになってしまう。
最低の気分の朝に、胸クソの悪い映画をぶつけることによって、マイナスにマイナスを掛けて、プラスに変えてやろうという、この発想。
1日のスタートが最悪の朝でも、夜眠りにつく時に最高の1日だったと思えれば、それでいいじゃないか。
そう思えるようになってから、朝の死んだ魚のような目の自分を見ても、以前ほどの憂鬱感は無くなった。
爽やかとは真逆の朝でも、素敵な1日になると信じて、明日の朝もまた、自分のメンタルを地の底まで叩き落とそうと思う。
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